内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の伊藤 耕三 プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として、北海道大学 大学院先端生命科学研究院の龔(グン)教授らのグループは、水を大量に含んだゼリー状の材料であるハイドロゲルをガラス繊維の織物と複合させることによって、丈夫さを誇る「繊維強化ゲル」の創製に成功した。
繊維強化ゲルは、曲げやすい柔軟な材料であるにもかかわらず、金属をも凌駕する強靭性を有している。繊維強化ゲルのタフネス(破壊に必要なエネルギー)は、ゲル単体の100倍、織物単体の25倍にもなり、両者の性質の相乗効果によって極めて強靭化している。また、複合にゲルではなくゴムを用いることで、強靭な繊維強化ゴムを合成することも可能。
得られた材料は、超強靭なゲルシートとして生体材料や服飾用途への利用が可能と期待される。同成果は、「柔軟な複合材料」という新規材料分野の開拓につながるもの。