テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 奇妙奇怪な、きのこ会議録 ~

2019-03-31 23:27:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いよいよいよォ~あしたァなのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐるる~!」(←訳:虎です!いよが1つ多いよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 新元号発表を固唾を飲んで待つ今日3月31日は、
 平成30年度ラストの読書タイムとなりました。
 記念すべきこの回に御紹介いたしますのは、
 いま大々人気のあのアーティストさんの作品です。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
       ―― CIRCUS ヒグチユウコ 画集 ――



 著者はヒグチユウコさん、2019年1月に発行されました。
 『EXHIBITION EDITION』と副題が付されています。

「ふァいッ! げんていィばんッ、なのでス!」
「ぐるるるがるる~!」(←訳:展覧会場限定版~!)

 ちょうど今日――
 3月末日をもって惜しまれつつも閉幕した世田谷文学館の
 《CIRCUS ヒグチユウコ展》……

 先日は、世田谷文学館へお出掛けした際のプチレポを
 お送りいたしましたけれども、
 図録についてはほんのちょっと触れただけでしたので、
 あらためて、ここで御報告いたしますね。

 現在、書店さんで販売されている『CIRCUS ヒグチユウコ画集』には、
 1st作品集『ヒグチユウコ作品集』以降の、
 ここ数年間にヒグチさんが手掛けたお仕事と、
 書き下ろし作品『卑怯な蝙蝠』が収録されています。

「ずるゥ~いィこうもりのォ、おはなしィ!」
「がるっるぐるる!」(←訳:イソップ童話の!)

 はるか昔、紀元前6世紀頃には
 およその原型が整っていたとも言われる《イソップ童話》
 (イソップ寓話、イソップ物語、とも表記されます)。

 『アリとキリギリス』
 『ウサギとカメ』など、
 現代でもよく知られる物語の中のひとつにあるのが、
 これもまた有名な『卑怯なコウモリ』。

 ヒグチさんの繊細な筆遣いで
 新たに描き出された『卑怯な蝙蝠』は、
 鳥類大好き&ケモノたち大好き♪な方々もうっとりさせられる
 ふわふわ羽毛モコモコ毛並み集団の大行進が
 ページを埋め尽くしています。

 一方、展覧会場限定版『CIRCUS』には、
 『卑怯な蝙蝠』の代わりに、
 夢野久作(ゆめの・きゅうさく)さん(1889~1936)の
 短編小説作品である
 『きのこ会議』を
 ヒグチさんが“絵画化”したものが収録されています。

「あやしィ~かいぎィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:出席者も怪しい!)

 或る夜、森の奥にて集いましたるは、
 初茸、松茸、椎茸、木くらげ、といった
 さまざまなきのこたち。

 冬を前にしてのお別れの宴会でございますから、
 皆で呑めや歌えや……で楽しむ予定が、
 まずは椎茸が、
 次に松茸が
 たいそうな演説なぞブチますうちに、
 会議はおかしな雲行きに……?

「ううゥ~むゥ! あやしさァ、にばいィ!」
「がるぐぅるるるがるるる!」(←訳:二倍じゃなくて三倍増し!)

 はたして、会議の結論は?
 きのこたちは、どのような行動に出るのか?
 夜明けの森で何かが起こる?

「そこからァさきはッ!」
「ぐるがる!」(←訳:秘密だよ!)

 『ドグラ・マグラ』で知られる夢野さんらしい、
 奇妙奇天烈でミステリアスなストーリーは、
 キノコ愛好家ヒグチさんのために書かれたのでは?と
 思ってしまうほど“お似合い”です。

 『卑怯な蝙蝠』、
 『きのこ会議』、
 どちらも分量は16ページですが、
 羽毛フワフワ派でゆくか、
 きのこノコノコ派を取るか、
 これは読み手さんの好みの問題ですねえ。

「どちらもォ~!」
「がるるる!」(←訳:捨て難い!)

 世田谷文学館での展覧会は終了しても、
 まだまだ終わらない《CIRCUS》の世界。
 今後は西日本方面への巡回も予定されています。

 展覧会場へ行く機会がありましたら、
 皆さま、限定版『CIRCUS』中の
 愉快でヘンテコなきのこたちの会議録を、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめですよ~♪

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~ 永遠に、転がりゆけば ~

2019-03-30 22:12:00 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 しょぼぼんッ、なのでス~…」
「がるる!ぐぅっるがる!」(←訳:虎です!ショックです!)

 こんにちは、ネーさです。
 “八王子でいちばん歴史ある精肉店”さんが、
 年度末の今日を機に閉店……とのことで、
 我が家に激震が走りました。
 ただただ感謝しつつも、
 お店自慢の美味しい焼豚をもう食べられないのかと思うと、
 溜め息を止めようがありません。
 こんなションボリ気分を、こう⤴グイっと引っ張り上げてくれるのは、
 そう、↓こちらの展覧会情報ですよ!
 
  


 
       ―― ローリングストーンズ 展 ――



 東京・品川区の五反田メッセにて、
 会期は2019年3月15日~5月6日(会期中無休)、
 『THE ROLLING STONES EXHIBITIONISM』と
 英語題名が付されています。

「みッくゥおにィさァ~んッ!」
「ぐーるがるぅ!」(←訳:キース兄貴ぃ!)

  

 ええ、おジイちゃんだなんて言わせないわ!
 永遠に転がり続ける奇跡の宝石たち、
 ザ・ローリング・ストーンズの企画展が
 日本にやって来ましたよ♪

「あじあァではァ~」
「がるぐる!」(←訳:日本だけ!)

  

 ごく初期の頃の、
 メンバーが一緒に暮らしていた部屋を再現したり、
 キース・リチャードさんの日記(手書き!)、
 ヴィンテージ・ギターのコレクション、
 グッチさんやゴルチエさん他一流デザイナーさんによる衣装、
 ウォーホールさんをはじめとする名アーティストさんが
 手掛けたアートワーク、
 そして、ストーンズの象徴《ベロマーク》の由来など、
 展示内容は超充実!

「おしゃしんッ、おッけいィ~♫」
「ぐるるるがるるぐるるがるるる!」(←訳:会場内の多くの場所で撮影可能!)
 
  

 ザ・ローリング・ストーンズが
 自らプロデュースするこの展覧会は、
 2016年4月ロンドンで始まり、
 NY、シカゴ、ラスベガス、ナッシュビル、シドニーを経て、
 アジアで唯一の開催地・東京へと巡回してきました。

 グッズ付き前売り券の販売は
 残念ながら終了してしまいましたけれど、
 日本展でしか入手できないもの、
 海外展で販売されたもの等、
 オリジナルグッズが会場のショップで購入できますよ。

 TOC五反田メッセへは
 JR五反田駅からシャトルバスが出ています。
 アート好き&音楽好きな方々、
 もっちろんストーンズのファン諸氏は、
 ぜひ、お出掛けを♪

 



    さて、3月最後のオマケ画像は……大物?!!
   
    「こッ、これはッ!」
   
    「がーるるぐる!」(←訳:マーロウさん!)
   
    はい、ネーさ家に到来したのは、
    『葉山マーロウ』さんのプリンです。
   
    カスタート味のもの、
    パンプキン味のもの、そして……
   
    ひつじのショーンくんの陶器カップに、
   
    キティちゃんのカップのプリンもありま~す♫
   
    食べるときは、
    お皿に移して食べてみてくださいね。
    この方が美味しさ倍増!なんですよ♪♫

    あちらもこちらも、
    日本中がサクラ色に染まる春です。
    皆さま、どうか穏やかな休日を。



    
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《すきなもの》と、ともに。

2019-03-29 22:33:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむむむゥ! かうんとォだうんッ、でスよゥ!」
「がるる!ぐるるがるるぐるる?」(虎です!発表は月曜の午前中?)

 こんにちは、ネーさです。
 新元号の発表が刻々と迫ってきましたね。
 午前11時半頃になるという発表時には
 TVの視聴率もとんでもないことに?
 そわそわドキドキの週末となりそうですが、
 せめて読書タイムはのんびりと、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  


 
        ―― わたしのすきなもの ――



 著者は福岡伸一(ふくおか・しんいち)さん、2019年2月に発行されました。
 月刊誌『婦人之友』に連載されたコラム『わたしの・すきな・もの』と、
 真鍋真さんとの対談『恐竜の謎、生命の歴史』が収録されています。

「ふむふむゥ? これがァ、はかせェのォ?」
「ぐるる~!」(←訳:大好物~!)

 “はかせ”こと、
 生物学者の、福岡信一さんは、
 無類の虫好き。

 そもそも、学究の道へと進んだのも、
 昆虫に夢中になったのが出発点だったのでした。

「こんちゅうゥはかせェ、というとォ~…」
「がぅーるるぐる?」(←訳:ファーブルさん?)

 いえ、それがね、
 少年時代の“はかせ”が読みふけったのは、
 《ドリトル先生》シリーズ♫

 鳥、犬、猫、豚、ライオンに鹿、
 動物たちの言語に通じる医師・ドリトル先生の物語が、
 伸一少年の原動力となったんです。

 なので、当然ながらこの御本の『すきなもの』に
 《ドリトル先生》が挙げられています。

「いまもォつづくゥ、ろんぐせらーでスよッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:みんなの愛読書!)

 《ドリトル先生》好きな少年は、長じて、
 生物学者さんになりました。
 あ、正確には分子生物学者さん、ですね。

「にほんでェ、けんきゅうゥ~!」
「がるぐるがるるる!」(←訳:米国でも研究生活!)

 19世紀、ドリトル先生が帆船で海へ乗り出したように、
 20世紀の“はかせ”も
 日本と米国を往き来して研究にいそしみます。

 その忙しい毎日の合間に、
 或いは、なつかしき学生の日々に出会い、
 忘れ難くこころに刻まれたもの――

   ご実家の愛猫・はるみちゃん(の写真)。

   フランスのガラクタ市で見つけたカメの小物入れ。

   光る泥団子。

   逆引き広辞苑。

   『動的平衡』と篆刻(てんこく)された落款(らっかん)。

   青い蝶……。

「なんとなくゥ、わかるゥのでスゥ~…」
「ぐるるがるるる!」(←訳:博士の人となり!)

 私ネーさ的には、
 『ちいさいおうち』の作者として知られる
 バージニア・リー・バートンさんの絵本
 『せいめいのれきし』が取り上げられていて、
 とても嬉しく思いましたよ♪

 そして、恐竜好きな活字マニアさんが
 嬉しくなっちゃうに違いないのは
 巻末の対談『恐竜の謎、生命の不思議』。

 絵本『せいめいのれきし』日本語版監修者である
 真鍋真(まなべ・まこと)さんとの対談は、
 短いんですけれども、
 地球上で起こった《生命のあゆみ》、
 その新たな解釈へと
 読み手を誘います。

「なぞのかいめいィ、つづいてまスゥ!」
「がるるぐるるるがるるる?」(←訳:もしや明日にも新発見が?)

 過去と現在、
 苦しいときも楽しいときも
 “はかせ”をを支え、
 励ましてくれた『すきなもの』たちを、
 皆さまも、ぜひ、覗き見してみてくださいな。
 おすすめです!



 
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… 一人と、一羽 …

2019-03-28 22:09:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わほゥ! こんざつゥしてないィ??」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!週末は混むかも!)

 こんにちは、ネーさです。
 先日ご紹介しました福島県立美術館の
 『東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展』(~5/6)ですが、
 まだ始まったばかりとあってか、
 そう混雑していないようですよ。
 (ただ駐車場は午前の早い時刻にすぐ満杯になってしまうとか…)
 若冲さんの作品を間近に鑑賞した方々は、
 観光をかねて、ぜひ!!
 さあ、ではここからは読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


 
       ―― モーツァルトのムクドリ ――



 著者はライアンダ・リン・ハウプトさん、
 原著は2017年に、画像の日本語版は2018年9月に発行されました。
 英語原題は『Mozart's Starling』、
 『天才を支えたさえずり』と日本語副題が付されています。

「むくどりッてェ、あのォ?」
「ぐるるがるぐるるがるる!」(←訳:大群で飛ぶワルいヤツら!)

 そうね……
 野鳥のムクドリに関しては、
 “良いイメージなし”が世界共通認識なのよね……。

 著者・ハウプトさんも、
 御本冒頭の『前奏曲』で、
 《アメリカ一嫌われている鳥》だと認め、
 鳥類学者さんたちにも
 《愛すべき鳥ではない》と、
 そっぽを向かれちゃってる始末……。

「ところがァ、どすこォ~いィ!」
「がっるるぐるぅ!」(←訳:どっこいでしょ!)

 そう、ところが、なのでした。

 モーツァルトさんは違ったのです。
 
 ペットとして、ムクドリを可愛がっていた――
 これは、伝説や伝聞ではなくて、全き事実。

「あのォうるさいィとりをォ??」
「ぐるるる??」(←訳:可愛がる??)

 ええ、日時もはっきり判っているんですよ。

 1784年5月27日、
 ウィーンのグラーペン通り。
 或る旋律を耳にしたモーツァルトさんは
 その音を辿り、
 小鳥店の扉をくぐって、
 籠に入れられた一羽のムクドリに出会ったのでした。

   “Das war schon!”(それは美しかった!)

 と、モーツァルトさんは支出簿に記して、
 34クロイツァーと引き換えに、
 ムクドリを自宅に連れ帰ります。

「ものずきィ~!」
「がるるるぐっるぅるるる~…」(←訳:ホントに飼っちゃうんだ~…)

 それは、気まぐれ、だったのでしょうか。
 好奇心か、ヒマつぶしだったのでしょうか。

 著者・ハウプトさんは、
 単なる気まぐれやヒマつぶしだったとは考えません。

 ムクドリがモーツァルトのもとで過ごした時期は、
 モーツァルトさんの人生が最も充実した期間と
 重なっています。

  8つのピアノ協奏曲、3つの交響曲、
  『フィガロの結婚』を著したときも、
  ハイドンさんを招待して
  客間で四重奏曲を初演したときも、
  モーツァルト家に男児ふたりが誕生したときも、
  そのうちのひとりが幼くして世を去ったときも、
  ずっとずっと、
  ムクドリはモーツァルトさんのかたわらに在った……

 そこに何の意味もないさ、などと誰が言えるでしょう。

「ひとりとォ、いちわのォ?」
「ぐるがる?」(←訳:音の旅路?)

 ムクドリとの生活はどんなものなのか?

 実感実証すべく、
 ハウプトさんはムクドリの仔を飼い始めます。
 手元で日々育ってゆくムクドリ、
 カーメンと名付けたムクドリを見守りながら、
 ハウプトさんの眼に
 より鮮やかに、より痛切に、
 明らかになってゆくモーツァルトさんの貌、
 その生涯とは。

「ゆだんッしてるとォ~…」
「がるる……」(←訳:つい涙……)

 もの哀しくも力強い、
 ハウプトさん入魂の『終楽章』を読了すれば、
 ムクドリへの見方・感じ方が
 必ずや一変すること必至のノンフィクション作品は
 歴史好きさん&音楽好きさんに、
 いえ、全活字マニアさんにおすすめです。

 一羽のムクドリに想いを託し、
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 
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~ さくら&アートさんぽ ~

2019-03-27 22:00:56 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうゥはァ、さくらのひィなのでスゥ~♪」
「がるる!ぐるるがるるっる!」(←訳:虎です!都心は満開だって!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、《さくらの日》である今日3月27日に合わせてか、
 東京都心部のソメイヨシノはちょうど見頃になったそうですね。
 ここ八王子ではまだ2~3分咲きですけれども、
 年に一度のサクラの季節、
 思い切りよく読書をサボって
 花もアートも楽しめるこちらの展覧会情報を、さあ、どうぞ~♪

  


 
        ―― 博物館でお花見を ――



 東京・上野の東京国立博物館にて、
 会期は2019年3月12日~4月7日(3/18と4/1は休館)、
 『Cherry Blossom Viewing at the Tokyo National Museum』
 と英語題名が付されています。

「まいとしィこうれいィ~!」
「ぐるーるがる!」(←訳:桜アート集合!)

  

 今年もやってます、東京国立博物館ことトーハクの
 《桜》関連企画!

 花の下での宴を描いた
 国宝『花下遊楽図屏風(かかゆうらくずびょうぶ)』(17世紀)、
 シダレザクラを大胆にデザインした
 『枝垂桜蒔絵棗(しだれざくらまきえなつめ)』(17世紀)、
 豪華な打掛や、
 鍔(つば)など、
 いずれもトーハクの誇る秀麗《桜アート》ばかり。

「こッちもォ、さいてまスゥ!」
「がるっ? ぐるる??」(←訳:あれっ? これは??)

 ええ、トーハクよりも上野駅に近いこちらのミュゼでは――

  


 
      ―― ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 ――



 東京・上野の国立西洋美術館にて、
 会期は2020年3月3日~6月14日……って、つまり、
 来年開催の企画展なんですけど、
 いまから憶えておいてもソンはありません。
 なぜなら――

「ひまわりィ、くるのでスよッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:真の代表作!)

 ゴッホさんが代表作『ひまわり』を何点描いたか、
 については諸説あるものの、
 ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の『ひまわり』は
 制作の経緯がはっきりしている作品です。

 これはゴッホさんが描いた4点目の『ひまわり』であり、
 共同生活をする予定のゴーギャンさんの寝室に
 飾るために描いたものだった、
 ゴッホさん自身が最も気に入っていた『ひまわり』は
 この作品だった……と伝えられています。

「らいねんのォ、おはなみィはァ~…」
「がるるるぐるがるるぅ♪」(←訳:ヒマワリでもいいなぁ♪)

  

 では、ここで時計の針を今年に戻して。

  


 
        ―― 美術館の春まつり ――



 東京・竹橋の東京国立近代美術館にて、
 会期は2019年3月19日~4月7日
 (月曜休館、ただし4/1は開館)、
 『Spring Festival in The National Museum of Modern Art,Tokyo』
 と英語題名が付されています。

 桜を描いた川合玉堂さんの『行く春』、
 加山又造さんの『春秋波濤』など、
 近代美術館の展示室にも
 春が咲いてますよ。

「まわりにもォ、はるゥ~♪」
「ぐるるがるる!」(←訳:お濠のサクラ!)

 国立近代美術館の周辺は、
 武道館、千鳥ヶ淵、皇居のサクラ、と
 いくつもの花の名所がありますから、
 アート好きな方々、
 お花好きな方々も、
 春のお散歩へ、ぜひ。



   では、ここでオマケ画像も……ぱくり!
   
   『三菱食品』さんの
   《ハーシー チョコ大福》は
   散歩のお供におすすめなんです。
   「ほどよいィ~あまさッ!」
   「がるぐるるるる~!」(←訳:手が止まらない~!)
   おっと、空気が乾燥しているので、
   喉の保護・熱中症予防のために、
   水分補給も忘れないでくださいね♫

   


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覗いてみよう、ミュージアム!

2019-03-26 22:13:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふくしまけんりつゥびじゅつかんにィ、えーるゥ!」
「がるる!ぐるるるがるるぅ!」(←訳:虎です!賑わうといいなぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日3月26日より福島県立美術館にて開幕したのは、
 《東日本震災復興祈念 伊藤若冲 展》!
 『百犬図』『蓮池図』『象と鯨図屏風』他、
 国内外の若冲さんの作品約110点が出展される特別展です。
 5月6日までの会期中、
 美術館の会場が人でいっぱいになることを願いつつ、
 さあ、本日の読書タイムも、
 アート系の御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 京都・大阪・神戸 マニアック博物館 ――



 監修は町田忍(まちだ・しのぶ)さん、2018年12月に発行されました。
 『おもしろ珍ミュージアム案内』と副題が付されています。

「これはァ~…かわッてまスゥ!」
「ぐるるるがっるるる!」(←訳:我が道を行ってるよ!)

 《若冲展》が開催される福島県立美術館は
 県立の大型美術館ですし、
 東京には国立や都立の、
 京都・大阪・神戸には国立や府立、県立、市立、と
 いくつもの博物館&美術館が開館していて、
 観光客さんに大人気!

 というだけじゃなくて。

 御本の題名の通り、有るんですねえ。
 
 レアじゃん!
 マニアックだなあ!
 へえ?こういうのもあり?な珍ミュージアムが、
 こんなにも。

「だんじりィ?」
「がるる?」(←訳:すだれ?)
「ちょきんばこッ!」
「ぐる!」(←訳:漢字!)

 本文では、
 《コアすぎ!》
 《ためになる!》
 《ワクワクする!》
 《感動する!》
 という4つのパートに分けて、
 57の資料館・博物館・図書館・歴史館といった
 ミュージアムが紹介されています。

 各ミュージアムのテーマは、というと、
 いかにも“正統派”的な、
 大坂府立の『弥生文化博物館』(和泉市)、
 『堺刃物ミュージアム』(堺市)、
 『竹中大工道具館』(神戸市)から、
 “趣味高じて”風の
 『ブリキのおもちゃと人形館』(京都市下京区)、
 『ふぐ博物館』(岸和田市)、
 “未来へ!”つないでゆきたい
 『立命館大学国際平和ミュージアム』(京都市)、
 『甲子園歴史館』(西宮市)などなど……

「ふァ~…いろいろォあるのでスゥ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:いま話題のあれも!)

 現在放送中のドラマのおかげで
 入場者数が激増していそうなのは、やはり
 『カップヌードルミュージアム大坂池田』(池田市)
 でしょうか。

 でも、私ネーさが、
 ここだわ!ここに行ってみたい!と思ったのは
 『京都 清宗(せいしゅう)根付館』。

 京都市内に唯一現存する武家屋敷である
 『旧神先(かんざき)家住宅』に展示されているのは、
 館長の木下さんが数十年かけてコレクションした
 根付たちの中から選りすぐられた400点……
 
「かッこよすぎィ~!」
「ぐるぅる~♪」(←訳:おしゃれ~♪)

 その他にも、
 さくらの通り抜けで有名な大坂の造幣局の
 『造幣博物館』、
 世界中から集めた絵ハガキ約1000点を展示する
 『絵葉書資料館』(神戸市)も
 旅の目的地にしたくなる
 魅力に満ちた空間です。

「はしごォ、したくなりまスゥ!」
「がっるるぐるるるがるるぅ~」(←訳:ゆっくり巡るのもいいなぁ~)

 大手出版社さんのメジャーな旅行ガイド本からは
 こぼれ落ちちゃってるかもしれないけれど、
 通り過ぎてしまうには
 あまりに惜しい“小さな宇宙”たち。

 ぜひ、この御本をきっかけに
 覗いてみてくださいね。
 おすすめです~♫
 
 
 
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~ 田んぼに吹く風 ~

2019-03-25 22:09:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうゥだいじょぶゥでスかッ?」
「がるる!ぐるーがっるぐるるる・」(←訳:虎です!パワーアップしたかも?)

 こんにちは、ネーさです。
 gooブログさんで長時間のメンテナンスが行われて、
 細部の機能や設定が変更されたようですね。
 ひと足早い“新学期開始!”というところでしょうか?
 ならば、お祝い気分も高らかに、
 本日の読書タイムは、
 とびっきり愉快なこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪
 
  


      
          ―― 神様の御用人 8 ――



 著者は浅葉なつさん、2018年11月に発行されました。
 大人気の《神様の御用人》シリーズの、
 8作目となる最新巻ですね。

「おひさしぶりのォ、もふもふゥ!」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:金色のフサフサ尻尾!)

 神さまの御用聞き、いえ、
 神さま専属トラブルシューターとして、
 モフモフ毛並みのキツネ神さまの
 さりげないサポートを得つつ、
 西へ東へ、と奔走する
 萩原良彦(はぎわら・よしひこ)くん。

 良彦くんをさりげなくサポートしつつ、
 日々新たなスイーツ探しに励む
 キツネのルックスをした
 方位神(ほういじん)の黄金(こがね)さん。

 今回もまた、
 良彦くんの持つ《宣之言書(のりとごとのしょ》に、
 御用人の働きを必要としている
 神さまの御名前が浮かび上がりました。

「むゥ~んッ? これッてェ~…」
「がるぐるる??」(←訳:どう読むの??)

 『久延毘古命』と書いて、
 『くえびのこのみこと』と読む神さまは……えっ?

 かかし……??

「かかしッていうとォ~…」
「ぐるるるがるる?」(←訳:田んぼの案山子?)

 まさしく、その“田んぼの案山子”さんこそ。

 《知恵の神》である
 久延毘古命さん、なのでした。

「ふァ? かかしさんがァ、ちえのォかみさまッ?」
「がるるぐっるるぅ!」(←訳:初めて知ったよぅ!)

 雨風にさらされ、歩くことは出来ぬとも、
 天下の事々を知悉する――

 それが案山子というかたちをとった久延毘古命さんの
 真の姿なのでしょう。

 しかし、あらゆることを知っている知恵の神さまにも、
 悩みや迷いはあります。

   ……引退、しようかなぁ……。

「えええェッ??」
「ぐるるっ??」

 近頃、気力が失せて。
 美しい景色を見ても、こころは動かず。
 参拝に来る人の子を眺めても、無反応。

 神様を引退して高天原に還ろうか、とまで
 言い出すようになってしまって。

「そッ、そんなのォありィでスかァ??」
「がるるぐる!」(←訳:不安で心配!)

 久延毘古命さんの眷属さんたちも、
 不安で心配でたまりません。
 
 ここはひとつ、御用人さまに止めていただこう!
 お願い、
 我らが主さまを引退させないでー!

「えェ~とォ、そのゥ?」
「ぐっるるがるるぐるるる?」(←訳:どっちの御用を聞くべき?)

 相反する、ふたつの願い。
 御用人・良彦くんは、
 さて、どんな手を打ってくるのか――

 人間の御用人さんと
 モフモフのキツネ神さまが頼もしく活躍する
 3つの物語が収録されたこの御本、
 シリーズ愛読者さんはもちろん、
 未読の方々にもおすすめです。
 笑って、泣けて、
 ホッと気持ちが軽くなるエンタな快作を、
 皆さま、ぜひ~♪



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― 流れ、流れる、うつろ舟 ―

2019-03-24 23:15:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 おはなみィかうんとォだうんッ、かいしィ~!」
「がるる!ぐるるがる?」(←訳:虎です!満開はいつ?)

 こんにちは、ネーさです。
 富士山や箱根では積雪!となった週末寒波をくぐり抜け、
 さあ、あとは好天を待つばかり♪
 こころワクワクの3月最終週の始まりですが、
 読書タイムもしっかり勧めますよ。
 本日は、こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
 
  


 
          ―― 千年図書館 ――



 著者は北山猛邦(きたやま・たけくに)さん、2019年1月に発行されました。
 『The Millennium Library』と英語題名が付されています。
 ネット書店さんあたりでは、
 この御本にはミステリ作品5編が収録、などと
 内容紹介がされているようですが……。

「みすてりィのォ、わくゥにはァ~」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:収まり切れません!)

   『見返り谷から呼ぶ声』

   『千年図書館』

   『今夜の月はしましま模様?』

   『終末硝子(ストームグラス)』

   『さかさまな少女のためのピアノソナタ』

 という5作品のいずれも、
 神話やSF?
 これは少年マンガ?
 こっちはヴィクトリア朝風ホラー?
 学園もの?
 などの《顔》もチラ見せしつつ、
 その全身像は……?

「さいごまでェ~!」
「がるるるるるるる!」(←訳:明かされないんだ!)

 どの作品から読み始めても、
 この御本の面白さが減じることはありませんが、
 “何度も読み返したい”作品、という点では
 表題作品『千年図書館』を挙げるべきでしょうか。

 物語の始まりは、
 或る村落を襲った異常気象――

「なつゥなのにィ、さむいィ~!」
「ぐるがっるるる!」(←訳:湖は凍ったまま!)

 これは凶兆である。

 長雨や洪水、飢饉がこの地を見舞うのだろう。
 それを避けるためには、
 人身御供(ひとみごくう)を差し出さねば。

 長老たちは話し合い、
 さっそく、くじ引きが行われました。

「えらばれるのはァ、たッたァひとりィ……!」
「がるるぐる!」(←訳:恐怖の一瞬!)

 運命のくじを引き当ててしまったのは、
 村の若者、ペルくん。

 通常、人身御供といえば、
 人柱としての埋葬が主流なのでしょうが、
 ペルくんは、土の下ではなく、
 水の果てへ送られます。

 白い服を着せられ、
 聖水を浴びせかけられ、
 杉の若枝で編んだ籠の中に押し込まれ、
 川へ……。

 折口信夫さんや澁澤龍彦さんが著す《うつろ舟》の伝承を
 読み手の私たちに想い起こさせるこのシーンは、
 短いのですけれども、
 ひどく印象に残ります。

「わうゥ、つめたいィでス!」
「ぐるるるぅるがる!」(←訳:流されちゃうよう!)

 人身御供が捧げられ、
 行き着く先は、ただ一ヶ所。

 西の島の、図書館です。

「えッ? としょかんッ??」
「がるぅ!」(←訳:うそぉ!)

 私たち活字マニアには、
 図書館は天国のような空間ですが、
 真っ暗な夜の川が
 ペルくんを連れて行った図書館には、
 途方もない秘密が……?

「むむむゥ! まさかッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:そんな結末が!)

 うつろ舟の、到着点とは?
 ペルくんをは、そこで何を見たのか?

 読後感がズシリと胸に響く
 『千年図書館』をはじめとする5作品、
 全活字マニアさんにおすすめですよ。
 どうか皆さま、ぜひ、一読を~♫
 
 
 
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 江戸アートの、奇作!快作!

2019-03-23 22:46:17 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 いざァ、おはなみィへェ~…はッくしょんッ!」
「がるる!ぐるるがるぐる~!」(←訳:虎です!寒くてムリだよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 東京ではソメイヨシノ開花!お花見解禁!
 ……っていうのは、来週以降になりそうな冷え込みですね。
 となれば、暖房を効かせた部屋でのんびりと、
 読書をサボって展覧会情報など
 さあ、どうぞ~♪

  


    
        ―― へそまがり日本美術 ――



 東京・府中市の府中市美術館にて、
 会期は2019年3月16日~5月12日
 (月曜休館、ただし4/29と5/6は開館し、5/7は休館)、
 『Perverse Japanese Art : From Zen Painting to Heta-uma』
 と英語題名が、
 『禅画からヘタウマまで』と日本語副題が付されています。

「にほんッはつゥ~?」
「ぐるるるるるがるるるぐる!」(←訳:ヘソマガリで美術史を俯瞰!)

  

 先日は、
 東京・上野の東京都美術館の『奇想の系譜 展』、
 岡山県立美術館の『江戸の奇跡 明治の輝き 展』と、
 日本の東西で開催されている
 “江戸アート”をテーマとしている企画展をご紹介いたしましたが、
 あら、ありましたよ、もうひとつ、
 江戸期の作品を中心に
 日本美術を特集している展覧会が!

「かッこいいィだけがァ~」
「がーるるぅぐるる!」(←訳:アートじゃないぜ!)

 そう、ヘンテコで、へそまがり。

 ちょっとくらい不格好だっていい、
 完璧じゃなくたってぜ~んぜん平気。

 いえ、むしろ、
 不完全なところに惚れちゃったんだよね♪な作品たち。

  

 曾我蕭白さんや仙厓さん、
 長澤蘆雪さんに伊藤若冲さん、
 国芳さんと小川芋銭さん、
 そしてなぜか、
 おフランスからアンリ・ルソーさんも乱入?!?

「ぷふふふッ♫」
「ぐるがるるるぐる!」(←訳:そのユルさがいい!)

 中世の禅画、
 江戸期の“奇想の画家”さんたち、
 現代へとつながるヘタウマ調など、
 《へそまがりの感性》が生み出した数々の傑作は、
 前期が3月16日~4月14日、
 後期が4月16日~5月12日、
 の期間によって一部展示品の入替えが行われます。

 大人気の若冲さんの作品も
 前期後期で出展作品が異なりますし、
 いま話題騒然となっている
 蘆雪さんの『なめくじ図』は――

「ふァ? なめくじィ~?」
「っるがるぐるるる?」(←訳:ってあのナメクジ?)

 ええ、嘘や冗談ではなく、
 本当になめくじを描き切った快作『なめくじ図』は
 後期の展示が予定されています。

 各作品の展示期間については、
 皆さま、お出掛け前に
 美術館HPで確認してみてくださいね。



 
    では、ここで美味しいオマケ画像も!
   
    前回のオマケ画像に続き、
    八王子の洋菓子店『ペール・ノエル』さんから
    《くまdeれーぬ》!
    「まままッ、またァくまァッ!」
    「ぐるるるるる~!」(←訳:いただきます~!)
    「たべちゃァだめェでスゥゥゥゥゥ!」
    
    冬が最後の?踏ん張りを見せているこの週末、
    乗り越えれば、そこには春が……?
    どうか皆さま、御自愛しつつ、
    穏やかな休日を♫


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~ カップには、いつも ~

2019-03-22 22:17:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いちろーさんッ、おつかれェさまなのでスゥ~!」
「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!拍手また拍手~!)

 こんにちは、ネーさです。
 余分なものをすべて削ぎ落としたような
 晴れ晴れとしたイチローさんの笑顔は眩しかった……
 そして、マリナーズ&アスレチックスの
 ジェントルな選手さんスタッフさんたちが
 素晴らしいシーズンを過ごせるよう祈りながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 急遽スケジュールを変更して、
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



          ―― 珈琲が呼ぶ ――



 著者は片岡義男(かたおか・よしお)さん、2018年1月に発行されました。
 片岡さんのファンの方々にとっては待望の“珈琲エッセイ”集、
 しかも全編書下ろし!というこの御本、
 静かな熱狂を呼んで既に6刷を数え、
 いえ、今頃はもしかしたら7刷になっているかも?

「みんなァ、だいすきィなんでスゥ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:片岡さんの珈琲譚!)

 大ベストセラーとなったこの御本、
 《珈琲》の看板を掲げてはありますけれど、
 著者・片岡さんにとってのコーヒーとは、
 いま流行りの世界的チェーン店のコーヒーや、
 淹れ方、豆のブランドに関するこだわり云々ではなく、
 もっと大らかな、

   椅子に座って
   一時間ほど人と話をして過ごすための、
   切符のようなものがコーヒーだった。

 だというのです。

「きッぷゥ、でスかァ~…」
「がるぐるがるるるる!」(←訳:旅の切符みたいだね!)

 片岡さんが手にした切符――
 一杯のコーヒーが呼び寄せるのは、
 ビートルズのサイン、ボブ・ディランさんの詩歌、
 トム・ウェイツさんやスザンヌ・ヴェガさんの音楽、
 映画『バグダッド・カフェ』、
 『ダーティ・ハリー 4』、
 電車が縦横に走る東京の風景……

 けれど、イチローさんの会見報道に接した今日この日に
 繰り返し読みたくなる一編といえば。

 本文166ページ、
 『さらば、愛しきディマジオよ』。

「それはァ、もしやッ!」
「ぐるがぅるるるるる?」(←訳:あのディマジオさん?)

 探偵フィリップ・マーロウさんを
 ロバート・ミッチャムさんが演じている映画
 『Farewell,My Lovely』(1975年制作)の中には
 ニューヨーク・ヤンキースの外野手
 ジョー・ディマジオさんにまつわるエピソードが
 描かれています。

 1941年の夏、
 ディマジオさんは連続試合安打の記録を
 試合ごと更新しておりました。

 記録は、どこまでのびるのか?
 どのチームのどの投手が記録を止めるのか?
 探偵マーロウさんももちろん、
 記録更新のニュースを楽しみにしている――

 レイモンド・チャンドラーさんの原作小説にはない、という
 映画のそこかしこで光る野球への思い、
 往時のメジャーリーグへ向ける熱い視線を、
 丁寧に拾い上げる片岡さん。
 文章の最後には
 一枚の写真を添えています。

「わおゥ! このォおかたはッ!」
「がぅるるるるるる!」(←訳:ディマジオさんだ!)

 コーヒーカップを口元へ運ぼうとしている、
 スーツ姿の、ディマジオさんの写真が、
 ことのほか温かく、ものやわらかく見えてしまうのは、
 気のせいでしょうか……。

「いまごろォ、いちろーさんもォ~」
「ぐーるーがるるるるるぅ……」(←訳:コーヒー飲んでるかなぁ……)

 音楽好きさん&映画好きさんに
 激おすすめのコーヒーエッセイ、
 本屋さんで、図書館で、
 探してみてくださいね。
 
 なお、4月5日には片岡さん著『豆大福と珈琲』の文庫版が
 刊行される予定です。
 珈琲をめぐる5つの物語と、
 文庫化を記念してのエッセイ1編が収録されているそうですよ。
 ファンの皆さまは、こちらも、ぜひ♫




 
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