週刊新潮10月12日号320円を買って読んでいたら、こんな記事が目に飛び込んできた。
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「詐欺!悪徳商法!」
ファンを激怒させた
「朝日新聞主催」
ローマ歌劇場公演
特集
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3ページの特集記事である。
出演者のキャンセルが相次ぎ、中には、健康上の理由、といいながら、ほかの場所で頑張っていた。これは詐欺ではないか。というもの。
事の真偽はよくわからないが、出演しなかったのは事実であるから、少なくとも50%は合っているというわけだ。
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来日公演の宣伝が始まったときに最初に思ったのは、なんでこの歌劇場公演が最高席¥55,000なんだ、ということ。
河童はこの組み合わせの公演には最初から全く食指・食皿が動かなかった。キャンセルがどうのこうのという前から。
冠企業が大企業だから値がはっている、としか思えなかった。最高度の実力劇場なら、この時代、普段からもっとネームヴァリューがあるはずだし、と不思議に思ったものだ。
来日以外にこの劇場の名前を耳にする機会は少なくとも河童の場合、無い。
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この劇場のことをかろうじて知っているのは、録音で、である。
それももう35年ぐらい前だと思うが、当時はやっていた廉価レコード。
ヘリオドール・レーベルから、トゥリオ・セラフィン指揮ローマ歌劇場O.の組み合わせで、ロッシーニの序曲集がでたことがあり、それまでの数々の‘あたりのレコード’につられて買った。
なぜおぼえているかというとオケがあまりうまくなかったのだ。特にホルンは聴いてられないぐらいひどかった。よくレコードになったと当時思ったものだが、ひとえに高名な指揮者のおかげだと思う。
だから、今回も行く気がおこらなかった。というのはいくらなんでもショートしすぎだが、でも通奏低音のように下地はあったようだ。自分なりに。
いずれにしても1600人のキャパしかない、(だから一流ではないとはいわないが)、普段メディアにもあまりのらない劇場が身の丈を越えたキャストで、日本の冠大企業にのせられて、やってしまったのではないか。
ドタキャンの払い戻しはしない、やむをえず代役となる場合がある、などカスタマー・サティスファクションなど眼中にない日本の企画会社の横柄な言葉を無条件に受けれているのが現在の実情。水ものだけにある程度はしかたがない側面もあると思う。
しかし、フランチャイズ的に自分の安住の地にオペラハウスがあるオペラゴアーズにとっては、こんなことよくある。たまにある。ことかもしれないが、来日公演というのは、船などで舞台装置を運び、歌い手を結集させる一大イヴェントなわけであるから、日常の公演とは異なる。企画段取りが非常に重要なのである。今回は慣れていない会社がやったようだが、なぜそうなったのかは冠企業しかわからないことでもあるのだろうか。
河童はバックステージ・ストーリーは好きではないが、今回のように週刊誌にデカデカとあのような記事がのるとついお皿が過剰反応してしまう。