楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

     ・日ごろ考えること
     ・日光奥州街道ひとり歩る記
     ・おくのほそ道を歩く

裏見の滝(芭蕉の道を歩く 22)

2012年11月05日 09時51分11秒 | 芭蕉の旅

(日光7)
日光へ寄った芭蕉は、
翌日、裏見の滝と憾満ヶ淵へ行っている。
それに倣(なら)って、ボクも訪ねた。

奥の細道で芭蕉は、(以下「奥の細道」原文による)

「二十余丁山を下って滝あり。
岩頭の頂(いただき)より飛流して百尺、
千岩の碧潭(へきたん)に落たり。岩窟に身をひそめ入りて、
滝の裏側より見れば、うらみの滝と申し侍るなり。

 ・暫時は(しばらくは)滝に籠るや夏(げ)の初」

と記している。

日光東照宮入り口の神橋から、
120号線安良沢郵便局前バス停を右折する場所に
「裏見の滝右」の案内看板がある。
しばらく上り道を行くと、
突き当たり状態になるところの右側に駐車場がある。
ご丁寧に立派なお手洗いも付いている。

駐車場脇にある裏見の滝への案内図を見ていると、
初老の男性が奥様とお嬢さんと三人で来た。
男性が同じように地図を覗き込んだので、
「どうしてここにお出でになったのですか?」と、
お訊ねすると、この近くに住んでいる方であった。
いつも「裏見の滝右」方向とかいた案内を見て、
120号線を通っているので、
覗く気になったのです。あなたは?」と逆襲された。
「奥の細道で芭蕉が日光の翌日訪ねたとあったので、
見学にきました。」と答える。

芭蕉は埼玉の草加から栃木に入って、
室の八嶋こと野州一ノ宮 大神神社(おおみわじんじゃ)へ寄って、
次の日に鹿沼で一泊、その後日光に来ている。
初日は日光東照宮に参詣し、
曾良の旅日記によれば、
翌日、裏見の滝と憾満ヶ淵を訪ねている。

案内図にある裏見の滝への道順を参考にして、
駐車場反対側の道を山の中へ進む。

(裏見の滝への道)

(裏見の滝への上り階段)

遊歩道が設置されているので、山肌にある上り下りの階段を進み、
左手に大谷川(だいやがわ)の流れを見ながら進むと
突き当りが滝である。

芭蕉の説明では、滝を裏側から見て、
これを「うらみの滝」といっているが、
今は木道と観瀑台が設置されており、
裏側から見ることはできない。
高さ40mほど、立派な滝である。

(芭蕉が裏側から見た滝はこのように見えただろうか)

(作られた誘導路)

(山道左手の大谷川)

(山肌に沿った道)

(裏見の滝)

先客が数人観瀑台から写真を撮っている。
しっかりした三脚にカメラを構えているプロのような方もいる。、
観瀑台は滝の飛沫が飛んで、涼しく感じられ、
今まで昇ってきた道で吹き出した汗が、
嘘のように引いていく。

(千岩の碧潭に落ちるさま)

滝の落ちた所は、芭蕉が「千岩の碧潭に落たり」と言っているが、
なるほど滝つぼは、碧(みどり)に澄んでいた。
絶え間なく流れ落ちる滝の、大きな音を後ろに聞きながら、
芭蕉の見た滝と同じだろうかと考えながら帰途に着いた。

  

・やまもみじ 色さわやかに 滝の音  hide-san

コメント (14)
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