テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《美》のマエストロ、またも走れば。

2009-01-31 12:43:03 | ブックス
  (……ぶつ、ぶつ、ぶつぶつぶつ……)

「わォッ!
 ネーさッ、せんせィでス! せんせィがァ、きたでスよッ!」

 そうですね、テディちゃ。
 御本の中から聞こえるブツブツは、あの御方が到来されたしるし!
 さあ、前回に続いての御紹介は、こちらです! どうぞ~!



          ―― わらしべ長者、あるいは恋 ――


 
 著者は服部真澄さん、’08年11月に発行されました。
 『清談 佛々堂先生』から4年、
 あの佛々堂先生が帰ってこられたのです!

「ようこそッ、おじちゃんせんせィ~ッ♪」

 関西きっての数寄者にして、
 諸芸全般に通じ、その審美眼は伝説的!
 あらゆる美術商・骨董商さんたちも、
 先生の前では、ははぁ~っと、ひれ伏してしまうのです。

「ふァいッ!
 せんせいはァ、へんてこだけどォ、すごいィのだッ!」

 《平成の魯山人》とも称される佛々堂先生、
 この御本では……おや? ちょっと様子が違いますね?

 第一作『清談 佛々堂先生』では、
 どこか高みから
 《美》にまつわる騒動を眺めていたようでもあった佛々堂先生、
 この第二作では自ら渦中へ飛び込みます。
 
 愛用のボロいワンボックス車に、
 玉石混合、いえ、眼を持つ者にとっては玉石ばかりの荷物を
 詰め込めるだけ詰め込んで、
 奈良へ、金沢へ、島根へ、小豆島へ、
 えいさ、ほいさ、と、

「あくせるゥ、ぜんかいィッ!
 きゃぽォ~~ッ♪」

 先生、いったい何のためにそんなことを?
 蒐集家の、欲ですか?
 数寄者の、矜持ですか? 

 いえ、そうではないようです。
 佛々堂先生は美しいものがお好きなのですが、
 美しい心にも、つい、動かされてしまうんです。

 おそらく、先生の真の姿、その正体は――

 《美の審判者》ではなく、
 《美の神さまの使い走り》!

「……おじちゃんせんせィ、ぱしりィ、なのッ??」

 今日も佛々堂先生、
 《美》のために、
 《美の神さま》のために車を駆ります。

 或いは、もしかしたら……淡い恋心のため、にも。

「おォ! それでこそォおじちゃんッ♪」

 第一作よりさらに突き抜けた
 佛々堂先生の《美》探求探索放浪記、
 4篇の物語には《謎》と《博識》がてんこ盛り!
 ミステリ好きさんに特にお勧めしたい快作ですよ♪
 茶道に興味がある御方も、ぜひ!

「おじちゃんせんせィにィ、でしいりィしがんッ!」
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