河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

ローマの雨 続報の続報

2006-10-20 00:04:04 | 音楽

ローマ歌劇場フェイク公演の続報の続報が、週刊新潮1026日号320円に載った。

見出しは、

朝日「詐欺オペラ」記事で

一転「広告掲載」の無節操

.

というもの。今回は1ページ3段とごく短い。

内容は、同公演冠会社の朝日新聞社に対してのもので、

1012日号ローマの雨のときは、新聞に広告をだしてくれなかった。

1019日号ローマの雨 続報のときは、新聞に広告をだしてくれないといいながらだしてくれた。

見出しなんてほとんど変わらないのになんで、という内容。

因みに、

1012日号ローマの雨のときの見出しはこれ。

「詐欺!悪徳商法!」

ファンを激怒させた

「朝日新聞主催」

ローマ歌劇場公演

特集

.

1019日号ローマの雨続報の見出しはこれ。

「詐欺オペラ」主催の朝日新聞が

「自分も被害者」だって()

特集

.

確かにどちらも過激であまり変わらない。

統一基準があるんですか、というのが今回の続報の続報。

一番気になる単語は「詐欺」という言葉であり、朝日新聞としてはこのようなことをやるつもりでやったわけではないのだから抵抗があるのは理解できる。

週刊新潮今回の号では、広告収入激減を防ぐために背に腹はかえられず広告をだしたのではないか、と皮肉りながら文を結んでいる。

週刊誌にクラシックの同一話題が3週間も続けて載るのはミラクルではあるが、中身はクラシックなんかどうでもよくなっている。問題の主旨がワーグナーとコープランドほどかけ離れてしまった。

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それはそれとして、今週の週刊新潮にはもうひとつクラシックの話題が掲載されている。

見出しは、

「遅咲き巨匠」が83歳で

振る「ベートーヴェン」全曲

.

素晴らしい。週刊誌同一号にクラシックの話題が二つも掲載されるなんてなかなか貴重だ。

こっちの話題は、12月にザールブリュッケンの放送交響楽団を連れて来日する指揮者ミスターSこと、

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ

の話題。高年齢なのに頑張ってるという内容。

ミスターSは河童も来日毎に接している。去年の高速第九や、ブルックナーの素晴らしさ。80歳を超えても全く枯れない演奏が現代的だ。普通、年とともにダラダラとおそくなり空中分解みたいな演奏が多い中、彼の演奏は緊張感あふれる見事な演奏だ。

ここ1,2年の間で一番素晴らしかった演奏はブルックナーの第7番。彼がブルックナーを振ると、構造がライトで照らされたようになる。明確な第1,2,3主題の違い。経過句さえも転換フレーズでなく、構造の推移を音楽的に感じさせてくれる。彼の棒で7番を聴くと、あまりのクリアな構造解剖を行うため、第4楽章の構造的弱さ、主題の展開があまりみられないことによる他楽章との時間的配分のバランスの弱さ、がはっきりわかる。いいことだけではなく作品のダメなところまでクリアになる。

何年か前に、静かな悪友Sの知り合いがミスターSと朝比奈のブルックナーの演奏比較の話をしていたのを小耳にはさんだことがあった。曰く、

「彼が振ると全く空気がちがう。」

彼、とはミスターSのこと。朝比奈のブルックナーは生で聴いたことがないのでわからないが、ミスターSが振るブルックナーはホールの空気がかわる感じはよく理解できる。

これは演奏の内容もさることながら、それに立ち向かう聴衆の姿勢のことであり、音楽に集中させてくれるような空気、雰囲気、場、を作ってくれるような解釈なわけだ。

そこに存在するだけで奏者、聴衆、を三位一体にしてくれるもう一方の当事者である指揮者の役割は大きく、彼こそはそれを体現させてくれるということだと思う。聴く前から心構えがかわるし、奏者も同様だと思われる。

今回の来日公演はベートーヴェン全集であり、それはそれで聴きごたえがあると思うが、どうせならもう少し腰を落ち着けて、ブルックナー全集、でもやってほしい。ザールブリュッケンの腕も聴きものだ。

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ただ、この週刊新潮の内容はあまりにも不理解で稚拙な内容であるため、クラシックをかじっている人間はやり過ごし、誰も見ないと思う。

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