能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

大声にご注意を

2014-05-19 08:08:58 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
お昼間過ぎの三時頃、スターバックス自由が丘店でのこと。大声で話すオバチャンたちがいた。敢えてオバチャンと言うのには訳がある。たぶん30代後半から40代前半ぐらいの子どもを持つお若いお母さんたち、と本来は言わなければいけないが、その行動からオバチャンで押し通す。

オバチャン3名が店内の周りの雰囲気に配慮なく、大声で話し大笑いをする会話が延々と続く。完全に騒音だ。周りの人々もたまにチラッと見て、騒音元に注意をしたい様子だが、やはりなかなか出来るものではない。周りの諦めをよそに会話は更にヒートアップする。困ったものだ。人の声も出しようによっては騒音となる一例だ。

実は、私のまわりにもこの手の人はいる。先日、新幹線の中で「お客様、もう少しお静かに」と車掌に注意された相方は、「なんで? 俺?」と自分の声の大きさに気付いていない。また目の前で愉快に失敗談を話すお弟子さんも、周りからチラリと見られていることに気付かず、夢中でゲラゲラ笑いながら話す。声のよく通る人は自分自身の声に意外と無頓着。もちろん私も。

謡の録音を頼まれそれを聞いたり、先日の「古典芸能への招待」での放送を見て自分の声を聞くと、うんざりだ。自分の声ではない、二度と聞きたくないと思う。が、他人様にはあのように聞こえているのだろうと思うと、悲しくなるが仕方が無いと諦めている。

最近、声を生業にしているのであれば、気が進まなくても己の声をチェックした方がよい、と思うようになった、己の声の欠点は大人になると誰も言ってくれないから自分で探し見つけ直すしかないようだ。演者が自分自身を知る、というパーツのひとつになるだろう。これから、iPhoneやICレコーダをうまく利用して、己の声に注意して騒がしくなく、的確に音を伝えていきたいと思っている。

ところで、あのうるさいオバチャンたちへの対応が気になりませんか?
周りがこんなに不愉快に思っているのに、お店はなにもしないの? と思われた方へ。

あまりに大声の大笑いに対してスタバの店員は、ある行動を起こした。

それは、いきなり店内に音楽を流した。それも大音量で、アップテンポのノリノリの海外の音楽だ。

もちろん音楽が流れたからといって怯まないオバチャンたちだが、周りの人々は音楽に耳を傾けられるようになった。機転の効くスタバ店員に、お昼過ぎなので一応賛辞を送った。


文責 粟谷明生

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