昨年、インフルエンザの新薬として華々しく登場し、圧倒的な使用されたました。
「ゾフルーザ(バロキサビル)」
1回飲むだけの利便性と従来と作用機序が異なり作用が協力と
宣伝され、処方された先生も多かったようです。
テレビでもゾフルーザを強く推奨された先生もいらっしゃいましたが…
昨シーズンはゾフルーザを当院で処方したのはほんの数人でした。
「臨床試験の段階から、高率でアミノ酸変異が生じることが判明しており、
変異ウイルスは、バロキサビルに対する感受性が低下し、健常者において、
罹病期間の延長とウイルス排泄の遷延化が認められました。」ことを知っていました。
いわゆる「ゾフルーザ耐性ウイルス」の発生が気になっていたので、
他の抗インフルエン薬の選択肢があるので、無理に耐性ウイルスが生じる可能性のある
薬を選ぶ必要がないと感じて、新薬の効果については様子をみることにしました。
さらに、インフルエンザは小児や高齢者では死亡の危険があるものの
われわれが外来で直面する心筋梗塞や脳卒中に比べて危険性は小さいので
薬としては安全面を重視して選ぼうと考えていました。
高熱でフラフラになった高齢の患者さんでゾフルーザを処方しましたが、
熱の下りはよくなくて、個人的な印象ではそれほど強力とは思えませんでした。
最近の日本感染症学会の提言の中に、ゾフルーザについて触れている部分を引用すると
http://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=37
「以上の点を鑑みて、当委員会では、バロキサビルの使用に関し、現在までに得られたエビデンスを検討した結果、以下のような提言を行います(バロキサビルの単独使用を前提としています)。
(1) 12-19歳および成人:臨床データが乏しい中で、現時点では、推奨/非推奨は決められない。
(2) 12歳未満の小児:低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する。
(3) 免疫不全患者や重症患者では、単独での積極的な投与は推奨しない。
(註釈)
現時点で、委員(10名)の中には以下のような意見もあります。
成人、小児ともに単独での使用は非推奨とする 2名
12歳未満で単独でのバロキサビル使用を非推奨とする 3名
免疫能の低いと考えられる5歳以下で単独でのバロキサビル使用を非推奨とする 2名
免疫不全患者や重症者にこそ使用すべきである 3名
以上みてきたように、バロキサビルについては、まだ十分なエビデンスに乏しく、今後の基礎および臨床のデータの蓄積と解析により、その使用方針に変更の可能性があります。」
とあります。
成人ではゾフルーザの推奨/非推奨に意見が分かれているようです。
個人的には重症な患者さんでない限りは、1回の経口投与という利便性で
ゾフルーザを選択はしない方針でしばらく様子をみようかと思います。
われわれ医療者は新しい薬と常に出会います。
どのように使うのか、使わないのか、しっかりと見識をもって望まなければ
ならないと思うばかりです
「ゾフルーザ(バロキサビル)」
1回飲むだけの利便性と従来と作用機序が異なり作用が協力と
宣伝され、処方された先生も多かったようです。
テレビでもゾフルーザを強く推奨された先生もいらっしゃいましたが…
昨シーズンはゾフルーザを当院で処方したのはほんの数人でした。
「臨床試験の段階から、高率でアミノ酸変異が生じることが判明しており、
変異ウイルスは、バロキサビルに対する感受性が低下し、健常者において、
罹病期間の延長とウイルス排泄の遷延化が認められました。」ことを知っていました。
いわゆる「ゾフルーザ耐性ウイルス」の発生が気になっていたので、
他の抗インフルエン薬の選択肢があるので、無理に耐性ウイルスが生じる可能性のある
薬を選ぶ必要がないと感じて、新薬の効果については様子をみることにしました。
さらに、インフルエンザは小児や高齢者では死亡の危険があるものの
われわれが外来で直面する心筋梗塞や脳卒中に比べて危険性は小さいので
薬としては安全面を重視して選ぼうと考えていました。
高熱でフラフラになった高齢の患者さんでゾフルーザを処方しましたが、
熱の下りはよくなくて、個人的な印象ではそれほど強力とは思えませんでした。
最近の日本感染症学会の提言の中に、ゾフルーザについて触れている部分を引用すると
http://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=37
「以上の点を鑑みて、当委員会では、バロキサビルの使用に関し、現在までに得られたエビデンスを検討した結果、以下のような提言を行います(バロキサビルの単独使用を前提としています)。
(1) 12-19歳および成人:臨床データが乏しい中で、現時点では、推奨/非推奨は決められない。
(2) 12歳未満の小児:低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する。
(3) 免疫不全患者や重症患者では、単独での積極的な投与は推奨しない。
(註釈)
現時点で、委員(10名)の中には以下のような意見もあります。
成人、小児ともに単独での使用は非推奨とする 2名
12歳未満で単独でのバロキサビル使用を非推奨とする 3名
免疫能の低いと考えられる5歳以下で単独でのバロキサビル使用を非推奨とする 2名
免疫不全患者や重症者にこそ使用すべきである 3名
以上みてきたように、バロキサビルについては、まだ十分なエビデンスに乏しく、今後の基礎および臨床のデータの蓄積と解析により、その使用方針に変更の可能性があります。」
とあります。
成人ではゾフルーザの推奨/非推奨に意見が分かれているようです。
個人的には重症な患者さんでない限りは、1回の経口投与という利便性で
ゾフルーザを選択はしない方針でしばらく様子をみようかと思います。
われわれ医療者は新しい薬と常に出会います。
どのように使うのか、使わないのか、しっかりと見識をもって望まなければ
ならないと思うばかりです