テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 書物めぐりの大冒険 ~

2021-02-28 23:45:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さんがつゥ~なのでスよゥ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!春だよね!)

 こんにちは、ネーさです。
 早咲きのサクラと一緒に
 3月がやって来ましたね。
 では、読書タイムも春らしく、
 華やかな話題作に登場していただきましょう♫
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
   ―― 《グレート・ギャッツビー》を追え ――



 著者はジョン・グリシャムさん、
 原著は2017年に、日本語版は2020年10月に発行されました。
 英語原題は『CAMINO ISLAND』、
 そして、全米ベストセラーとなったこの御本の翻訳者は 
 村上春樹さん!

「やくしゃはァそろッたァ、のでス!」
「ぐるがるる~!」(←訳:幕よ上がれ~!)

 米国東部、
 ニュージャージー州に本部を置く
 名門私立大プリンストン大学。

 そのプリンストン大学には、
 英文学研究者さんにとっては無視できない
 “特別”な図書館があります。

 ファイアストーン図書館――

 ここには、
 F・スコット・フィッツジェラルドさんの
 直筆原稿が収蔵されているんです。

「ほほうゥ!」
「がるるる!」(←訳:貴重品だ!)

 『楽園のこちら側』
 『美しく呪われしもの』
 『夜はやさし』
 『ラスト・タイクーン』
 『グレート・ギャッツビー』

 フィッツジェラルドさんの肉筆による
 5つの作品のオリジナル原稿をはじめ、
 メモ、手紙などの資料も
 ファイアストーン図書館の奥深く、
 地下室の堅牢な金庫に仕舞われています。

 図書館員さんですら、
 ほとんど目にすることはなく、
 原稿がそこから持ち出されたのは
 長い年月の間でもほんの数回。

 それほど重要な、
 まるで宝石のように扱われている
 フィッツジェラルドさんの原稿が……

 盗まれてしまった――!!

「えええええェッ!」
「ぐるるがっる!」(←訳:嘘だと言って!)

 嘘じゃないから、
 ほら、FBIの《希少資産回収班》が
 間髪入れず動き出しましたよ。

 犯行現場のわずかな遺留品を分析、
 たちまち容疑者を特定!
 居場所を割り出し、
 身柄も確保して、
 でも……

 盗まれた原稿は?

「ないィ!」
「がるるるるるる!」(←訳:見つからないよ!)

 フィッツジェラルドさんの原稿は
 どこに消えたのか。

 捜査を続けるFBIが疑惑の目を向けたのは、
 フロリダに店を構える
 『べイ・ブックス』。

 稀覯本が集まるこの書店には、
 必ずやフィッツジェラルドさんの原稿も
 持ち込まれるに違いない、と……?

「くるゥかなッ??」
「ぐるがる!」(←訳:来るかも!)

 原稿追跡のミステリとともに、
 なんとしても一読していただきたいのは、
 巻末の『訳者あとがき』です。
 米国の書店の事情が
 解説されていて、
 物語の背景がいっそう分かりやすくなりますよ。

 原稿の行方は、
 書物をめぐる魅惑の謎と冒険は、
 と手に汗握る物語を、
 皆さま、ぜひ♪
 
 
  
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~ 《鳥獣》たちの、見どころは ~

2021-02-27 22:43:36 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅうまつはァ、りらッくすゥ~♪」
「がるる!ぐるっるぅるる!」(←訳:虎です!サボっちゃおう!)

 こんにちは、ネーさです。
 2月の満月は、“スノームーン”。
 今夜は全国的に晴天の場所が多くて、
 天体観測日和、でしょうか。
 そんな2月最後の週末は、
 さあ、読書……をサボって、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて ――


 
 東京・上野の東京国立博物館 平成館にて、
 会期は2021年4月13日~5月30日
 (月曜休館、ただし5/3は開館)、
 『NATIONAL TREASURE: FROLICKING ANIMALS』
 と英語題名が付されています。

「ようやッとォ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:会えるかも~!)

 はい!
 この春、国宝『鳥獣戯画』が
 東京国立博物館にて公開されます!
 しかも、史上初の
 全巻全場面を一挙公開ですよ。
 
  

 ↑上の画像の左側は、
 鎌倉時代(13世紀)に制作された
 明恵上人(みょうえしょうにん)坐像です。

 『鳥獣戯画』が伝わる
 京都・高山寺を再興した明恵さまは、
 数々のエピソードや
 白洲正子さんの著作で
 活字マニアさんにもお馴染みですね。

 重要文化財に指定されているこの木像をはじめ、
 高山寺所有の名宝も
 出展されるそうですよ。

「ありがたやッ!」
「がるる~!」(←訳:嬉しい~!)

  

 そして!

 画期的なのは、
 展示方法……というか、鑑賞方法です。

 『鳥獣戯画』全4巻のうち、
 最もよく知られ、
 最も人気が高い『甲巻』を
 どう“見せる“か――

 東京国立博物館ことトーハクの
 学芸員さんたちは考えました。
 考えた末、採用された方法とは……!

「うごくゥのでス!」
「ぐる!」(←訳:床が!)
 
  

 展示室の床を、
 《動く歩道》に大改装!

 鑑賞者さんは、
 さながらベルトコンベアーの上の荷物のごとく、
 《動く歩道》の上を
 ツツツ~っと運ばれながら
 絵巻物の始めから終わりまでを
 眺めてゆくことになる、んですって。

「むむゥ! なるほどォ!」
「がるぐるがる!」(←訳:奇策かつ妙案!)

 願わくば、立ち止まって
 じっくり見入ってみたい……んですけれど、
 展示室内に密を作らないためには、
 それは許されないのね(涙)。

「そこはァ、がまんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:感謝の心で!)

 そうですね、
 コロナ禍の只中、
 展覧会を開催してくださるだけでも
 大々感謝です♪
 
 気になる事前予約制チケット(日時指定券)の予約は、
 3月に入ってから、とのことです。
 アート好きな方々は、
 展覧会公式サイトを
 まめにチェックしてくださいね~!

 
 



    では、ここで美味しいオマケ画像も!
   
    ど~んと御紹介しちゃいますのは、
   『不二家』さんの
   《LOOK薫る柚子》
   《LOOK薫るラムレーズン》
   《LOOKピスタチオ》!
   最新作は《ピスタチオ》ですが、
   食べ比べてみますと……?
   「ふァいッ!これッ!」
   「がるぐる!」(←訳:これだね!)
   
   私たちのお気に入りは、
   《ラムレーズン》!なのでした。

   寒暖差疲労が増す一方の晩冬です。
   皆さま、身体を冷やさないようにして、
   どうか穏やかな休日を♫



   
   
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~ 科学で、道を切り拓く! ~

2021-02-26 23:31:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こころはァ、ろんどんッ!」
「がるる!ぐーるーるがる!」(←訳:虎です!ベーカー街です!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 2月最後の週末となる本日の読書タイムは、
 我らが愛するあの探偵さんに
 どーん!と登場していただきましょう♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
   ―― 科学探偵シャーロック・ホームズ ――



 著者はJ・オブライエンさん、
 原著は2013年に、
 画像の日本語版は2021年1月に発行されました。
 英語原題は『The Scientific Sherlock Holmes』、
 《世界でいちばん有名な探偵》さんの
 捜査方法に迫る評論作品です。

「かがくでェ、おいつめるゥ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:犯人を特定する!)

 現代ではごく当たり前な、
 科学的物証から
 犯罪事件の犯人を割り出す、という捜査方法は、
 19世紀後半から
 一気に加速してゆきました。

 その渦の中心にいた一人が、
 探偵ホームズさんの生みの親である
 アーサー・コナン・ドイルさんであった――
 と言ったら、怒られるでしょうか。

「かがくのォ、じだいィ!」
「がるるぐる!」(←訳:発見の時代!)

 産業革命の時代でもあった19世紀は、
 科学技術の時代でもありました。

 また、コナン・ドイルさん自身も、
 文学者でありながら
 ドクターの資格を有する
 “理系のひと“でしたから、
 作品の中に科学知識が反映されるのは
 ごく自然なことだったのかもしれません。

 御本の本文は、

 第1章『ホームズはどのようにして創られたか』
 第2章『おもな登場人物たち』
 第3章『科学捜査のパイオニアとしてのホームズ』
 第4章『化学とホームズ』
 第5章『その他の科学とホームズ』

 の5章で構成されていますが、
 まさに白眉!
 と拍手したくなるのは、
 第3章ですね。

「さいせんたんッ、でしたでス!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:科学捜査の夜明けだ!)

 身体の特徴を明確に記録して、
 “罪人のデータベース“を作る。
 指紋を見分ける。
 足跡を分析する。
 筆跡を鑑定する。
 タイプライターなどで作成された文書を調査する。
 暗号を読み解く。
 犬を捜査に利用する。

 ↑これらすべて、
 19世紀のフランスや英国で始まった捜査法でした。

「きほんはァ、いまもォおなじィ~?」
「がるっるるるる!」(←訳:変わってないね!)

 もうひとつ、
 ホームズさんの物語を研究する方々に
 何としても読み逃してほしくないのは、
 『化学とホームズ』の章の
 《宝石》(199ページ)。

 有名な短編作品
 『青いガーネット』の原題は
 『青いカーバンクル』。

 いやいや、
 青いカーバンクルなんてモノは
 存在しない、有り得ない!
 と反論の火の手を上げたのは
 SF作家アイザック・アシモフさん。

 確かに、
 科学的には青いカーバンクルは無い……
 のだけれども?
 
 実は……!

「ふァいッ! そこまでェでス!」
「ぐるるるがる~!」(←訳:ネタバレ禁止~!)

 現代へと続く、
 科学捜査の道。

 19世紀の学者さんが、
 都市の捜査官さんたちが、
 そしてホームズさん(ドイルさん)が
 少しずつ切り拓いていった《科学》の力を
 丁寧に記録したこの御本、
 ホームズさんのファン諸氏に、
 近代史好きな方々にも
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね♪

 
 

 
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~ いま、離陸の夢を ~

2021-02-25 23:43:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァ? きいろいィ~ぺんぎんッ??」
「がるる!ぐるがるぅ!」(←訳:虎です!驚きですぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 《南極で黄色いペンギン発見!》という報告が
 ナショナルジオグラフィックのサイトで発表されました。
 変わった色合いの個体はとても珍しい、んですって。
 本日の読書タイムも、
 うわあ、びっくり!な一冊を御紹介しますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  


 
    ―― 世界の絶景空港撮りある記 ――


 
 著者はチャーリィ古圧(ふるしょう)さん、
 2020年12月に発行されました。
 『ギネス認定カメラマンが各国を歩いた、撮った!』
 と副題が付されています。

「ぎねすゥ?」
「ぐるるがるぐるるっ?」(←訳:どんな記録ですかっ?)

 著者・古庄さんは
 《世界で最も多くの航空会社に搭乗した》記録の
 保持者さんなのだそうよ。

 というのも、
 古庄さんは国内外の航空会社に勤務した後、
 2001年に写真家として独立、
 航空会社や空港と契約して
 広報宣伝写真などを撮影する
 旅客機専門の航空写真家さんなんです。

 訪問した国や地域は100を超え、
 降り立った空港は500ヶ所以上……って、
 超人的な数字ですね。

「ふゥ! たびのォ、ぷろふぇッしょなるゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:空港の達人だ!)

 世界中で旅行が禁止された2020年、
 古庄さんもまた、
 空港を訪ね歩くこと、
 旅客機撮影をすることが出来ませんでした。

  ならば、旅の代わりに!
  誰も見たことや撮影したことのないような
  魅力的な写真を紹介したい!

 という訳で、
 刊行されたこの御本ですが……

「ひやあせェ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:背筋がゾクリ!)

 航空機って
 こんなに低空を飛んじゃうの?
 曲芸じゃないんだから!

 と心配になってしまう写真の数々は、
 怖さを通り越して
 笑うしかありません。

 ギリシャのスキアトス空港。
 
 ポルトガルの、マデイラ空港。

 カリブ海に浮かぶ
 オランダ領シント・マールテンの
 プリンセス・ジュリアナ空港。

 テムズ川の中州にある
 ロンドン・シティ空港。

 そして、
 空港ではないんですけれど、
 《旅客機の墓場》と呼ばれる
 米国のモハビ空港、ビクタービル空港、
 サンバナディーノ空港……。

「こんなァところォがァ?」
「がるるる!」(←訳:あるんだ!)

 空気が乾燥していて、
 カビが生えたりせず、
 機体へのダメージが最小限に抑えられる――
 それが、砂漠の空港に旅客機を置く利点です。

 墓場と仇名されてはいても、
 終点ではありません。
 航空機たちはここから
 第二の人生へと向かうのでした。

 新たな塗装を施され
 またも旅客機となるもの。

 貨物機になるもの。

 売れそうな部品をはぎ取られ、
 輪切りにされて
 最後はアルミ缶などに
 生まれ変わるもの……。

「あるみかんッ!」
「ぐるがる!」(←訳:身近だね!)

 自由に旅ができたなら、
 私たちを遠くへ、
 海の彼方へと
 運んでくれる航空機たち。
 航空機を受け止めてくれる
 空港たち。

 旅好きな方々は
 うるうるっと来てしまうかもしれない
 旅客機たちの雄姿を、
 ぜひ、御覧になってみてくださいね♫
 

  
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~ 上がる幕、閉じる幕 ~

2021-02-24 23:30:22 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あはッ! めをォさましたのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐるる~!」(←訳:虎です!水仙の芽が出たよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 風はまだ冷たくとも、
 春の足音が着実に聞こえてきましたね。
 これで花粉さえなかったら……と、
 溜め息したりしつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、華麗にして豪快!なこちらの快作を、どうぞ~♪

  



       ―― 化け者心中 ――



 著者は蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん、
 2020年10月に発行されました。
 小説野生時代新人賞を受賞し、
 各メディアの書評でも絶賛されている
 異色のミステリ作品です。

「むかァ~しィ、むかしィ!」
「ぐるるるる!」(←訳:お江戸の昔!)

 それは、芝居か、マジックか。

 いえ、マジックという言葉は
 文政年間の江戸にはありませんね。
 手妻(てづま)、でしょうかしら。

 その場に居たのは、
 6人の役者さんたち。

 次に上演されるお芝居の、
 前読みのために集まった彼らを照らす
 蝋燭の灯りが、
 ふっと揺らいだかと思うと。

 ごろり。

 6人の中央に、
 生首が転がった!

「ひええええェッ!」
「がるる!」(←訳:うわあ!)

 次の瞬間、
 照明がすべて消え、
 あたりは暗闇に。

 やがて再び灯りが点いたとき、
 室内の者は凍りつきました。

 生首が、ない。

 生首が転がっていた痕跡はあるのに、
 どこにも、首はない。

 それなのに、
 6人の役者さんは……
 1人も欠けず、揃っている。

「ふァ?」
「ぐるぅ?」

 生首があって、
 つまり誰かが亡くなったのなら、
 役者さんは5人に減っている筈だけれど、
 なぜ。

 なぜ、減っていない?
 なぜ、6人のままなのか?

「えッとォ、それはァ~…」
「がるるるるる!」(←訳:有り得ないよ!)

 これは鬼のしわざだ、と言うのは、
 芝居小屋の座元さんです。
 
 鬼が、役者のひとりを食べたのだ!
 そうして、
 その役者になりすまし、
 今も素知らぬ顔でいる……!

「おにィ??」
「ぐる?」(←訳:鬼が?)

 毒には毒を。
 闇に満ちた《謎》を解くには、
 その身に闇を背負った人間を。

 座元さんが呼び寄せたのは、
 大阪生まれの元女形、
 田村魚之助(たむら・ととのすけ)さん。

 当代一の女形と、
 大評判をとった人気役者さんでしたが、
 3年前、ひいきの客に足を切られ、
 舞台に立つことは叶わなくなった魚之助さんなら、
 芝居小屋の表も裏も、
 役者さんたちの暗い腹の内側も、
 よぅく解っておりましょうから。

「……なんだかァ、あやしいィ!」
「がるぐるがるるる!」(←訳:誰も彼も怪しそう!)

 魚之助さんの相棒役を務めまするのは、
 心優しい鳥屋(とりや)の
 藤九郎(ふじくろう)さん。

 ふたりは果たして、
 鬼を探し当てることが
 出来るのか……?

「むずかしィでス!」
「ぐるるるるるるる!」(←訳:見分けられないよ!)

 魚之助さんの上方言葉、
 藤九郎さんたちの江戸言葉、
 どちらもすばらしくて、

 ああ、この物語を講談で、
 神田白山さんに演ってほしい!

 なんて妄想しちゃったりする謎解き奇譚は、
 ミステリ好きさんにも
 時代小説好きさんにも
 激おすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

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~ 続・覇気と元気の《前日譚》 ~

2021-02-23 23:32:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こころからァ~はくしゅゥ!」
「がるる!ぐーるるる!」(←訳:虎です!マーベラス!)

 こんにちは、ネーさです。
 祝日の朝も、ええ、モルカーたちはやってくれました!
 超能密度アクション大作に眠気も吹き飛びましたよ。
 脚本・監督を務める
 見里朝希(みさと・あさき)さんに
 全身全霊で拍手を送ったあとは、
 さあ、気持ちを切り替えて読書タイムです。
 本日も、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  



    ―― 中禅寺先生 物怪講義録 02 ――



 企画・原案は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、
 漫画は志水アキさん、
 2020年8月に発行されました。
 『The Mononoke Journal by Chuzenji-sensei』と英語題名が、
 『先生が謎を解いてしまうから。』と
 日本語副題が付されています。

 前回記事では、
 物語の骨格となる
 《探偵》+《相棒》にあたる人物たちについて
 お喋りいたしました。

 探偵役は、もちろん――

「きょうごくどうゥさんッ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:中禅寺先生~!)

 今回は、物語の細部を
 もうちょっと詳しく御紹介いたしましょう。

 時代は、戦後まだ間もない昭和23年。
 《京極堂》こと
 中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ・あきひこ)さんが
 古書店主になるより前に
 していたお仕事は……
 高校の臨時講師さん。

「にあッてるゥ~ようなァ?」
「がるっるぐるるるる?」(←訳:似合ってないような?)

 場所が高校だから、でしょうか。

 2年生の日下部栞奈(くさかべ・かんな)さんが、
 先生たすけて!
 とばかり持ち込んでくるのは、
 《学校の怪談》的な謎、なんですね。

「うごきだすゥ、どうぞうッ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:一段多い階段!)
「としょしつのォ、ゆうれいィ!」

 冗談でしょ、と
 笑ってしまうような《謎》も、
 中善寺先生はきっちり解き明かしてゆきます。

 図書室の幽霊も、
 開かずのトイレ騒動も、
 ちゃあんと”理由“がありました。

 しかし、
 『01』から『02』にかけて展開する
 青マント事件は……?

「がッこうゥのかいだんッ、じゃないィのでス!」
「がるぐる~?」(←訳:都市伝説~?)

 噂では、
 青マントの怪人を目撃した者には
 不幸が降りかかる、とか。

   その青マント、
   あたし見ちゃったかも!

 と動揺する栞奈さんに請われ、
 渋々ながら
 謎の解明に乗り出す中善寺先生ですが。

 江戸川乱歩さんの名作を想わせる
 “怪人”との対決は、
 はたして……?

「うむむむッ! このォおはなしィはァ~」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:小説にして欲しい!)

 『02』の後半からは、
 ドッペルゲンガーをテーマにした事件が
 幕を開けます。
 
 自分と瓜二つの、
 “見てはいけない“
 ”会ってはいけない“存在にひそむ物語とは?

「せんせいィ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:早く謎解きを!)

 中善寺先生の教師っぷりに
 ついニヤリとしてしまう
 オリジナルスピンオフ作品は、
 《京極堂》ファン諸氏におすすめですよ。
 『01』&『02』併せて
 手に取ってみてくださいね~♫
 
 
 
 
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~ 覇気と元気の《前日譚》 ~

2021-02-22 23:38:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 そうしゅうへんッがァ、くるゥ~!」
「がるる!ぐっる~!」(←訳:虎です!ノッブ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日2月23日、
 NHK総合で『麒麟がくる』総集編が放送されますよ。
 予約録画の操作を終えたら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 中禅寺先生 物怪講義録 01 ――



 企画・原案は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、
 漫画は志水アキさん、
 『The Mononoke Journal by Chuzennji-sensei』と英語題名が、
 『先生が謎を解いてしまうから。』と
 日本語副題が付されています。

「ひゃわわゥ! めェがァこわいィのでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:これはまさしく!)

 古書店主さんにして陰陽師、
 憑きものも祓えば
 難事件も解明してしまう
 博覧強記の探偵《京極堂》こと
 中禅寺明彦さん。

 ミステリ好きな活字マニアさんにはお馴染みの
 《京極堂》シリーズが
 コミック版も刊行されていることは
 知っていましたが……

 あらま!
 シリーズ第一作『姑獲鳥の夏』よりも
 前の時代を描いている
 オリジナルスピンオフですって?

「しらなかッたでスよゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:前日譚なんだ!)

 それは、中禅寺さんが
 《京極堂》を名乗る以前の、
 昭和23年のこと。

 第二次世界大戦が終わって3年、
 東京に、いえ、
 日本中のあちこちに、
 いまだ戦争の傷跡は残っていますが。

 少しずつではあれ
 ”平常”を取り戻してゆくもののひとつに、
 教育がありました。

 旧制から新制へと
 学校制度が変わり、
 教科の項目から
 軍事教練は無くなり、
 英語を学んでも敵視されず、
 音楽も絵画も堂々と出来る、
 探偵小説だって読める!

「ほッ♪」
「ぐるぅ~♫」

 そんな学校生活を謳歌しているのが、
 都立美戸川高校2年生の
 日下部栞奈(くさかべ・かんな)さんです。

 好奇心旺盛な栞奈さん、
 非常にしばしば
 奇妙な出来事に遭遇いたします。

 困り果て、
 アタフタする栞奈さんが
 いつも駆け込む場所は、
 図書準備室。

 そこには、
 愛想は悪くとも、
 目付きは険しくとも、
 と~っても頼りになる
 臨時講師さんが居るんです。

「うむッ! しょもつゥ、あるところォ~」
「がるるるぐる!」(←訳:あのひと在り!)

 国語の臨時講師、
 中禅寺先生に訊ねれば、
 謎はたちまち霧散……するかも?

「そこはァ、せんせいィのォ~」
「ぐるるがる!」(←訳:ご機嫌次第!)

 行動力の栞奈さん、
 知力の中禅寺先生。

 ふたりが解き明かしてゆく
 謎の連鎖は、
 《京極堂》ファンの方々に
 おすすめですよ。

 いつの日か、
 《京極堂》シリーズの小説新作が
 世に出ることを願いつつ、
 ミステリ好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、一読を♪
 
 
 
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~ 名建築の、朝の美味 ~

2021-02-21 23:34:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きぶんはァ、おはなみィ~♪」
「がるる!ぐるがるるぅる!」(←訳:虎です!桜が咲いちゃう!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日はダウンジャケットもコートも不要!
 ぽかぽかと春めいた日曜日のしめくくりは、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  


 
      ―― たべるたのしみ ――



 著者は甲斐みのりさん、2020年9月に発行されました。
 先日は、甲斐さんの作品を原作とする
 『名建築で昼食を オフィシャルブック』を
 御紹介いたしましたが、
 こちらはエッセイ集ですね。

「おいしいィおはなしィ!」
「.ぐるるるがる!」(←訳:54篇を収録!)

 冒頭の『はじめに』で
 甲斐さんは述べています。

  《私にとって食べることは、
   生きることだ》

 若き日の、
 一心不乱に働き、
 かつ貪欲においしいものを求めて
 食事をしていた自分。

 それが現在、
 朝食・昼食・夕食・おやつの時間を軸に
 一日の予定を組み、
 全体のバランス・素材・量を
 考えるようになってから、
 心の靄(もや)が晴れ、
 記憶の純度が高くなり、
 穏やかに日々を過ごせるようになった――と。

「わわゥ! それはァ~すごいィでス!」
「がるるる!」(←訳:記憶力が!)

 幼い頃の思い出の箱を
 覗き込むかのような
 《おやつの記憶》。

 美味しいものに出会う喜びがあふれる
 《たべるたのしみ》。

 “土地の恵み”を堪能する
 《おいしい予感》。

 東京の“食”を書き留める
 《旅のかけら》。

 人と人とを結ぶ
 《甘い架け橋》。

 と、5つに分けられた“たべるたのしみ”の中で、
 私ネーさがイチ推ししたいのは、
 本文118ページの、

 『ホテルオークラ東京で朝食を』。

「おでかけェでスねッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ホテルでお食事!)

 欧州の古都と違って、
 東京の街並みがくるくる変わるのは
 よくあること。

 ですが、
 ホテルオークラ東京の
 本館建て替えが決まったと聞いて、
 甲斐さんは喪失感に襲われたのでした。

 創業したのは1962年、
 建築家・谷口吉郎(たにぐち・よしろう)さんを中心に、
 当時最高の建築・工芸技術を集結し、
 作り上げられた名建築が
 失くなってしまう……

 オークラ名物の、
 切子玉型の照明『オークラ・ランターン』とも、
 もうお別れなのか……

 そして、もうひとつのオークラ名物、
 メインダイニング・オーキッドルームでいただく
 フレンチトーストも……。

「しかたないィ、のかなァ~…」
「がるるる~…」(←訳:寂しいね~…)

 年ごと、月ごと、日ごとに、
 変わってゆく東京の街。

 《食》を足掛かりに、
 記憶の中の味を、
 東京の街々を、
 日本の各地を、
 人びとを、
 優しく描き出すエッセイ集は、
 建築好きさんにも
 食いしん坊さんにもおすすめです。
 ぜひ一読してみてくださいね♪
 
 

 
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~ お城、拝見! ~

2021-02-20 23:32:17 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わァおゥ! おめでとうゥございまスゥ~!」
「がるる!ぐっるぅ!」(←訳:虎です!やったぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 大坂なおみさんが2度目の全豪制覇!
 準優勝のブレイディーさんにも
 盛大な拍手を!
 今後の会見やフォトセッションを
 楽しみにしながら(あるのかな?)、
 さあ、週末の読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 世界の美しい お城と宮殿 ――



 ワン・パブリッシング社より、
 2020年12月に発行されました。
 『The World Beautiful Castles and Palaces』と
 英語題名が付されています。

「てんしゅゥかくッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:物見やぐら!)
「いしがきィ!」

 天守に物見櫓に石垣……というのは
 日本のお城では定番ですが、
 この御本で紹介されているのは、

 Ⅰ【北ヨーロッパ】
 Ⅱ【西ヨーロッパ】
 Ⅲ【東ヨーロッパ】
 Ⅳ【南ヨーロッパ】
 Ⅴ【アジア】

 と、5つのエリアごとに分けられた
 70の名城と名宮殿です。

 ヨーロッパのお城に
 石垣や物見櫓は……
 あら? ないこともない、わね?

「きほんはァ、いしづくりィ!」
「がるぐっるる!」(←訳:塔もいっぱい!)

 北ヨーロッパ編に登場するのは、
 英国やアイルランド、
 デンマークのお城たち。

 これはもう、『マクベス』の世界でしょう。
 どこか荒涼とした周囲の自然も、
 シェイクスピアさんっぽいわ♪

 対照的に華やかなのは、
 西ヨーロッパ編の、フランス……
 ヴェルサイユ宮殿や
 フォンテーヌブロー宮殿の写真から
 脳裏に浮かんでくるのは、
 漫画『ベルサイユのばら』、
 デュマさんの『三銃士』!

「かわりだねもォ、ありまスゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:古そうで新しい!)

 19世紀、
 バイエルン(現在のドイツ南部)王国を中心に
 なぜか城郭建築ブームが?

 バイエルン王ルードヴィヒ2世が造った
 ノイシュヴァンシュタイン城(64~67ページ)は
 とても有名ですけれど、
 ドイツ南西部の町リヒテンシュタインにも
 一風変わったお城があるんですよ。

 リヒテンシュタイン城は、
 1802年に廃城となり、
 狩猟用の館が建てられるも、
 その後、
 ヴュルテンブルク大公
 ヴィルヘルム・フォン・ウラッハさんが
 改めてお城を建築。

 それが、御本の表紙にもなっていますね、
 崖の上にそびえる
 ネオ・ゴシック様式のリヒテンシュタイン城です。

「ふうゥ! おしろォづくりィはァ~」
「がるるる?」(←訳:万人の夢?)

 他にも、
 東ヨーロッパでは
 ドラキュラ城のモデルとされる
 ルーマニアのブラン城(94ページ)、
 南ヨーロッパでは
 イスラム建築の最高峰と讃えられる
 アルハンブラ宮殿(108ページ)など、
 “絵になる“お城たちが
 取り上げられています。

 120ページには
 日本のお城もピックアップされていますが、
 さて、それがどのお城なのかは、
 読んでのお楽しみ、ということで。

「うふふッ♪」
「ぐるるっ♫」

 歴史好きさんに、
 歴史小説好きな活字マニアさんに、
 おすすめのビジュアルブックです。
 書店さんのアート本コーナーで
 探してみてくださいね~♪
 

 

    では、ここで週末のオマケ画像も!
   
    カルディコーヒーファームさんで見つけたのは、
    イタリア『ザイ―ニ社』さんのチョコラート
    《クレミーノ》!
    「くりィ~みィ!」
    「がっるるぐるる!」(←訳:ナッツの味わい!)
    美味しいおやつにホッとしつつ、
    皆さま、どうか穏やかな休日を。
  
    
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~《美味しさ》の源流へ ~

2021-02-19 23:40:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なおみィおねえさんッ、つよいィ~でス!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!剛返球~!)

 こんにちは、ネーさです。
 大坂なおみさん、全豪オープンテニスの決勝へ!
 リターンエースに強烈なバックハンド!
 そして、ラリーの後でも
 呼吸がまったく乱れていない……!
 日本時間20日17時30分からの決勝戦を待ちながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 阿闍梨さまの料理番 ――



 著者は鳥居本幸代(とりいもと・ゆきよ)さん、
 2020年12月に発行されました。
 『もっと知りたい精進料理』と
 副題が付されています。

「やさいのォ、おりょうりィ!」
「ぐるがる!」(←訳:お肉なし!)

 そうですね、

 《精進料理(しょうじんりょうり)》のイメージは?

 と訊かれたら、
 私ネーさが思い浮かべるのは、
 お野菜を主材として
 お肉やお魚は使わない料理で……
 というところなんですけど。

 この御本では、
 ”もっと、その先“へ踏み込みますよ。

「るゥーつゥ!」
「がる!」(←訳:歴史!)

 本文では、

 Ⅰ『お米に感謝する』
 Ⅱ『音まで味わう多彩な麺類』
 Ⅲ『野菜の旨味を知る』
 Ⅳ『根菜の恩恵にあずかる』
 Ⅴ『不可欠な大豆の滋養』
 Ⅵ『先人の知恵、保存食品』
 Ⅶ『精進料理の大革命』

 と7つのパートに分けて、
 精進料理で使われる食材や、
 調理の方法、
 精進料理発展の歴史などが
 紹介・解説されています。

「おやくそくもォ、あるのでスゥ!」
「ぐるるがーる!」(←訳:守ろうルール!)

 66ページの『使ってはならない野菜』からは、
 精進料理の基本原則が読み取れます。

 鳥獣魚貝の類は、食材としてNO。

 では、穀類・豆類・海藻類・野菜類だったら
 何でもいいか、というと、
 やっぱり部分的にはNOなものもあって。

 ニンニク、ラッキョウ、
 ネギ、ニラ、ヒル(野蒜=和名ではノビル)が
 ダメ!というのは有名ですけれど、
 現在ではさらに、
 タマネギ、アサツキ、エシャロットなども
 精進料理では、使用不可。

「でもォ、きびしいィだけじゃないィのでス!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ユルさもあるんだ!)

 お寺でのお食事は、
 修行の一環でもあります。

 なので、
 静かにいただくのが
 マナーとされていますが。

 これは別!っていうのも、あるんですねえ。

「おそばッ!」
「ぐるるる!」(←訳:うどんも!)

 そう、麺類は例外です。

 ズズ~っと
 音を立てて麺を食べるのは、
 問題なし、なんですって。

 41ページの
 『全国各地に名物の蕎麦あり』では、
 おそばに関するエピソードが
 語られています。

「れきしをォ、ふまえつつゥ~」
「がるぐっるるーる!」(←訳:常にアップデート!)

 さまざまな調理方法、
 大根(原産地は地中海から中東)、
 薩摩芋(原産地はメキシコを中心とする熱帯アメリカ)、
 といった具合に、
 海外からの食材も取り込みながら
 現代へとつながる
 《精進料理》の世界。

 レシピも掲載されていますので、
 お料理好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 歴史好きな方々にも
 おすすめ!ですよ~♪


 
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