テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ありえないけど、いや、ありえる! ~

2023-01-22 21:40:48 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こッ、これはァ~…おおものッ!」

「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!飛びきりの大物~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい! 本日の読書タイムは、

 とびっきり楽しい大物さんをご紹介いたしますよ。

 さあ、読書アンテナの感度をMAXにして、

 こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― 神作家 紫式部のありえない日々 1 ――

 

 

 著者はD・キッサンさん、2022年5月に発行されました。

 題名を一読した時点で、はあ?と

 ドン引きする活字マニアさんもおられましょうが、

 いえいえ、慌ててはいけません。

 これはまさに”目から鱗が落ちる“快作ですよ。

 

「こみかるゥだけどォ~」

「ぐるるるがるぐぅるる!」(←訳:コミカルだけじゃない!)

 

 主人公は、はい、もちろん、

 私たちが《紫式部》として知っている

 あの女性――

 

 いや、それとも。

 私たち日本人が日本史や古典の授業で教わった

 《紫式部》さんとは別人なのでしょうか。

 

   結婚してわずか2年で

   愛する夫はこの世を去ってしまい、

   涙に暮れつつも

   ひとり娘を育てている《彼女》の趣味は

   物語を書くこと。

 

 ↑これをイマ風に言い換えますと、

 34歳、未亡人のシングルマザー、

 趣味、いえ、生き甲斐は、同人活動。

 

「どうじんッかつどうゥ……!」

「がるるるぐるるる……!」(←訳:同人誌の作家さん……!)

 

 夫を喪った悲痛から《彼女》が立ち直れそうなのは、

 同人活動に打ち込んだことの成果でした。

 物語を読むのは楽しい!

 物語を書くのも楽しかった!

 どんな装丁にしようかと紙を選んで、

 冊子に仕立てて、

 それを読んだ友人たちから誉めてもらって。

 ああ、楽しい!

 

 ……ところが、そこに。

 

「おてがみィでスよゥ~」

「ぐるがるる!」(←訳:宮中からの!)

 

 彼女が作った同人誌、

 その名も――

 

 『源氏物語』。

 

 いつのまにやら宮中で評判になり、

 その評判が左大臣・藤原道長さんを動かしたのでした。

 同人誌『源氏物語』の作者を、宮中に!

 彼女を中宮・彰子(しょうし)さまの

 家庭教師に!

 

「ほわわわァ~…」

「がるぐるぅ!」(←訳:呆然自失ぅ!)

 

 自宅でひっそり同人活動をしてゆくつもりだった《彼女》は、

 さて、どうする?

 権力者・道長さんの命令は断れない。

 もしも断ったら、父や弟の将来が……!

 

 それに、宮中には同人活動をするために必要な

 ”紙”がある……!

 

「そこッ、だいじィでス!」

「ぐるがるるぐるる!」(←訳:紙は貴重品なんだ!)

 

 かくして、宮仕えをすることになった彼女は、

 名前をいただきました。

 

 藤式部(とうしきぶ)。

 

「むむむむッ!」

「がるぅ!」(←訳:来たぁ!)

 

 藤式部となった《彼女》は向かいます。

 宮中という、とんでもなく複雑怪奇な魔窟へ……

 

 いや~とにかくもう、

 式部さんを同人作家さんに見立てたこと、

 『源氏物語』を同人誌になぞらえたことが

 圧倒的に素晴らしい!

 そして、物語を創作することの喜びと涙、

 同人活動の哲学、心意気をも語り、

 日々実践する式部さん……!

 

「おうえんしまァ~ス!」

「ぐるるるがぅるっ!」(←訳:式部さんファイっ!)

 

 古典の世界がぐぐ~っと近くなる、

 まことに稀有なコミック作品は、

 いま学校の授業で勉強中の学生さんに

 激おすすめですよ。

 もちろん、全活字マニアさんも、

 ぜひぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 (2巻が既に刊行されていますので、

  近日中にご紹介する予定です。

  おたのしみに~)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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