121121.sat.
国立劇場にて「伝統歌舞伎保存会 研修発表会」。
正面にはいきなり六代目菊五郎を模した彫像、
平櫛田中の『鏡獅子』がどーん! と。
四方は餅花飾りが賑やかに揺れて、お正月らしい館内。
昨夏、サントリー美術館の「不滅のシンボル 鳳凰と獅子展」で見た鏡獅子は
これのミニチュアだった。
当たり前だが、全然迫力が違います。
獅子の毛のリアルさといったら、木とは思えないほど。
畠山記念館やニューオータニ美術館の創業者の木彫に会う
(見る、ではなくて会うがぴったり)たびに
平櫛田中が描いたその存在感に敬服するのだが、
このひとも今にも毛振りをしそうで・・・
・・・・ああ、本題からずれました。
思っていたより場内は熱気にあふれていて、
新進歌舞伎役者らへの期待の大きさが伝わってくるよう。
宝塚の研修生を応援する大人たちみたいな?(笑)
本日の公演は
「三人吉三巴白浪~本郷火の見櫓の場」と「素襖落」。
監修は松本幸四郎丈。
若手俳優、演奏家の研修を目的としたもので、
平成17年以来6年ぶりの開催とのこと。
子供のための歌舞伎教室は知っていたが、
こんなこともしていたのですね。
しかも大劇場!
大道具、小道具、衣装、もちろん台本も本公演と同じだそうで。
どんな趣向かしらと思っていたら、奥からどーんどーんという雪の音。
花道の幕がバッと上がると、
番傘をさした幸四郎丈が雪を避ける仕草をしつつの登場です。
「高麗屋っ!」
久々の花道横での席で、たっぷりの臨場感を味わう。
解説のあと、「若い者をよろしく」と言って去っていくと・・・
舞台に現れた町人三人。
いきなり染五郎丈、福助丈、友右衛門丈ではありませんか。
当然、会場が沸きます。
こんなちょい役にベテランが出ることを「ご馳走」ともいうが、
初っ端からこれなら、なんて贅沢な!(笑)
その後、両花道から登場したのは、
お坊吉三・松本錦一丈とお嬢吉三・中村芝のぶ丈。
和尚吉三(松本錦弥丈)を救い出すためのひと場面。
ほう、振袖をそう結べば襷がけになるのね、なんて
変なところに目がいってしまった・・・(笑)
雪降るなか、火の見櫓の前での三人の大立ち回り。
争いの様式美とそろって見得を切る美しさに拍手喝采。
後半は、花道のすっぽんから幸四郎丈がぬーっと現れました。
新歌舞伎十八番の一つで
狂言の「素襖落」をもとにした作品であることを解説。
手にした小道具の扇子には裏表に堂々たる蝙蝠の絵。
代々自らが絵を描いて使うのだそう。
幕が上がると、松羽目が目に飛びこむ。ザ・お正月。
主役の太郎冠者には染五郎丈。
あらら、なんだかいつもの大劇場と変わらないのでは?
我々観客はとっても得した感が強いのだけれど、
染五郎丈にとってもここは修行の場。
先だって、山種美術館の講演会で聞いたとおり、
彼とて芸を磨いている真最中なのだ。
http://blog.goo.ne.jp/ezn03027/e/323a81c20c0726be785f33e8a5915554
舞いのシーンで染五郎丈が持っていた扇子、
お父上よりのよりはいくぶん小ぶりな
お上品な蝙蝠の絵とお見受けしましたぞ。
ともあれ、狂言の衣装が私は大好き。
大胆なデザイン、意表をつく配色・・・
昔は最先端のファッションだったわけであるから
観客もわくわくして通ったのであろうなあ。
児太郎丈、いまの福助丈が児太郎ちゃんだった頃は好きだったけれど
息子の児太郎ちゃんは・・・頑張ってましたけど
もう少し声が良ければいいのに。(ごめん)
役者にとて声質はもちろん、声に色気があるなしって、重要。
竹本連中、長唄囃子連中がずらり揃っての演奏も華やかで見事。
本舞台で見るよりも、たしかに若いお顔が多い、ような。
こうしたバックの方々にとっての研修会でもあるのだ。
パンフに名前があった鳥羽屋里一郎さん。
人間国宝・里長さまのお弟子さん。
そういえば、里長さまの娘・里夕(りせき)さんの邦楽ライヴには
8、9年前からちょくちょく行っていたが、
最近ご無沙汰・・・と思っていたところ、つい先日、
来月13日に2年半ぶりのライヴをするという情報をいただきました。
と、だいぶんずれたところに着地してしまった、本日の日記。
でも、こうした研究発表会、続けていくそうなので楽しみです。
なんでもそうだが、こうした発表の場、機会があるということで
芸も技も確実に昇華していく。
生涯修行ということですね。
国立劇場にて「伝統歌舞伎保存会 研修発表会」。
正面にはいきなり六代目菊五郎を模した彫像、
平櫛田中の『鏡獅子』がどーん! と。
四方は餅花飾りが賑やかに揺れて、お正月らしい館内。
昨夏、サントリー美術館の「不滅のシンボル 鳳凰と獅子展」で見た鏡獅子は
これのミニチュアだった。
当たり前だが、全然迫力が違います。
獅子の毛のリアルさといったら、木とは思えないほど。
畠山記念館やニューオータニ美術館の創業者の木彫に会う
(見る、ではなくて会うがぴったり)たびに
平櫛田中が描いたその存在感に敬服するのだが、
このひとも今にも毛振りをしそうで・・・
・・・・ああ、本題からずれました。
思っていたより場内は熱気にあふれていて、
新進歌舞伎役者らへの期待の大きさが伝わってくるよう。
宝塚の研修生を応援する大人たちみたいな?(笑)
本日の公演は
「三人吉三巴白浪~本郷火の見櫓の場」と「素襖落」。
監修は松本幸四郎丈。
若手俳優、演奏家の研修を目的としたもので、
平成17年以来6年ぶりの開催とのこと。
子供のための歌舞伎教室は知っていたが、
こんなこともしていたのですね。
しかも大劇場!
大道具、小道具、衣装、もちろん台本も本公演と同じだそうで。
どんな趣向かしらと思っていたら、奥からどーんどーんという雪の音。
花道の幕がバッと上がると、
番傘をさした幸四郎丈が雪を避ける仕草をしつつの登場です。
「高麗屋っ!」
久々の花道横での席で、たっぷりの臨場感を味わう。
解説のあと、「若い者をよろしく」と言って去っていくと・・・
舞台に現れた町人三人。
いきなり染五郎丈、福助丈、友右衛門丈ではありませんか。
当然、会場が沸きます。
こんなちょい役にベテランが出ることを「ご馳走」ともいうが、
初っ端からこれなら、なんて贅沢な!(笑)
その後、両花道から登場したのは、
お坊吉三・松本錦一丈とお嬢吉三・中村芝のぶ丈。
和尚吉三(松本錦弥丈)を救い出すためのひと場面。
ほう、振袖をそう結べば襷がけになるのね、なんて
変なところに目がいってしまった・・・(笑)
雪降るなか、火の見櫓の前での三人の大立ち回り。
争いの様式美とそろって見得を切る美しさに拍手喝采。
後半は、花道のすっぽんから幸四郎丈がぬーっと現れました。
新歌舞伎十八番の一つで
狂言の「素襖落」をもとにした作品であることを解説。
手にした小道具の扇子には裏表に堂々たる蝙蝠の絵。
代々自らが絵を描いて使うのだそう。
幕が上がると、松羽目が目に飛びこむ。ザ・お正月。
主役の太郎冠者には染五郎丈。
あらら、なんだかいつもの大劇場と変わらないのでは?
我々観客はとっても得した感が強いのだけれど、
染五郎丈にとってもここは修行の場。
先だって、山種美術館の講演会で聞いたとおり、
彼とて芸を磨いている真最中なのだ。
http://blog.goo.ne.jp/ezn03027/e/323a81c20c0726be785f33e8a5915554
舞いのシーンで染五郎丈が持っていた扇子、
お父上よりのよりはいくぶん小ぶりな
お上品な蝙蝠の絵とお見受けしましたぞ。
ともあれ、狂言の衣装が私は大好き。
大胆なデザイン、意表をつく配色・・・
昔は最先端のファッションだったわけであるから
観客もわくわくして通ったのであろうなあ。
児太郎丈、いまの福助丈が児太郎ちゃんだった頃は好きだったけれど
息子の児太郎ちゃんは・・・頑張ってましたけど
もう少し声が良ければいいのに。(ごめん)
役者にとて声質はもちろん、声に色気があるなしって、重要。
竹本連中、長唄囃子連中がずらり揃っての演奏も華やかで見事。
本舞台で見るよりも、たしかに若いお顔が多い、ような。
こうしたバックの方々にとっての研修会でもあるのだ。
パンフに名前があった鳥羽屋里一郎さん。
人間国宝・里長さまのお弟子さん。
そういえば、里長さまの娘・里夕(りせき)さんの邦楽ライヴには
8、9年前からちょくちょく行っていたが、
最近ご無沙汰・・・と思っていたところ、つい先日、
来月13日に2年半ぶりのライヴをするという情報をいただきました。
と、だいぶんずれたところに着地してしまった、本日の日記。
でも、こうした研究発表会、続けていくそうなので楽しみです。
なんでもそうだが、こうした発表の場、機会があるということで
芸も技も確実に昇華していく。
生涯修行ということですね。
この会が復活したようです。
次回は三月、桜の頃でしょうか。
様式美がピッタリだね。
そうだったんですか。
世界遺産にもなってますからねえ。
次回もたのしみ~~