テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 都市に咲く庭 ~

2024-05-07 22:04:41 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ほほゥ! しぶくてェ~かッこいいィ!」

「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!声も良いよね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマでは平安貴族を演じた俳優・玉置玲央さんが、一転、

 今期のEテレ『100分de名著』ではスーツ姿も凛々しく

 トーマス・マンさん著『魔の山』を朗読していますよ。

 ドイツ文学好きな方々はEテレをチェックしてくださいね。

 では、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 美術でよみとく京都の庭園 ――

 

 

 著者は布施英利(ふせ・ひでと)さん、

 2024年2月に発行されました。

 

 京都――私たちを魅了してやまない、

 いえ、世界中の旅行者さんたちが憧憬する

 比類なき古都、ですね。

 

 ただ、その愛すべき都は、

 現在、とんでもないことになっちゃってる様子で。

 

「だいこんざつゥ!」

「ぐるるるるるるがる!」(←訳:どこもかしこも行列!)

 

 もともと人気が高かったのに加えて、

 コロナ禍後の旅行熱、

 桜が咲くトップシーズンと円安が重なり、

 京都はもちろん、

 ”小京都”と呼ばれる金沢や鎌倉まで、

 人、人、人……のオーバーツーリズム。

 

 ため息しつつも、考えてしまいます。

 京都の何が、かくも人を惹きつけるのか。

 どこに、魅力があるのか。

 

「こたえのォ、ひとつがァ~」

「がるっ!」(←訳:これっ!)

 

 京都の庭園。

 

 著者・布施さんは、本文を、

 

 i 『京の庭園を”耳”で味わう』

   ii 『モダンの庭』

  iii 『思想の庭』

  iv 『月に庭であり、宇宙の庭 桂離宮』

  v  『悟りの感覚を空間で体現する 龍安寺』

  vi 『京都の庭園から現代アートへ』

 

 と6つのパートに分けて、

 京都の庭園を探ってゆきます。

 

 中でも、

 ii 『モダンの庭』では

 昭和の作庭家として名高い重森三玲(しげもり・みれい)さん、

 iii 『思想の庭』では

 鎌倉~室町時代の僧侶・夢窓礎石(むそう・そせき)さんが

 大きく取り上げられています。

 

 重森三玲さん(1896~1975)は、

 京都のガイドブックの寺院紹介コーナーには必ず登場するような

 超有名ガーデンデザイナーさんなんですけど、

 三玲というお名前の由来が、

 フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーさんの名にあった、

 とは知りませんでした。

 

 重森さん、

 出生時の名は計夫(かずお)だったのを、

 御自分で三玲(みれい)と改名したのだそうです。

 

 画家を志望していた10代の頃から

 実家のお庭に枯山水庭園を作ったり、

 茶室の設計もしていた、といいますから、

 40歳を過ぎて作庭家デビューするまでの長い間、

 知識と技術を蓄積していたんでしょうね。

 

「そこからはァ~ほんりょうゥはっきィ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:作庭の大家に!)

 

 夢窓疎石さんたちの“哲学”の庭から、

 桂離宮の”月を観る庭”、

 重森さんのモダンな庭、

 イサム・ノグチさんたち現代アートの旗手が造る

 ”いま“の庭へ。

 

 図版資料も豊富な一冊は、

 京都の庭園を愛する方々におすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

  

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