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news commentary

王宮の廊下

2010-10-06 22:38:29 | Weblog

菅首相と温首相はブリュッセルのASEM首脳会談会場の廊下で25分間の日中立ち話(実際は椅子に座っていた)をしたと伝えられた。

日本のメディアはではこの出来事を「会談」と報じたが、新華社など中国のメディアは「交談」とし、会談と同じレベルの「会見」よりは低い扱いとして報じた。そうだろうと思う。廊下で日中首脳会談というのも外交プロトコールからはずれる。

新聞の報道によると、廊下会談(交談)は、全く偶然ではなく、偶然をよそおって二人が話できるように、あらかじめお膳立てがされていたらしい。

中国側にはいま一気に正規の首脳会談に応じるというわけにも行かず、略式の廊下面談ということで、日中の準備作業担当者が合意したのだろう。

口さがない筋はこれを「廊下とんび」という言葉を連想させるといっている。廊下とんびとは妓楼で遊女を待ちかねた遊客が廊下をうろつくことをいったもので、のちに、記者や役人が情報収集のために議場の廊下を走り回る姿も廊下とんびというようになった。

温首相と菅首相がお互いをまちこがれて廊下とんびをやったわけで、事務レベルの打ち合わせならともかく、首脳同士となると滑稽な感じがしなくもない。ただASEMの会場はベルギー王宮で、おそらく廊下といえどもそれなりの風格のある場所だったと思えるのが救いだ。

もし、会場が王宮でなくコンクリートの国際会議場のようなところだったら、25分にわたる廊下での話し合いは実現なかったろうと思う。

(2010.10.6)
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