函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

死刑廃止と憲法改正

2016年10月08日 11時09分05秒 | えいこう語る

 

日本弁護士連合が、2020年まで死刑制度を廃止し、終身刑導入を提言した。人権擁護大会には780人の弁護士が参加し、7割の546人が賛成したが、反対は96人で棄権が144人だ。棄権が多いのは、法律の専門家でも判断しかねる問題だというのが浮き彫りにされている。一般人なら、賛成か反対に別れ、棄権などという判断をする人は少ないだろう。国民の多くは、死刑制度を容認しているようだが、冤罪は跡を絶たない。ヒューマン・エラーとは人間の宿命だ。だから、人の命を裁判で左右するというのは、法の番人とはいえ、神も両手を上げ、許す範囲ではないのだろう。

死刑廃止では、自分の家族に被害者がでたらどう考えるかという命題が、突き付けられる。他人事として考えるから、死刑廃止などという考えが出てくるのだろうと、廃止反対者側からの声が聞こえてくる。最近フランスであったテロ事件で、最愛の妻を失った夫のテロリストへのメッセージだ。「私は決してあなた方を憎まない。憎むとあなた方の行為に加担してしまうからだ」。という内容の極めて寛大なメッセージは、世界中に共感を得た。報復の連鎖は、いたずらに犠牲者を生む。そうはしないことで、テロ撲滅に向けたヒューマニティー溢れる抗議に胸を撃うたれる。

9:11の世界貿易センターへのテロに対し「テロ撲滅への戦いだ」と吠えた、ブッシュ元米大統領。その尻馬に乗り「集団的自衛権の行使」の突破口を開き、憲法第9条の堅固な扉を、無理矢理に少しこじ開けたコイズミ元首相。その後の世界は、蜂の巣を突いたようなテロ集団の蜂起だ。その混迷に乗じ、我が国ではアベ総理の憲法改正への急激な流れとなっている。世界に誇れる我が国の「戦争放棄」の平和憲法。それに大きな亀裂を生じさせた真のテロリストこそ、実は我が国のコイズミジュンイチロウではないか。その亀裂をさらに大きくさせ、国防こそが平和への道と吠える、アベシンゾウなのだ。

我が国も今後憲法改正論議が盛んになれば、世界は日米軍事同盟の強化を懸念するだろう。世界のテロ集団は、米国と一心同体化する我が国を、テロ攻撃の対象とみなすのではないか。この狭い国土に原発が50以上もある我が国は、テロ攻撃に対応できるのだろうか。だが、日米が一体化し、世界一の強力な防衛体制を保持すれば、それは可能かも知れない。憲法改正を政治信条の命とした元総理ナカソネヤスヒロは、島国日本を「浮沈空母」と称した。アベ総理は21世紀の我が国を「極東最大最強の基地」にしようとしているのではないだろうか。

1964年の東京オリンピックは「高度経済成長」という、経済の新幹線を我が国に走らせた。2020年の東京オリンピックは「世界最強の軍事国家」を目指し、軍事力により外交も経済も平和も保とうとする、アベ総理の「世界戦略計画」ではないかと推測する。2020年まで、アベ政権を延命させる動きが自民党内で加速しているのは、それへの足固めなのかも知れない。

またあらぬウイルスが、私の頭を占拠したようだ。本題に戻ろう。私は死刑制度に反対である。裁判員制度の通知が来ても、面接で「死刑廃止」が私の基本ですといえば、採用されないと言われている。冤罪など自分がその本人だとしたら、たぶん発狂するだろう。身内が被害にあったなら、こう考えようと思う。死刑を望んで人を殺すなど、人間として許される行為だろうか。自分自身も殺人者の範疇に入ってしまわないかということをだ。

私の家は浄土宗で、私も地元のお寺の総代役員の一人だ。実はいまだに浄土宗の教えがよく理解できないでいる。ほとんど仏教について学んだことがないからだ。だが浄土宗開祖法然上人は、自分の父親が殺された時、周囲が復讐を願ったが、出家して仏門に入ったという。それが私が浄土信徒として、誇りに思えることの一つだからだ。

自民党改憲草案には「国防軍創設」が記載されている。やられたらやり返すというのは、軍隊の鉄則だ。報復の連鎖も戦争の実態だ。死刑制度は個人に適用されるが、軍事力の行使は大量殺人を生む。私は死刑制度が反対だから、憲法改正での9条の改正は、もちろん反対だ。戦争なんて単純に考えれば、人殺しだからだ。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (志村建世)
2016-10-08 23:14:07
刑罰としたら、終身刑は死刑よりも怖いかもしれません。最後のフレーズ、単純に考えなくても、戦争は人殺しだと思います。
返信する
Unknown (かわぐちえいこう)
2016-10-09 15:05:57
終身刑そのものを深く考えたことがありませんが、死刑が廃止されての終身刑は、それは言いようのない恐怖かもしれませんね。11月に市町連と函館市長との懇談会があります。今回は市長が発案し、フリートーク形式だそうです。函館港の12万トンクラスの接岸整備について、ジョークも交えて聞いてみたいと思います。函館市議会では。まだその発言をした議員がいません。野党の議員に聞いたら、12万トンが軍港化の要因だと気がついていないようです。
返信する

コメントを投稿