テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

… 臨時休業 …

2021-07-31 21:30:45 | ブックス


 ……こんにちは、ネーさです。
 本日は私ネーさ、
 熱中症につき、
 臨時休業ということに……

 ……皆さまも、どうか御自愛を……



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~ 粋なふたりの、リレー語り ~

2021-07-30 22:16:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はなびィ~たいかいィ?」
「がるる!ぐるがるる?」(←訳:虎です!金魚すくい?)

 こんにちは、ネーさです。
 花火大会や夜店の賑わい……
 御神輿や山車の行列……
 お祭りが恋しくなる夏の週末の読書タイムは、
 うふふっ♪と笑えてしまう
 楽しいエッセイ作品を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
       ―― 青豆とうふ ――



 著者は安西水丸(あんざい・みずまる)さん、
 和田誠(わだ・まこと)さん、
 単行本は2003年に、
 画像の文庫新版は2021年5月に発行されました。

 活字マニアさんなら
 知らぬ者はない御二方――
 デザイナーにしてイラストレーターにして
 作家にして……と、
 最高に多才なアーティスト
 安西水丸さんと和田誠さんによる
 《リレー・エッセイ》作品です。

「はじまりィはァ~…むむッ??」
「ぐるがるぐる??」(←訳:この御題から??)

 まず、最初にエッセイを書くのは
 安西さん。

 安西さんが書いたエッセイのテーマを
 和田さんが引き継いで、
 別の話につなげ、
 それをまた安西さんが受け取って
 エッセイを書く。

 というリレー形式で始まるこの御本の、
 第一話は……

 『ハゲの話』。

「ふァ~…」
「がるるぐる~…」(←訳:それはまた~…)

 安西さんの『ハゲ』の話を、
 和田さんが受け……たのも束の間、
 テーマはくるりと変わって、
 『取材の話』へ。

 その『取材の話』が、
 安西さんの筆にかかると、
 なぜか、
 『フランク・ロイド・ライト』へ。

「はちゃめちゃッ♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:ランダムだね!)

 思いつくまま、
 気の向くまま、
 御二人のリレーは続きます。

 わけても、
 頭抜けて愉しいのは、
 和田さんの
 『ファン→ジェイムズ・スチュアート』。

 ええ、そうです、
 他ならぬ映画俳優の、
 ジェイムズ・スチュアートさん。
 ハリウッドスターの
 ジェイムズ・スチュアートさん。 

 高校時代のこと、
 和田さんがファンレターを出した相手が
 ジェイムズ・スチュアートさんだったんです。
 鉛筆で丁寧に描いた似顔絵も
 同封して。

 そして、なんと!
 スチュアートさんからお返事が!!

「おおおおォ~ッ!」
「がぅるっ!」(←訳:きゃあっ!)

 憧れのスターさんからの、お手紙……
 その嬉しいサプライズから、15年。
 またも大事件が!
 東京国際映画祭のゲストとして
 来日したスチュアートさんと、
 和田さんは対談することに!

 ああ、目の前に
 本物のジェイムズ・スチュアートさんがいる……!

「かんげきィなのでスゥ!」
「ぐるる……!」(←訳:感無量……!)

 安西さんも負けてはいませんよ。
 『ジェイムズ・スチュアート』と来て、
 次のお題目が、
 『IVY(アイビー)ファッション』。

 安西さんにとっての
 IVYとは……?

「かッこいいィんだからァ、もうゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:お洒落だよね!)

 『青豆とうふ』なる
 謎めいだ題名を思いついたのは、
 村上春樹さん。

 その経緯は御本冒頭の『まえがき』に
 説明されています。
 巻末には、
 村上春樹さんが
 『《青豆とうふ》文庫版のおまけ』
 を寄せていて、
 和田さん&安西さんとの思い出話に、
 読み手の私たちはついホロリ……。

「すてきなァ、おふたりィ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:それぞれに唯一無二!)

 ページを捲るたび、
 ウフフ、とにやついたり、
 うんうん、と頷いたり。

 安西さん和田さんの
 イラストもた~くさん掲載されている
 痛快で爽快なエッセイ集は、
 全活字マニアさんにおすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 《旅》に揺れる ~

2021-07-29 22:16:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪たびィ~ゆけばァ~♪」
「がるる!ぐるるがる?」(←訳:虎です!鉄路の香り?)

 こんにちは、ネーさです。
 がたたん、ごととん、と座席を揺らすのは、
 眠気を誘われるレールの振動……
 本日の読書タイムは、
 全鉄道ファン諸氏の旅心をくすぐる
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



       ―― 鉄道無常 ――



 著者は酒井順子(さかい・じゅんこ)さん、
 2021年5月に発行されました。
 『内田百閒と宮脇俊三を読む』と
 副題が付されています。

「のりものォつながりィ?」
「ぐるるーがるぐるがる!」(←訳:モルカーから鉄道へ!)

 前回記事で御紹介しました『PUI PUI モルカー』は、
 車のようにヒトを乗せて運んでくれる
 モルモットたちの楽しい物語でした。

 対してこの御本は、
 日本鉄道マニア界のビッグネーム――

 内田百閒(うちだ・ひゃっけん)さん(1889~1971)

 宮脇俊三(みやわき・しゅんぞう)さん(1926~2003)

 おふたりの”鉄歴”を追いかける
 ノンフィクション作品です。

「すじがねェいりィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:動作保証つき!)

 内田さんと宮脇さんは、
 ええ、おふたりとも筋金入りの鉄道ファンで、
 列車と見れば反射的に
 乗り込みたくなってしまう
 無類の鉄道愛好家であり、
 《鉄道紀行》作家さんです。

 著者・酒井さんもまた
 熱心な鉄道ファンとして知られ、
 鉄道に関連する作品を著しておられますが……

「まにあァのォ、こころはァ~」」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:マニアのみぞ知る!)

 本文は、

  『《鉄道紀行》誕生の背景』

  『生まれたときから《鉄》だった』

  『人生鉄路のスタート地点』

 と、内田さん&宮脇さんの《鉄》行程を
 進んでゆきます。

 順調な《鉄》人生に襲いかかる
 戦争という悪夢や、
 東京大空襲……

 その中で印象深いのは、
 
  『終戦の日の鉄道』

 でしょうか。

「あついィなつのォ、なのでスゥ!」
「がるるるるぐるがるる!」(←訳:駅前広場で聴くラジオ!)

 宮脇俊三さんが、
 父・長吉さんとともに
 ラジオ放送を聞いたのは、
 1945年8月15日の正午、
 山形県の今泉駅でのことでした。

 放送を聴き終え、
 宮脇さんは混乱します。

 これからどうしたらいいものか……
 しかし。

  ―― 時は止まっていたが汽車は走っていた ――

 走る汽車が、
 時刻表通りに運行されている列車が、
 宮脇さんの心を打ちます。

 こんなときでも、
 汽車は走る。
 
 止まっていた時間が、
 ふたたび動き始める――

「きてきがァ、きこえまスゥ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:レールが歌うよ!)

 世界中がコロナ禍に見舞われている現在、
 気ままな鉄道旅行はもとより、
 空の旅も
 海の旅も
 ままなりません。

 けれど、そのためでしょうか、
 旅行記や旅に関する書籍の
 売り上げが伸びているそうです。

 いつか、旅に出る日を信じて。

 百閒先生や
 宮脇さんのように、
 汽車旅へと出発する日を待ちながら、
 ノンフィクション好きさんも
 鉄道紀行好きな方々も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。

「いつかァかならずゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:ボクらも旅に!)
 
 
 
 
 
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~ PUI、来たる! ~

2021-07-28 22:07:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 んッ? わわッ、なにィでスかァ、これはッ??」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!箱が来たよ!)
「なかみィはァ~…ぎゃわッ!」

  

「でたァ~!」
「がるるーる!」(←訳:モルカーだ!)

  

「わわわァ! いがいィにィ~」
「ぐるるるぅる!」(←訳:大きいじゃん!)

  

 えへん、
 こんにちは、ネーさです。
 はい、本日の読書タイムは、特別編ですよ。
 今日7月28日に発売されたばかり、
 超エンタなコマ撮りアニメ作品を、
 さあ、どうぞ~♪
 
  



     ―― PUI PUI モルカー ――



 監督は見里朝希(みさと・ともき)さん、
 2021年1月~3月にTV放送され、
 現在はちょうど再放送中!
 また、映画館でも上映されています。

「あのォねッきょうをォ、ふたたびィ!」
「がるるるぐるるるがるるる!」(←訳:TVでも映画でも円盤でも!)

  

 ↑カバーを外すと、
 現れ出ましたるは、
 モルカーのポテトちゃんを中心に、
 上段は左から、
 チョコちゃん、アビーちゃん、
 シロモちゃん、テディちゃん、と
 “主演”級のモルカーたちが並んでいます。

 ……そう、これは、
 モルモットが車の役割をはたしてくれる
 なんだか楽しそう♪な世界の物語。

 いえ、もちろん、
 モルカーの世界にも、
 強盗やら誘拐犯やら、
 悪いヤツらはいますし、
 ゾンビはうろうろしているし、
 天国とは言えないんんですけれども。

「だいじょぶゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:なんとかなるさ!)

 第1話『渋滞はだれのせい?』から、
 第12話『Let'sモルカー・パーティー!』まで、
 可愛らしいのに
 実力は底知れず!なモルカーたちが
 縦横無尽に画面を疾走する全30分、
 Blu-ray・DVDには
 エンドレスでリピートできる
 ”無限モルカー”仕様も備わっています。
 
  

「かくちでェ、いべんとォもォ!」
「がるるぐる!」(←訳:開催中です!)

 映画館での上映の他に、
 渋谷PARCOでの『モルカータウン』、
 タワーレコード等の販売店や
 キャラクターグッズ店でも
 モルカーたちの関連イベントが催されています。

 なお、イベントの日程については、
 緊急事態宣言中のことゆえ、
 変更・中止なども起こるかもしれません。
 お出掛け前に
 公式HPで御確認くださいね。

  

 私ネーさの推しモルカーは、
 えへん、
 テディちゃんでございます。

 食いしん坊?で、
 くせ毛っぽくて、
 以前は軍用モルカーだったんじゃね?
 と噂され、
 お腹の中に
 オキシジェンデストロイヤーをも隠し持つ
 最強モルカー……!

「いつかァ、またァ~…」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:会えるといいなあ!)

 チビッ子諸氏のハートも
 大人たちのハートも、
 ギュギュっとつかんで離さない
 モルカーたちのスペクタクル大ロマンを、
 皆さま、ぜひ♪



 ……それにしても、
 2Dや3Dでの映画上映はともかく、
 4D上映って……
 どうなっているんでしょう?
 観客さんはモルたちとシンクロして
 ころころ転がったりする……んでしょうか……?

「ぷふふッ♪」
「がるるっ♫」

 
 
 
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~ ざんねん?をポジティブに! ~

2021-07-27 22:20:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またまたァ、きましたでス!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!安定の大好評~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、やって来ましたよ!
 本日の読書タイムは、
 夏休み真っ最中の少年少女さんに、
 そして動物好きな大人諸氏にもぴったりの、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



   ―― ますます ざんねんないきもの事典 ――



 監修は今泉忠明(いまいずみ・ただあき)さん、
 2021年4月に発行されました。
 『おもしろい!進化のふしぎ』と副題が付されています。

 初代『ざんねんないきもの事典』が
 刊行されてから、はや5年……

 『ざんねんないきもの事典』→
 『続ざんねんないきもの事典』→
 『続々ざんねんないきもの事典』→
 『もっとざんねんないきもの事典』→
 『さらにざんねんないきもの事典』
 とシリーズは進んで、この
 『ますます』編が到着いたしました。

「なかみはァ、きちんとォ~」
「ぐっるがーる!」(←訳:アップデート!)

 古生物学や考古学……
 “古臭い”ようでいて、
 実は最も新陳代謝が活発で、
 非常識が常識に変わることも多い分野、
 と申せましょうか。

 その分かりやすい例が、
 ティラノサウルス。

「きょうりゅうのォおおさまッ、でスねッ!」
「がぅるぐる!」(←訳:キャラ強烈!)

 1993年に公開された
 映画『ジュラシックパーク』の中で、
 大型肉食恐竜ティラノサウルスくんは
 走っていました。

 アクセル全開の4WD車を追い抜くほどの、
 それはもうたいそうなスピードで
 爆走しておりましたが。

 この『ますます』編では、
 あっさり”却下“されています。

「ほんとォはァ、のッそりィ~!」
「ぐるがるぐるるる?」(←訳:人間より遅いんだ?)

 御本の本文112ページの文章によれば、

  《時速27㎞以上で走ると、
   足の骨が粉々に砕け散る》

 とまで言われている、と。

 ちょっと足の速い高校生なら
 ティラノサウルスから逃げ切れる、と。

「やッたァ!」
「がるるぐる!」(←訳:余裕の勝利!)

 いえいえ、油断は禁物です。

 速く走れないために
 追いかける型の狩りは出来なくとも、
 待ち伏せる型の狩りは出来ます。

 なので皆さま、
 『ジュラシックパーク』や
 『ジュラシックワールド』にお出掛けしたら、
 木陰や物陰にひそむティラノサウルスに
 充分注意してくださいね。

「ふァいッ!」
「ぐるるる~る!」(←訳:そうしま~す!)

 ティラノくんの真実と
 同じくらいに笑ってしまったのは、
 本文150~151ページにかけての、
 タコvs.イルカの攻防戦です。

 タコ……
 みょ~んとしたルックスでありながら、
 かなり知能が高い!のだそうです。

 神経細胞が5億個もあって、
 これは、イヌとほぼ同じ数。
 記憶力や、学習能力もある。

 かくも賢いタコですが、
 天敵は……イルカ?

「ごちそうゥ~なのでスゥ!」
「がるるぐるるるがるる!」(←訳:タコはイルカの大好物!)

 あっけなく食べられるか、
 最後まで抵抗を試みるか。

 今日も海のどこかで
 繰り広げられているであろう
 タコ対イルカの闘いに
 興味津々……ではありますが。

 この御本で
 いちばんの必読箇所はどこか?といえば、
 それは、おそらく

 第1章『ざんねんな進化のマンガ』です。

 人類は進化のドン詰まりにいるのか?
 いや、そうではないかもしれない……?

「もしかァしたらァ~…?」
「ぐるるるがるる?」(←訳:まだまだいける?)

 生命の進化未来図を予見させてくれる
 楽しいマンガは、
 《ざんねん》どころか、
 ポジティブでクール!

 私たちはこれから
 どこへ向かおうとしているのか――
 真摯に考えたくなる一冊は、
 大人な活字マニアさんにおすすめです。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 

 

 
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~ 聞いて、語って、視て…の百物語 ~

2021-07-26 22:26:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゅゥ~どろろんッ!」
「がるる!ぐるるるる~る!」(←訳:虎です!どろろろろ~ん!)

 こんにちは、ネーさです。
 日本の夏の風物詩といえば、
 オリンピック!……だけじゃなくて、
 ああ、そうです、
 怪談!!ですね。
 本日の読書タイムは、
 保証書付きの↓こ~んな《怖いお話》を、
 さあ、どうぞ~♪

  



     ―― 魂手形(たまてがた) ――



 著者は宮部みゆきさん、2021年3月に発行されました。
 《三島屋変調百物語》シリーズの第7作目となります。

 お江戸は神田にあります袋物屋の
 三島屋(みしまや)さん。

 袋物(ふくろもの)とは、
 現代でいうなら可愛いポーチや
 小さめサイズのトートバッグのことで、
 その分野では江戸でBEST3に入ると評判なのが
 三島屋さんです。

 つい先頃までは、
 べっぴんさんのお嬢さんが、
 三島屋さんの奥座敷で
 “百物語をしている”
 “怖い話を集めている”
 との噂でしたが……

「めでたくもォ~」
「ぐるるる!」(←訳:嫁御寮に!)

 嬉しいことに、
 皆から愛され、親しまれていた
 おちかさんは、
 他家へ嫁いでしまって、
 百物語の聞き手は、
 三島屋さんの次男坊
 富次郎(とみじろう)さんが
 引き継ぐ次第となりました。

 おちかさんから
 富次郎さんへ、
 このバトンタッチに
 私たち読み手も
 ようやく慣れ……慣れ……
 う~ん、
 なんか慣れないのよねえ、まだ。

「おちかおねえェちゃんッ、だいすきィ~でしたでス!」
「がるぐるる!」(←訳:今も大好き!)

 聞き手が誰なのか。

 そんなの大したことじゃないさ、とは言えません。
 聞き手の顔色が、気合いが、
 ときとして話の流れを逆転させもする、
 意味を深めもする。

 聞き手としての経験浅い富次郎さんのもとへは、
 “怖い話”の方が
 寄り付こうとしないんでしょうか。

「いやいやッ! きましたァでスよゥ!」
「ぐるる!」(←訳:3つも!)

 この御本に収録されているのは、
 『火焔太鼓』
 『一途の念』
 『魂手形』
 の3作品です。

 特に『魂手形』は、
 中編というに相応しい頁数の
 快作ですよ。

「いなせなァ、おじいィちゃんッ!」
「がるぐるがるる!」(←訳:顔も声もシブい!)

 或る日、三島屋さんにやって来たのは、
 髪も眉も白くて、
 けれど声音も立ち居振る舞いも
 しゃっきりとしたご老人。

  ―― 粋な爺さまじゃないか ――

 と、富次郎さんは感心します。
 とても百物語の語り手には、
 背中に闇を背負っているようには
 見えないのですが。

 吉富(きっとみ)と名乗った当のご老人は、
 飄々と語り始めます。

 十五歳の、夏の頃。
 彼の身に、家に、
 起こった出来事を……。

「くくくッ、くわばらッ!」
「ぐるるるぅっ!」(←訳:えんがちょっ!)

 ネタバレ回避のため、
 これから先はお喋りできませんけれども、
 ゾッとしたり、
 ニヤリとしたり、
 またゾゾッとしたりの
 “怖い話”は、
 夏の宵にぴったりですよ。

 怪談ファンの方々におすすめの
 《三島屋変調百物語》シリーズ最新作、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
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~ はるか 銀河のはてから ~

2021-07-25 22:20:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 にちようゥあさのォ、しゅうかんはァ~」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!セブンセブン!)

 こんにちは、ネーさです。
 毎週日曜日の朝8時に
 BSプレミアムで放送しているのは、
 4Kリマスター版『ウルトラセブン』。
 本日の読書タイムは、
 『セブン』にちなんだこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
   ―― ダンとアンヌとウルトラセブン ――



 著者は森次晃嗣(もりつぐ・こうじ)さん、
 ひし美ゆり子さん、
 2021年2月に発行されました。
 『~森次晃嗣・ひし美ゆり子 2人が語る見どころガイド~』
 と副題が付されています。

 ええ、あらためて説明する必要も
 ないかもしれませんね。

 《モロボシ・ダン》ことウルトラセブン役の
 森次晃嗣さん
 (1967年当時は森次浩司さん)。

 《アンヌ隊員》こと友里アンヌ役の
 ひし美ゆり子さん
 (1967年当時は菱美百合子さん)。

 この御本は、森次さんとひし美さん御二人による
 『ウルトラセブン』鑑賞ガイドブックですよ。

「おしゃしんッ、きれいィでス!」
「ぐるるるがる!」(←訳:クリアで鮮明!)

 『セブン』の映像が4Kリマスター化されたせいか、
 この御本で使用されている写真資料の数々も、
 とても美しく、
 歪みや傷はありません。

 そして、
 第1話から
 (永久欠番とされる第12話を除いて)
 最終話となった第48&49話までの
 ストーリー、
 ゲストで出演した俳優さん、ロケ地、
 異星人の名称・特徴、
 撮影時のエピソード、
 放送された日時と視聴率など、
 『セブン』関連データが収録されています。

「かんとくゥさんッ、きゃくほんかァさんもッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:各話で違うんだ!)

 はい、
 脚本、監督、特殊技術の担当者さんも
 各話ごとに違っていたりして、
 その中でも”伝説“とされるのは、
 第8話『狙われた街』でしょうか。

 監督は実相寺昭雄さん、
 脚本は金城哲夫さん、
 特殊効果は大木淳さん、
 夕陽の特撮の素晴らしいこと!

「しょうめいィもッ!」
「ぐるるがーるる!」(←訳:カメラワークも!)

 そしてまた、
 異星人の宇宙船や武器、
 ウルトラ警備隊のポインターとは別に、
 シリーズのもうひとつの魅力!と言いたいのが、
 超一流のミニチュアたちです。

 私ネーさの最推しは、
 第14・15話『ウルトラ警備隊 西へ』に登場した
 地球防衛軍の六甲山防衛センター!

 モデルとなった
 『京都国際会館』は、
 アート好きな方々に広く知られる名建築ですが、
 外観も内部も非常に複雑なデザインなので、
 放送を拝見したときは
 驚愕いたしましたよ。

 あれをミニチュアで作るなんて……!

「そこがァ、つぶらやァぷろさんのォ、そこぢからッ!」
「がるる!」(←訳:だよね!)

 今日7月25日に放送されたのは、
 第18話『空間X脱出』でした。

 来週以降の解説ページは
 まだ読まない方がいいかしら?
 と迷いますが、
 巻末の
 特別座談会『鬼軍曹を迎えて』は
 特別です。

 森次晃嗣さん、ひし美ゆり子さん、
 古谷敏さん(アマギ隊員)、
 制作を担当した高山篤さんによる
 楽しい回想談義は
 『セブン』ファン必読!

「むむゥ! どのォぺーじィもォ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:活き活きしてます!)

 可愛らしいアンヌ隊員の60’sファッション、
 現場の裏話にもクスッ♪とさせられたり、と
 『ウルトラセブン』を愛する老若男女さんに
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫
 
 
 
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~ さあ、東京《自然》探検! ~

2021-07-24 22:22:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむむウ! げきそうゥでしたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!6時間の長旅~!)

 こんにちは、ネーさです。
 《Tokyo2020オリンピック》自転車男子ロードレース、
 ゴールの富士スピードウェイで
 栄冠を勝ち取ったのは
 リシャルド・カラパスさん(国籍はエクアドル)!
 選手さんに拍手!
 スタッフさんにも拍手を送りながら、
 さあ、読書タイムも完走を目指しますよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 大人の東京自然探検 ――



 著者は吉田友和(よしだ・ともかず)さん、
 2021年5月に発行されました。
 『森林・水辺・山・草原・etc.』と副題が付されています。

 ドタバタ続きではあれ、
 始まったからには、
 節度を保ちつつ応援したいわね。

 という訳で、
 今回は《東京》をテーマとするガイドブックを
 ご紹介いたしましょう。

「ゆッたりィ~♫」
「ぐっるる~♪」(←訳:ひっそり~♪)

 ええ、そうなんです。

 大都市・東京。

 ……ですけど、
 え? ここ東京だよね?
 と問いかけたくなるくらいに
 緑豊かで、
 頭上に空が広がっていて、
 《密》には縁遠そうな、
 ゆったり空間。

 この御本で取り上げられているのは、
 そんな“自然探検“が出来る
 55の場所です。

「はじまりィはァ~…あれれッ?」
「がるるぐる!」(←訳:ご近所だよ!)

 本文のいちばん初めに掲載されているのは、
 これがなんと、
 我が家からも徒歩で行けちゃう
 『小宮(こみや)公園』。

 へ? うわっ!
 と、地元民の私たちの方が
 ビビッております。
 そんなに注目スポットだったの、ここ?
 ガイド本に載るほどの?

「ぷふふッ♫」
「ぐるるっ♪」

 その他に、
 東京の東部エリアでは、
 『台場公園』
 『旧古川庭園』
 『荒川自然公園』
 『石神井公園』
 などなど……
 私ネーさ、個人的におすすめしたいのは、
 『小石川植物園』!

 西部エリアでは、
 町田市の
 『小山内裏(おやまだいり)公園』
 世田谷区の
 『静嘉堂文庫(せいかどうぶんこ)』
 などなど……
 
 自転車ロードレース好きな方々には
 『多摩湖自転車歩行者道』が
 よく知られているかもしれませんね。

「あんぜんッあんしんッ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:配慮されてます!)

 『多摩湖自転車歩行者道』は、
 コースが自転車用と
 歩行者用に区切られていて、
 車やモーターバイク(オートバイ)は通行不可、
 という点だけでも魅力的です。

 加えて、
 自転車コース10キロ余を
 走り切った終着地点にまっているのは、
 多摩湖の絶景……!

「ここォ、ほんとにィとうきょうゥ??」
「ぐるがる!」(←訳:東京です!)

 今日行われた
 オリンピックのロードレースのコース沿いには、
 多摩地域や
 神奈川県西部の丘陵地域、
 富士山麓の
 長閑な風景が映し出されておりました。

 ああ、いいなぁ……
 東京も、
 近郊の自然も、
 いいもんだなぁ……
 と思ったら。

 オリンピック期間が過ぎ、
 コロナ禍が落ち着いたあたりで、
 ぜひ、この御本を参考に
 お出掛けを計画してみてくださいね~♪

「とうきょうゥたんけんッ!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:する価値ありです!)
 
 
  
 
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~ 虚と実の花々 ~

2021-07-23 23:21:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんかいィもォ、おみごとォだッたのでス!」
「がるる!ぐるーるがる!」(←訳:虎です!スモーク5色!)

 こんにちは、ネーさです。
 東京の空にブルーインパルスが描く5色の輪を
 ネットのライブ配信で拝見しました。
 感嘆とご苦労さま!の拍手を送ったら、
 本日の読書タイムも華やかに行きますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  


 
  ―― 大人のための《怖いクラシック》 ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、
 2021年3月に発行されました。
 『オペラ篇』と副題が付されています。

「♪るるゥ~♪だれもォねてはァならぬゥ~♪」
「ぐるがるるるる~♪」(←訳:ある晴れた日に~♪)

 オペラ。

 音楽公演さまざまあれど、
 格式の高さ、という点では
 最上級にあたるのが、
 オペラでしょうか。

 人気の美術評論《怖い絵》シリーズの著者・中野さん、
 実は大のオペラファンでもあって、
 ブログでは幾度となくオペラを話題にしておられます。

 この御本は、
 オペラ通の中野さんによる
 《初心者向けオペラ解説書》
 なんですよ。

「それはァ、ありがたやッ!」
「がるるぐるるがる!」(←訳:僕たち初心者です!)

 はい、私ネーさも初心者です。
 音楽として耳にすることはあっても、
 大きな劇場で
 本格的なオペラを鑑賞した経験はありません。
 なので、本気で学んでみましょう。

 まずは『プロローグ』の、

 《オペラって何? 初心者のためのオペラ講座》から。

「あんないやくゥはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:この2人!)

 本文は対話形式で構成されています。

 オペラ初心者の後輩・蓮(れん)くん。

 蓮くんの先輩で、
 オペラに詳しい美月(みつき)さん。

 近々ガールフレンドがオペラに出演するんです。
 でも、ぼくオペラに関する知識が無くて。
 助けて先輩~!

 という次第で、
 蓮くんが美月先輩に教えを乞うたのは、
 
 第1章『チェネレントラ(シンデレラ)』
 第2章『椿姫』
 第3章『ホフマン物語』
 第4章『ファウスト』
 第5章『カルメン』と、
 『エピローグ』。

「むッ! ぷろろォーぐゥ、、おもしろいィでス!」
「がっるるるぐる!」(←訳:びっくりの発見!)

 基礎の基礎というべき『プロローグ』で、
 驚いてしまったのは、
 プロンプターと、
 オーケストラピットのお話でした。

 ベテランのオペラだって、
 人間ですもの、
 歌詞を忘れることもあります。

 それに、
 ステージに立つ歌い手さんの国籍も、
 母国語も、
 全員がてんでバラバラであるのも
 現代のオペラでは珍しくありません。
 歌手さんもつい、
 混乱して、ド忘れしてしまう――

 そんな緊急事態を救うのが、
 プロンプターさん。

 小声で歌詞を教えたり、
 歌の出だしを指示したり、
 指揮者の次に
 重要な仕事といわれている、と。

「しらなかッたでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:頼りになるね!)

 そしてまた、
 『エピローグ』でも、
 ええっ?そうだったの??
 という驚きが。

 『マダム・バタフライ(蝶々夫人)』の作者
 プッチーニさん。

 新しもの好きなプッチーニさんは
 当時まだレアだった
 自動車を手に入れます。

 もちろん、自分では運転せず、
 専用運転手さんが運転していたのですけれど……
 或る夜、事故が!
 
「ひゃあああッ!」
「がるるる!」(←訳:たすけて!)

 プッチーニさんも運転手さんも
 命が助かったのは奇跡、
 と言われるような大事故でした。

 が、その事故を境にして、
 プッチーニさんの行く手に
 暗雲が……?

「それッてェ、もうゥ~…」
「ぐるるるがるぐるる!」(←訳:実生活がほぼオペラ!)

 プッチーニさんの略伝と、
 有名オペラ列伝、
 オペラの歴史など、
 トリビア色の強い『エピローグ』は、
 《怖い絵》シリーズファンの方々に
 おススメですよ。

 恋あり、
 決闘あり、
 戦争あり、
 悪魔との闘いあり、
 つまり《何でもあり!》なオペラ世界への、
 楽しい招待状を、
 皆さま、ぜひ♪

 
 
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~ 電気羊の子どもたち ~

2021-07-22 23:20:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんどこそォ、れんきゅうゥ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!海の日だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 祝日は月曜日、だと思っていたら、
 今日が海の日で祝日になっていたんですね。
 これがオトナの事情ってものなのね~と、
 ちょっとばかり溜め息しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― クララとお日さま ――



 著者はカズオ・イシグロさん、2021年3月に発行されました。
 英語原題は『Klara and the Sun』、
 ノーベル賞受賞後第一作にして、
 6年ぶりとなる新作長編作品です。

 既にたくさんの書評が公開されているので、
 御存知の方々も多いことでしょうが……

 主人公のクララさんは、
 人間じゃありません。

「ろぼっとォ、でスねッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:AI搭載の!)

 人工的な《知能》《知力》を組み込まれ、
 この世に誕生した存在……

 有名な作品では、
 『2001年宇宙の旅』のHAL9000、
 『ブレードランナー』のレプリカントや
 その原作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』、
 A・アシモフさんのロボット連作などが
 思い浮かびます。

 日本では、言うまでもなく、
 手塚治虫さんの『鉄腕アトム』。
 それに『ドラえもん』も、
 AI搭載ロボットの親戚、
 と申せましょうか。

 “彼ら“に比べて、
 クララさんは、
 “素朴“に見えます、が……?

「むむゥ! そぼくゥじゃないィのはァ~…」
「がる?」(←訳:周囲?)

 素朴で、健気で、
 おひさまのようにあたたかなこころ。

 主人公・クララさんのその素朴さは、
 彼女を取り巻く人びととは
 対照的です。

 思惑、願望、計算。

 いや、むしろ人間にとってはこちらの方が
 自然なのでしょうか。

 常に何かしらの打算を
 腹に抱えている方が、
 普通のこと、なのでしょうか。

 そんな《人間の世界》で、
 クララさんは“生きて“ゆけるのか――

「むずかしィかもッ?」
「ぐるがるる!」(←訳:難し過ぎる!)

 ひとのしあわせと、
 人工知能のしあわせ。

 そのふたつは、
 同じものなのか、
 まったく異なるものなのか。

 お店の棚から、
 外の世界へ。
 人間の家庭へと辿り着いたクララさんが
 見仰ぐものとは。

 言葉のひとつひとつまで
 著者・イシグロさんの
 こまやかな神経が行き届いた
 新たな《ロボットのものがたり》を、
 夏休みの読書タイムに、
 皆さま、ぜひ♪
 
  
 
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