ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

カワイイのココロ

2014-02-28 01:16:38 | 美を巡る
140225.tue.-1

山種美術館のKawaii展へ。
Kawaiiは今や海外でもダントツの
Cool Japan。
そんな「カワイイ」文化のルーツを
辿る、
館長、スタッフともほぼ女性という
山種ならではの企画展です。



展示変えで登場した、
若冲の「樹花鳥獣図屏風」はやはり人気。
何度見てもこのデジタルチックな
升目描きはすごいわ。
人がしないことをしたかったという
若冲らしい作品。
いったいどれくらいの日数をかけて
完成させたんだろうか。
ちまちまと塗り重ねていく作業こそが
楽しかったんではないかと、
そんなことを思わせてくれる若冲さん、
カワイイよね~。

閑話休題。

たしかにカワイイものばかり。
素材と見た目はもちろん、
対象の捉え方とか構図とか、
タッチとかいろいろな角度から集めると
こんなにたくさんのカワイイがあるわけですね。
愛らしい、健気、綺麗、小さい、可憐、
安らぐ(ゆるい?)、緻密、細密、
ユーモア、ほのぼの、無邪気などなど、
日本美術はカワイイの宝庫だわ。

兎や仔犬がカワイイのは当たり前だが、
川端龍子の「百子図」。
長い鼻を振り回して子等と遊んでいる
象の楽しげなことといったら!
大きいのにカワイイ。(笑)

でも、やっぱり一番は奥村土牛さま。
「枇杷と少女」の透明感あふれるバックと
いたいけな少女。
「鳴門」「醍醐」の次に好きな絵です。
もちろんふわっふわの白い毛の兎も。
「目が楽しいから、生き物を描くのが好き」
なんてことをおっしゃる。
対象への愛にあふれてます。



福田平八郎の雀の絵は、カワイイのに
さすがにスタイリッシュ。



土牛さま曰く、絵は人柄である、と。
ここに集められた画家達は皆さん、
カワイイのココロをお持ちだったのでしょうね。
いい展覧会でした。

独活が笑う!?

2014-02-27 14:45:02 | 歌を詠む
140225.tue.-2
五行歌会・麹町倶楽部の二次会は
いつもの半蔵門の小料理屋で。



わ! 初物の独活(うど)!
先日、別の歌会で出したのはこんな歌。

就活に婚活
独活が
独身活動だなんて
笑わせないで と
独活のきんぴらが笑う



鍋も美味。いい出汁です。



そして、なぜか最後に鯛焼きが!
しかも四谷の「わかば」のです。
〆のうどんでお腹一杯になってるのに
一斉に鯛焼きを頬張る大人たちでありました。

パスポートカード

2014-02-26 17:14:25 | 美を巡る


東京国立博物館パスポートカードを
今回は使い切りました。
何のことかって?
もう20年ほども愛用していますが、
これは便利ですよ~。
券売機に並ばずに、
さっと入場できるのも嬉しい。



東京、京都、奈良、九州の4つの
国立博物館で使用できるので、
地方出張や旅行の際の強い味方。
去年は九博でもお世話になったし。
年間4000円のパスポートカードで、
特別展は各1回ずつ6企画展、
平常展示は何度でも閲覧できます。
もう少し特典のある年間10000円の
友の会カードもあります。

とはいうものの、
いつでも行けると思っていると
1年で6回を使い切るのって
案外できなかったりするんですが、
今回はクリーブランド美術館展で
ちょうど6個めのスタンプget!



曾我蕭白の「 蘭亭曲水図」、
河鍋暁斎の「地獄絵太夫」他
俵屋宗達、伝岩佐又兵衛、伝雪舟等楊ら、
あ!伝海北友松の屏風絵が良かった。
ベルト・モリゾやアンリ・ルソーらの
特別出品の展示も。

この先3週間もあるからと、
その時はスルーした隣の館の人間国宝展、
油断してたらやっぱり
終わってしまいましたけどね。

カワナベキョウサイLOVE!

2014-02-26 16:50:19 | 美を巡る
先日のNHK日曜美術館で特集していた
河鍋暁斎。
明治の初めに日本へ来た建築家、
ジョサイア・コンドルも師事したという
暁斎の「地獄太夫図」を先月末に
東博のクリーブランド美術館展で
見ていたことを思い出しました!



真っ赤な珊瑚が枝を伸ばした群青色の打掛、
前垂れに地獄絵が描かれた帯をつけた
遊女の妖艶なこと。そうか~、
この名品も海を渡っていたのですね。

徹底した写実と卓越したデッサン力が
暁斎の真骨頂。
有名な幽霊図や戸隠神社の龍の天井画、
即興で描いたという
巨大な歌舞伎の引き幕などを見ても、
相当にパワフルな人だったらしい。書画会では風刺をユーモアでくるんで描く
パフォーマンスアートの名手。
弟子のコンドルが記した本から伺い知る
天才画家暁斎の技法、逸話など、改めて
メチャクチャ興味深いものばかりで
ついつい見入ってしまいました。。

それに、私の好きな鈴木其一の娘を
妻にしているのも、暁斎に惹かれる
理由のひとつだったりする。(笑)

20年ほど前、骨董市巡りにはまっていた頃、
たしか町田の神社で入手した鉄瓶の絵が
暁斎の写しではないかと、その時に
ご一緒した美術史家のS教授に
言われたこともあったっけ。
たまにこれでお湯を沸かす時に
ふとそんなことを思い出します。



そうだ! 暖かくなったら、
河鍋暁斎記念美術館へ行ってこよう。