糖尿病の動脈硬化に立ち向かうには…

　心臓血管外科の診療ではいろいろな疾患がありますが、
「動脈硬化」が原因となるものが多くあります。
動脈硬化の原因には、メタボやストレスなどの他に「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」があります。

診療していた、なかでも手強いと思うのは「糖尿病」
血糖のコントロールに努力していても、動脈硬化が進んできます…

最近、思うことは…　



冠動脈CTで石灰化をみると、このような正常の冠動脈では石灰化はみられません。

ところが糖尿病の場合は…



白くキラキラと輝いている場所は「冠動脈石灰化」で、冠動脈の主要な血管の太い部分の
至るところに石灰化があります。
「石灰化」は「動脈硬化」の部分にカルシウムが沈着して生じるのですが、
「高血圧」や「脂質異常症」の場合の動脈硬化ではこれほどの石灰化は少なく、
「糖尿病は手強い」と感じます。




糖尿病のコントロールが良好とされていても、動脈硬化が進んできて
狭心症になることがあります。
この患者さんも病院へご紹介して、狭い冠動脈を広げていただきましたが、
他の部分にも動脈硬化や石灰化があるので、どのように進行を防げるのか？
いろいろと考えなければならないな…


動脈硬化に立ち向かうことができるようになりましたが、
「糖尿病」は一筋縄ではいきません…