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夏休み

2019-07-26 23:03:11 | Weblog

 

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Going Home

2019-07-16 23:12:15 | 国際

ドボルザークの交響曲第9番『新世界より』は、彼が滞米中に作曲した作品である。有名な第2楽章は、日本では「家路」、アメリカでは ‘Going Home’ として知られている。アメリカでは多くのジャズ演奏家がこの曲のモチーフでジャズを演奏している。筆者も交響曲としてよりも、ジャズとして聞いたことが多い。

トランプ米大統領が政権を批判するアフリカ系などの連邦議員に、それなら「国に帰ってはどうか」と言った。

第2次世界大戦後にアメリカに移住してきたアジアやラテン・アメリカ系アメリカ人が、大統領の人種差別的言動に「もう、やってられないや」と祖先の地に帰って行った。

東ヨーロッパや南ヨーロッパから19紀末から第2次世界大戦の時代にかけてアメリカにやってきた人々の子孫が、その様子を見て、どうせ次は私たちが標的にされる、とアメリカを見捨てて、祖先の地やその他の優しくて上品な国へ移っていった。

やや、これは日本を上回る人口減だ、と19世紀にアメリカにわたってきたドイツやスカンジナビアの血を引く人々が、今の合衆国よりはよほどまともなドイツやスカンジナビア諸国に帰って行った。

このあと、17世紀から18世紀にかけてアメリカにやってきた最初の移住者のグループであるイギリス系、アイルランド系、オランダ系の末裔が、人口がスカスカになって、ニューヨークの5番街までがシャッター通りになってしまったのを機に、合衆国から出て行った。

先住民とアフリカから奴隷として連れてこられた人々の子孫が残った。「われらが新世界に万歳」と彼らは叫んだ。

(2019.7.16 花崎泰雄)

 

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さあ、参院選だ

2019-07-04 00:13:15 | 政治

参議院議員選挙は7月4日公示され21日投票日を迎える。

大阪で開催されたG20の議長として、安倍・日本首相は「外交のアベ」のかっこいいところを有権者にみせて、選挙の票を集めようとした。だが、話題は板門店でのトランプ・金会談にかっさらわれてしまった。そのうえ、徴用工問題についての韓国の態度に怒って、半導体材料の対韓輸出に規制をかけた。韓国に対する強腰を示して、反韓層からの支持を固めようとするつもりなのだろうか。トランプ流の「ディール」を真似ているのだろうか。貧すれば鈍する。落ち目の国の政権与党にはその程度の知恵しか残っていないのだろうか。

日本の勢いは長期低落傾向を示している。GDP成長率はG20の中で上から17番目。下から3番目(EUを除く参加国は19ヵ国)。日本より下位の国は南アフリカとアルゼンチンである(2018年、IMF統計)。

日本の1人当たりGDPは2018年には世界第27位。その前の2010年には18位、2000年には2位、1990年には9位だった。いま日本の雇用労働者の37パーセントが非正規雇用である。ありていに言えば、低賃金労働者である。ルンペンプロレタリアートの予備軍である。女性の雇用労働者の場合、その55パーセントが非正規雇用労働者である。

女性がこのように踏みつけにされるのは、ひとつには国会に女性の議員が少ないからである。日本の衆議院の場合、女性の議員は10パーセントほど。2018年の列国議会同盟のデータでは、193か国中、第165位である。G20のメンバーの中では、当然、最下位である。G20のメンバーだが選挙による国会がないサウジアラビアには、国会にあたる諮問評議会がある。議員は国王が任命する。150人中、2割が女性である。

日本は結婚によって女性に改姓を強いる世界では数少ない国である(唯一の国との説もある)。国連から「女性差別である」と是正勧告を受けている。自由民主党の多くの議員は「別姓にすると家族の絆が崩壊する」などと言って、選択的別姓制度に反対している。

結婚して大多数の女性が男性の姓に改姓する。その夫婦が育てた娘は、たいていの場合、やがて結婚して夫の姓を名乗る。したがって父母兄弟と、結婚した娘は別姓になる。父母と姓が異なる娘であっても娘であることに変わりなく、祖父母と姓の異なる孫であっても、孫はみな可愛い。したがって姓と家族の絆は関連が薄い。

私が知っているオーストラリの大学教授は、最初の結婚では相手の男性の姓を名乗った。その後、離婚、やがて別の男性と結婚したが、その時は改姓せず、別れた前夫の姓を使って夫婦別姓で通した。理由は簡単だ。前の夫の姓を名乗っていた比較的若い時に重要な学術論文や本を多数書いていたからである。名前を変えることで、キャリアとの関連が希薄になるの嫌ったのである。

転石苔むさず――どうやら日本人は変わることを嫌悪して、苔むす国を愛でているように見える。その不都合さに我慢強く耐えながら。

 (2019.7.3 花崎泰雄)

 

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