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news commentary

暑中休載

2012-07-29 19:14:28 | Weblog
猛暑につきしばらく休載します。秋風がたつころ再開します。


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プレミアム・エコノミー

2012-07-19 10:36:52 | Weblog

1960年代、フェミニスト運動が盛んだったアメリカ合衆国でmale chauvinist pigという言葉が盛んに使われていた。今も昔も日本はそのような国である。日本人は(特に日本人の男は)そのような認識は薄いかもしれないが、世界の多くの国でそう見られている。

Inter-Parliamentary Union が2012年5月31日付で公表した国会議員の男女比率によると、例えば下院議員(日本では衆議院)の男女比率は、高位の北欧諸国は別にしても、

ドイツ             32.9%
カナダ             24.7
オーストラリア         24.7
イギリス            22.3
米国              16.9
韓国              15.7
日本              10.8

となる。

OECDが2010年にまとめた加盟国のフルタイム労働者の男女賃金格差は、格差の大きい順に、韓国→日本→ドイツ→英国→米国→スウェーデン→フランス→オーストラリアとなった。韓国の女性労働者の賃金は男性のそれより38.85%、日本では30.7%低かった。

ロンドンのDaily Telegraphという新聞は、日本の全国紙程度には信用のおけるブロードシートの日刊紙で、ブロードシートとしては全英最大の発行部数を誇る。ロンドン・オリンピック大会を目前にして、その新聞にLondon 2012 Olympics: sexism row as Japan’s female athletes fly lower classという見出しの記事が掲載された。同紙の東京特派員が書いた記事だ。日本は評判通りの男優先の国だという印象をテレグラフがオリンピック前のロンドンにばらまいた。

もうおわかりだろうと思うが、オリンピックへ派遣された男子サッカーチーム(ワールド・カップ優勝歴なし)はビジネス・クラスの切符を支給され、女子チーム(ワールド・カップ優勝歴あり)は座席ランクが下位のプレミアム・エコノミーの切符をあてがわれた。

JOCは選手に一律エコノミーの航空運賃を用意し、各競技団体が自前で座席グレードアップをしたり、しなかったりする。男女のサッカーチームがJALの同じ便を利用したため、この男女格差が際立った。

景気の良かった昔は、海外青年協力隊の派遣もビジネス席だった。緊縮の今、ビジネス席をもらえる出張者は怨嗟の的だ。

JOCの発表では、ロンドン・オリンピックに行く日本選手団は293人、それに225人の役員がついて行く。ビズネス席を利用できる選手、役員、差額のねん出法など、一覧表を作って報道すると読まれるだろうな。週刊誌の仕事だろうけれど。

(2012.7.19  花崎泰雄)

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ニッコロによる挽歌

2012-07-04 00:17:12 | Weblog

政治家は自らが理想とする政策の実現のために権力を渇望するのか、それとも、権力を掌握するための手段として人民に理想を語りかけるのだろうか。

時の人、小沢一郎は自民党を割って出て以来、新生党、新進党、自由党、民主党合流と、4回にわたる政党遍歴のたびに政治の理想のようなものを語った。今回また民主党を割って出たのも、国民第一の政治の理想に殉じたのだと説明した。

小沢の遍歴について、理想の実現を求めて新党をつくり、つくってはまたうちこわしたと見る人もいる。逆に、権力争いのための道具として新党をつくり、敗れて不用になった政党を廃棄する行為を繰り返した露骨な政治的我欲とみなす人もいる。見方は小沢一郎に好感を持つか、嫌悪感を持つかによって異なる。

小沢は理想の政治を語ることが少なかった。語られたのは選挙用のスローガンだった。したがって、政治の理想という面から小沢の行為を説明するのはなかなか難しい。

小沢は消費税増税を成立させるための民主、自民、公明の連携を批判した。民主党が野党時代、小沢は民主党代表として自民党の福田首相と大連立を話し合っていた。

民主党内で最強の実力者だった小沢が、首相レースで鳩山、菅、野田らに目の前の首相の椅子をさらわれ、結局は民主党から出ていくことになったのは、どこに問題があったのだろうか。

それはどうやら、ニッコロ・マキアヴェリのいうフォルトゥナ(運)とヴィルトゥ(甲斐性)のかみ合わせがちぐはぐだったせいだ。

マキアヴェリは、『君主論』の中で、用意周到であるよりも果断に運命を切り開け、と言った。確かに小沢は果断に運命を切り開こうとした。だが、マキアヴェリはこうも言っている。やり方が時代に合っていれば成功し、あっていないと失敗する。時代も情勢も変化したのに、やり方を変えない者は勢いを失う。人は持って生まれた性質に拘束され、過去の成功例の記憶に縛られる。

永田町にも時は流れる。小沢一郎はいつの間にかこわもての政治的シーラカンスになっていたのだ。小沢は自らの「剛腕」伝説によってつまずいた。

昔から「修身斉家治国平天下」という。小沢の妻の離婚手記によって、小沢一郎の「修身・斉家」の程度までが知れてしまった。アメリカ合衆国では「修身・斉家」が立派でないと大統領になって「治国平天下」を行うことが難しい。まあ、これはマキアヴェリとは関係のない筆者の嫌味に過ぎないのではあるが……。

(2012.7.2  花崎泰雄)

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