テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 月が綺麗は、何処から? =

2024-05-12 22:03:26 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむむゥ! みてみたいィ~ッ!」

「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!北の空の極光~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 8日以降に発生した太陽フレアの影響で、

 日本の空にも低緯度オーロラが……!

 ここ関東圏でも観測できぬものかと夜空を見上げながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 中野のお父さんと五つの謎 ――

 

 

 著者は北村薫(きたむら・かおる)さん、

 2024年2月に発行されました。

 《中野のお父さん》シリーズ第4作です。

 

「おとうさァ~んッ!」

「ぐるるるるるがるる!」(←訳:お久しぶりの怪講釈!)

 

 田川美希(たがわ・みき)さんは、

 大学時代、バスケットボールに青春を捧げたのち、

 文宝(ぶんぽう)出版に就職、

 現在は雑誌『小説文宝』編集部に勤務する

 体育系編集者さんです。

 

 毎月の締め切りに合わせ、

 会社と作家さんのもとを忙しく往復して、

 編集作業をして……という日々は、

 新型肺炎の流行によって

 変更を余儀なくされました。

 

 打ち合わせは、リモート。

 必要が無ければ、出社せずとも可。

 作家の先生たちと直接会うこともなくなり、

 ソフトボールも自粛中。

 

「ええッ! そふとぼォーるもッ?」

「がるるぅ!」(←訳:そんなぁ!)

 

 ええ、作家先生と出版社員さんたちが、

 カキーン(打った)!

 ビュオン(投げた)!

 と懇親を深めるソフトボール大会は、

 残念ながら、無期限休戦になっています。

 

 そのせいでしょうか、

 同僚の結婚式に招かれて、

 作家の先生や他社の編集者さんと久々に会ったりすると、

 もう話がはずんではずんで。

 

「やぱりィ、たいせつゥなのでス!」

「ぐるがるるるぐる!」(←訳:顔を合わせて対話!)

 

 メールやリモートの、

 堅苦しく、ぎこちないやりとりで

 どこか疎遠になりかけていても、

 会って言葉を交わせば、戻ってきます。

 以前の活気が。

 笑いや、話す喜びも。

 

 そして、おめでたい結婚式の直後であったためか、

 話題にのぼって盛り上がったのが、

 

 《 I LOVE YOU 》

 

 この文章を、どう日本語に訳すか。

 

「ふゥ~むゥ……」

「がるぐるる……」(←訳:難問だねえ……)

 

 夏目漱石さんは《 I LOVE YOU 》を

 『月が綺麗ですね』

 と訳した、というのは

 出版界ではよく知られる伝説です。

 

 直訳すれば味も素っ気もなくなってしまう《 I LOVE YOU 》を、

 なるほど、漱石さんはそう訳するのかと、

 感心したくなりますが。

 

 この『 I LOVE YOU =月が綺麗ですね』伝説に

 きちんとした根拠はあるのか?

 ホントにタダの伝説で、

 根拠ゼロのフィクションなのか?

 漱石さんの訳文ではないとしたら、

 言い出したのは、いったい誰?

 

 美希さんの疑問に答えを出してくれるのは、

 いつものように。

 

「おとうさァんッ!」

「ぐるがるぅ!」(←訳:出番ですぅ!)

 

 中野に住む美希さんのおとうさんは、

 もとは高校の国語教師さんであった

 文学マニア氏。

 

 お父さんが提出する

 《 I LOVE YOU 》の想いとは、

 『月が綺麗ですね』に籠められた心とは……?

 

「しぶいィでスゥ、おとうさんッ!」

「がるるるるぐっるるる!」(←訳:美希さんもカッコイイ!)

 

 文芸の海に浮かぶ

 5つの謎の島を

 ひょいひょいっと遊び渡ってゆくような、

 連作短編5篇から成るシリーズ最新作は、

 文学ミステリ好きな活字マニアさんに

 激おすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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