「こんにちわッ、テディちゃでス!
だとうッ、へいけェ~ッ!」
「がるる!ぐるがぅるる!」(←訳:虎です!今がチャンス!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第4回、
スッとぼけた大泉洋さんの怪演に笑ってしまいましたね♪
もしや三谷さんの脚本では義経さんも笑えるキャラに……?
いや、それはない……ないはず……と不安を覚えつつも、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫
―― 中野のお父さんの快刀乱麻 ――
著者は北村薫(きたむら・かおる)さん、
2021年11月に発行されました。
『中野のお父さん』『中野のお父さんは謎を解くか』に続き、
私たち活字マニアの憧れ《中野のお父さん》が活躍する
シリーズ第三作です。
「ものしりィ~でスゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:博覧強記!)
前回記事で御紹介しました『ミステリと言う勿れ』では、
題名に逆らうかのように
本格ミステリ級の難問連打!なのに対し、
こちらの《中野のお父さん》シリーズは、
パトカーが緊急出動!大捕物!
なんていうシーンはございません。
その代わりに、と申しましょうか、
頭脳労働をしたり、
野球の試合に駆り出されたり、
作家さんのイベントの支度をしたり、
大忙しなのは、”編集者”さんたち。
「へんしゅうしゃさんはァ、いがいィにもォ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:体育会系なのだ!)
田川美希(たがわ・みき)さんは、
文宝(ぶんぽう)出版に勤務する
編集者さんです。
大学時代は女子バスケットボールで
ブイブイ言わせ、いえ、汗を流した美希さん、
現在は『エディターズ』という
ソフトボールチームで汗を流しています。
『エディターズ』のライバルは、
『ミステリーズ』――
推理作家協会のソフトボール部。
正確には、『ミステリーズ』が先に生まれたのであって、
出版社の編集者さんを集めた『エディターズ』は
『ミステリーズ』の相手たるべく作られたようなもの。
今日もまた、
作家さんと新人編集者さんの顔合わせを兼ね、
きゃーバットに当たったー!
打ったら走るんだよー!などと
のどかな試合で盛り上がり。
後日、美希さんたちは
『ミステリーズ』の中心人物である
作家の村山富美男(むらやま・ふみお)先生に招待され、
落語を拝聴することになりました。
「ぱちぱちぱちィ~!」
「ぐるるっるぅ!」(←訳:面白かったぁ!)
落語家さんの独演会が終われば、
村山先生を囲んで美希さんたちの話も弾みます。
噺の中に登場した俳句のお話、
昭和の名落語家・古今亭志ん生さんのお話。
どれも、なんということもない、
《謎》など隠れていそうもない話題ですけれども。
美希さんは、
そして、中野に住む美希さんのお父さんは、
古今亭志ん生さんが
”語り”の奥に秘めた《創作の機微》へと
思いを馳せてゆくのでした……。
「ささやかァだけどォ~」
「がるぐる!」(←訳:深い思い!)
志ん生さんへのリスペクトがにじむ
『古今亭志ん生の天衣無縫』を含め、
『大岡昇平の真相告白』
『小津安二郎の義理人情』
『瀬戸川猛資の空中庭園』
『菊池寛の将棋小説』
『古今亭志ん朝の一期一会』
と、計6作品が収録されています。
文学好き&落語好きな方々に、
映画好きな方々にも
おすすめの一冊ですよ。
お父さんの快刀乱麻っぷりを
ぜひ、堪能してくださいね~♪