ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

タオルで作るおもちゃがたくさん!

2010-06-30 16:33:19 | 暮らしあれこれ

新刊のご紹介です。

「かんたん!愛情手作り タオルえほん・タオルおもちゃ」
   いしかわ☆まりこ著
   主婦と生活社刊・1350円



0・1・2歳向けのかわいい手作り本、
先週、発売になりました。
まりちゃんとの手作り本もたくさん増えました。
またかわいい企画を考えてまーす。

ミニタオル、おしぼりタオル、フェイスタオル、スポーツタオル、バスタオル・・・
いろんなタオルが布絵本やおもちゃに変身します。
おちゃめな動物たちやおいしそうなスイーツ、
実用的な小物やママ向けバッグなど、盛りだくさん!




お子さんや身近な子に作ってあげて。
プレゼントにも最適ですよ~。

既刊本「「かんたん!愛情手作り 布えほん・布おもちゃ」も
好評発売中。

題詠2010 未投稿歌 041~050

2010-06-30 11:45:01 | 題詠2010
041:鉛
近頃は亜鉛不足の現代人味覚乏しき人間関係
042:学者
フェルメールが描きし天文学者の絵窓から射すは琥珀の光
いつの日か天文学者になりたいと心飛ばせり星図広げて
043:剥
044:ペット
ぺット(RET)とふ検査で癌を発見す予防医学の全盛なりや
045:群
群れをなし夕べに帰る白鷺の森の大樹はぼんぼりのごと
046:じゃんけん
047:蒸
蒸し風呂のやうだったあのヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の中
ジェラシーは蒸籠で蒸してさっぱりと脂落として優しく嫉妬
048:来世
来世も過去も変わらずこの星の小さな生命(いのち)脈々と在る
願わくは生まれ変わりし来世は海月(くらげ)のごとく漂はんとす
049:袋
050:虹

題詠2010 未投稿歌 031~040

2010-06-27 22:33:11 | 題詠2010
031:SF
十二時間アメリカへ飛ぶ間さへSF小説離さぬ君は
032:苦
薬飲む苦しさも早やいつの間に春の息吹きに紛れてゆけり
033:みかん
東海の小さな駅の売店に冷凍みかんひっそりと在る
夕暮れにみかん畑を越えてゆく風が伝えし樹木の記憶
隣家には「みかん」といふ名の猫おりて甘き声出しそろり横切る
夜空にはみかんひと房ころがしたやうに輝く上限の月
手に残る夏みかんの香遠き日の記憶闇より思い起こさす
みかん剥く指を眺めている君の影は壁へと屈折始む
滝つぼにみかん一つを投げ入れて飛び込んでみる夏の向こうに
→滝つぼにレモン一つを投げ入れて飛び込んでみる夏の向こうに
034:孫
035:金
琳派の美花開かせり光琳の生涯描きし『雁金屋草子(かりがねやぞうし)』
036:正義
037:奥
耳の奥でこだまする鈍色(にびいろ)の声どこで聞いたか変わる季節の
038:空耳
空(くう)を切るあれは空耳だったのだ残雪踏みて青の先見る
039:怠
怠け癖つきて早朝ウォーキングはや二か月も椋鳥を見ず
040:レンズ

ちょっと山梨まで②~文学館

2010-06-25 16:02:45 | 歌を詠む
100620.sun.


美術館内のこじゃれたカフェ&レストランで
黒富士農園産・地鶏卵がとろけるようなカルボナーラを食べた後、
同じ敷地内にある県立文学館へ向かった。
そもそも今回の目的はこちらなのだ。



「山崎方代展~右左口(うばぐち)はわが帰る村」

岡井さんの講義にもたびたび取り上げられた
「山崎方代(ほうだい)」という歌人に興味を持ち、
関連本や歌集を何冊か読んでいた。
そこへ、今回の歿後25年の展覧会。
行かないわけにはいかないでしょう。

山梨県の右左口村(現甲府市)で生まれ、少年期より短歌を詠み始める。
戦争で右目を失った後、横浜に嫁いだ姉の家や
世話人に建ててもらった鎌倉の小さな家に住んで、
これといった定職もつかずにただひたすら歌を詠む日々。
歌に対して純粋で真摯な反面、とても世俗的でもあり、
そんな人間臭いところに人々は吸い寄せられたようだ。
型にとらわれない自由な歌を詠んだところから
短歌界の山頭火とも尾崎放哉とも言われているよう。
元祖・ホームレス歌人とも?(笑)
(そういえば、朝日歌壇のホームレス歌人はどうされたんでしょうね?)

館内は、方代さんの足跡がわかるよう、
生い立ちから長じて参加していた歌会の資料や写真、書、書簡などを展示。
軍隊時代の写真などなかなか凛々しくて、
後年のぼさぼさ頭に分厚い眼鏡の方代さんを想像するのが難しいほど。
その写真の裏一面に書き留められた短歌や詩。
師についたというわけではない方代さんの書は、豪放。
伸びやかで勢いがあり、なんとも魅力的だ。
『短歌』愛読者賞受賞の記念品である腕時計や眼鏡、万年筆、
ほとんどない視力を補うための大きな拡大鏡、
お気に入りのオーダーメイドの白いジャケットなどからも、
故郷を愛し、淋しがりのくせに生涯独身で、片時も酒を離さず
自ら「方代の嘘のまこと」というように、
どこまでが本当でどこからが嘘なのか、
語りも歌も人を煙に巻いたような「方代さん」が浮かび上がってくる。

『無用の達人 山崎方代』(田澤拓也著)の解説文の中で、
方代さんを看取った友人・山形裕子さんが語っている。
「方代先生の歌には、憎しみ、恨み、怒りを詠んだものはほとんどありません」

完成を見ることなく逝ってしまったが、
最終歌集『迦葉(かしょう)』の装幀は画家・絵本作家の梶山俊夫さん。
抑えた色遣いで描かれた故郷の山を思わせる抽象画である。
山の上に首を伸ばした一羽の鳥。これは方代さんなのか・・・。


[私の好きな十首]

   ふるさとの右左口郷(うばぐちむら)は骨壷の底にゆられてわがかえる村

   このようになまけていても人生にもっとも近く詩を書いている

   笛吹の石の川原をこえてゆくひとすじの川吾が涙なり

   そこだけが黄昏ていて一本の指が歩いてゆくではないか

   ねむれない冬の畳にしみじみとおのれの影を動かしてみる

   息絶えし胸の上にて水筒の水がごぼりと音あげにけり

   茶碗の底に梅干の種二つ並びおるああこれが愛なのだ

   こんなにも湯飲み茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり

   あさなあさな廻って行くとぜんまいは五月の空をおし上げている

   一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております


☆先週の「墨あそび」のお稽古で、一首書いてみました。



<人を恋ひ酒と短歌を身に纏ひ方代さんはかららと笑ふ>(拙歌)

ちょっと山梨まで①~美術館

2010-06-24 18:38:16 | 美を巡る
100620.sun.

山梨県立美術館へ、ミレーの絵と
同時開催中の「池田龍雄アヴァンギャルドの軌跡」を見に行く。



建物に大きなミレーの肖像写真が飾られている。
入り口には、観光地のお約束“顔出し”ボード、
それも「種をまく人」の。
顔を出す部分が小さいのが難点だわ。(笑)



ミレー常設館には20点弱ほどの作品が、ゆったりと掛けられている。
結婚後間もなく亡くなった若い妻の肖像画、
その隣は再婚した妻をモデルにした「眠れるお針子」。
いわゆる農民画家として有名なミレーだが、
肖像画や神話画にも愛情溢れる目を向けているのがわかる。

ボストン美術館にある「種をまくひと」と前後して描かれたという同名の作品。
どちらも周りをカットされてしまったため、ほぼ同じ構図だという。
当時、こんなのは農民の姿ではないと非難を浴びた堂々たる男の働く姿は
生き生きとして力強く、背景の、土をかける牛の姿にも存在感がある。
「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」、いい絵ですねえ。
マントを羽織り、羊の群れを従える聖者のような男と
それを見守る牧羊犬。静かな歩みが迫ってくるようだ。
修復がすんで以前より画面がクリアになったらしく、
後方の夕陽が不自然なくらい赤いのが気になったが。

余談であるが、これを見ると思い出すのが、10数年前のオルセー美術館でのこと。
修学旅行で来ていた日本の男子高校生たちが、1階の案内所で
一生懸命に種をまくひとのジェスチャーをして、
この絵はどこにあるのか?というようなことを聞いているらしい。
フランス人の案内嬢は首をひねるばかり。
たまたま同じ時間にそこにいた私は思わず彼等に声をかけた。
「もしかして“種をまく人”を探しているの?」と聞くと、
やはりそうだという。
「その絵があるのはボストンで、おそらくここで君たちが探しているミレーの絵は
 “落穂拾い”じゃないかな? それなら4階だよ」
というと、「あっ!!!」。
とたんに照れた顔をして「ありがとうございました!」
彼等を見送った後、でもちゃんと見るべきものを見ようとする姿勢には感心したのよ。
だって、先生からの説明がすんで、次の集合時間を聞くやいなや
美術館の外にさーっと出て行ってしまった子達の何て多いこと!
パリに修学旅行にくるなんて贅沢させてもらっているくせになんてもったいないことを!
と、密かに憤っていた私だったのでありましたから。
(余談終わり)

日曜日で駐車場には2、3台観光バスが停まっていたとはいえ、
館内の人口密度は非常に低く、絵を見るには非常にいいコンディションだ。
ヨンキントのオランダの風景の連作、
クロード・ロランからライスダール、トロワイヨン、ルソー、クールベといった
バルビゾン派を中心に自然主義、写実主義の画家たちら風景画の系譜が見渡せる展示。

1928年生まれの池田龍雄は、今なお活動を続けるアーティストだ。
10代で特攻隊員として敗戦を迎えた彼は、岡本太郎らと前衛芸術へ傾倒していった。
様々な手法を凝らした絵画だけでなく、立体物、映像など
60年余りの芸術活動のまさに軌跡をたどる展覧会。
風刺の効いたペン画や奇怪な具象画シリーズ、
ここ30年ばかりの宇宙と生命を主題にしたBRAHMAN(ブラフマン)シリーズなど
現代の漫画家、イラストレーターへ及ぼした影響はかなり大きいことを感じる。

岡本太郎や河原温、松澤宥、勅使河原宏ら
当時のアートシーンを代表する人々との交流がわかる資料や、
「こどものとも」など絵本の挿絵原画の緻密さとその迫力には
思わず引き込まれてしまう。
島尾敏雄の著書の装画も描いていたなんて。

でも、あまりにも活動期間が長いと、どうなんでしょうね。
やり尽くした感とまだまだ死ねない感、人によるんだろうけれど。
近年のミクストメディア、巨大な板を扱った作品あたりになると、
観念的過ぎて、どう感じていいのか困ります。(笑)
見ごたえがあったのだけは確か。

庭園のギャラリートークは参加できなかったが
たくさんの彫刻があり、ゆっくり過ごしたくなるような美術館です。



読者はユーザーに変わるか

2010-06-24 03:05:11 | 歌を詠む
100622.tue.
五行歌・麹町歌会に出席。

<自由詠>
書物は端末に
読者はユーザーに変わる
電子本の到来
紙の匂いは
何処(どこ)へゆく

   そこまで来ているデジタル化時代、私の業界はこれから大激変する。
   ipadにキンドル、macbook・・・
   本を読むのは「読者」ではなく、端末を扱う「ユーザー」に。
   ああ、やだやだ。
   読者はあくまでも読者であってほしいという願いをこめて。


<題詠:新人>
失敗したっていいじゃない
笑われたっていいじゃない
新人だからできること
人生のこんな好機
逃すんじゃないよ

   こんなことを言ってくれる上司のいる会社に勤めたいなあ、
   などと嬉しい評をいただきましたが、
   こんなことをかつての私も編集部に配属された新人たちに言ってました(笑)
   ずっと後になって気付くんですよね、こういうことって。
   いくつになっても環境が変われば皆新人。



単衣の絞り紬

2010-06-24 02:28:42 | きものがたり
100622.tue. 



5月末の五行歌「風に大会」に参加した際、
博多の着物市で入手した単衣の紬。
縞の生紬に絞りが施してある手の込んだ一枚です。

この日、五行歌の麹町歌会に行く前に
荻窪の呉服屋さんで勉強会があり、
着物通の皆様に見てもらったところ
「あら、いいわね」
「伝統工芸作家の七代目吉澤余市さんのではない?」
と、口々に。
わかんないですけどね。(笑)
でも、まあ、いいお買い物でした(としておきましょう)。

帯は20代の頃に買った博多帯。
若い頃は今よりも渋好みだったんですねえ。
鹿の柄に合わせて、根付の代わりに鹿のブローチをつけました。

題詠2010 未投稿歌 021~030

2010-06-23 02:19:01 | 題詠2010

021:狐
てぶくろを買いにゆきたし子狐の小さきてのひら雪を受けとる
022:カレンダー
023:魂
ゆらやらと白き煙の中に見ゆ祖父の魂昇りゆくなり
亡き祖母は樹にも花にも魂があるかのごとく語りかけたり
024:相撲
むきになり額に汗をにじませて指相撲する吾と幼は
025:環
太陽に抱き抱えられ照れし月が光にじます金環食の輪
026:丸
「ケンケンパ!」チョークで描いた丸の中長き影連れ跳んだ遠い日
河口にはまあるい丸い石の城長旅を終へしばし安らぐ
027:そわそわ
目の前でそわそわしつつ時計見て友を待つ君子どものやうな
吾の前でそわそわしたる君のいて何を聞いても上の空なり
028:陰
029:利用
レジ袋は何度でも再利用する自治体のために? 地球のために
「犯人に利用されたんだ」目の前で刑事ポツリと視線を落とす
030:秤
天秤座と蟹座の相性イマイチで血液型で釣り合いをとる

6月21日(月)のつぶやき・火を噴く鍋

2010-06-22 01:31:37 | 美味いただく
21:37 from モバツイッター
神楽坂の貝殻荘にて。
この火を噴いている細長いタジン鍋(?)の下には、筒切りのマグロの香草ステーキが入っています。
マグロの生ハム、ハマグリの塩辛、サワラのブランタード タタミイワシのフリット、キンメダイのメンチカツ、タコと南欧野菜のガリシア風グリル、岩牡蠣、イカスミのパエリア・・・デザートは完熟マンゴーの水羊羹、それに生ワイン!


http://f.hatena.ne.jp/twitter3/20100621213707
by quu75 on Twitter

題詠2010 未投稿歌 011~020

2010-06-22 00:48:19 | 題詠2010
011:青
ゆらゆらと波にからだをなびかせて青のウミウシ赤のウミウシ
012:穏
013:元気
014:接
015:ガール
016:館
落ち葉舞う文学館の中庭で受け取りし紙片いま何処なり
おもちゃ箱をひっくり返したやうだった児童館の今空き地広がる
地球博ブルガリア館の名物はバラを浮かべたヨーグルトなり
「凡(およ)そ真(まこと)なること」と壁に刻まれし牟礼の図書館に通いたる日々
017:最近 
最近はどうしていますか。こちらでは梅のつぼみがふくらみました。
018:京 
019:押
押し入れは僕の秘密基地だった心を飛ばす果てない宇宙
020:まぐれ
絵筆には意思宿りきて描ききるドリップアートは気まぐれでなし
気まぐれに恋などできぬ早紀だから捨て犬の眼が追いかけてくる
薄切りのすずしろのやうビル街に白き月あり夕間暮れかな
一心にマークシートを塗りつぶすまぐれで当たることを信じて