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ハーフタイム

2024-04-06 23:49:59 | 政治

4月6日から14日まで、永田町の議員の先生がたは自民党派閥パーティー券問題をめぐるつかみいあいの闘争劇を中断してハーフタイムに入った。8日から14日まで岸田首相が訪米するからだ。岸田・日本国首相はバイデン・米大統領と面談、米連邦議会で演説する。首相官邸や外務省の訪米日程を見ても、これといった緊急の案件は明示されていない。

頼・台湾新総統の就任後の東アジア情勢をめぐっての意見交換や、イスラエルの攻撃により生じているガザの人道問題、ソ連の侵攻と戦っているウクライナの問題の見通しやその対策、トランプ氏との大統領選挙の攻防など、バイデン大統領の方は、できれば岸田氏と相談したい案件を抱えている。しかし、自民党の党内スキャンダルで支持率を下げた岸田政権を相手に相談する気にはなれないだろう。相談したところで、解決の手を差し伸べてもらえないことは、バイデン氏もわかっている。

いっぽう岸田氏の方は、自民党のボス連中の怨念が渦巻く日本を離れて、ワシントンで穏やかに眠りにつくことができる平穏な1週間になる。

といっても、首相は訪米後、自民党内の大ボス、小ボス、中堅ボスの不満のガス抜きをし、自らの総裁ポストの基盤修復を行い、政治資金関連の法律の作り替えを行わねばならない。これらの作業の中でのちょっとした火花が、たまっていていたガスに引火、自民党が分解してしまうこともありうる。自民党からのスピンアウト議員が野党爆発の誘爆材になるかもしれない。

永田町あたりに棲息している人々には、プリンシプルやディシプリンは希薄な一方で、機を見ることだけには敏、という傾向が強いので、日本の有権者もやがて、心配のあまり寝つきがわるくなることだろう。春愁である。

(2024.4.6 花崎泰雄)

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