テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《学問》の森を、ひとすじに  ~

2023-01-20 21:45:46 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はなやさんでェ、はッけんッしたのでスゥ!」

「がるる!ぐるがるるるる~♪」(←訳:虎です!春の使者さんだ~♪)

 

 こんにちは、ネーさです。

 お花屋さんで発見したのは、

 ネコヤナギ……!

 可愛らしい春の使者さんにうっとりしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 歴史学者という病 ――

 

 

 著者は本郷和人(ほんごう・かずと)さん、

 2022年8月に発行されました。

 

 東京大学史料編纂所教授の任に在る本郷さん、

 専門としているのが

 承久の乱(1221年)~鎌倉幕府滅亡(1333年)なので

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代とカブることもあり、

 関連する歴史系TV番組に引っ張りだこ状態でしたね。

 

「べんきょうゥにィ~なッたのでス!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:激動の鎌倉時代!)

 

 この御本は、

 鎌倉時代を読み解く本郷さんの著書『承久の乱』や

 『北条氏の時代』他とは異なり、

 本郷さんの半生と、

 歴史学への提言が中心になっています。

 いわば、“歴史エッセイ”的な作品、でしょうか。

 

「がくしゃさんのォ、せかいィ……!」

「がっるるぐるる!」(←訳:ビックリだらけ!)

 

 喘息を病み、孤独と向き合った少年の頃――

 本郷さんは思いました。

 

 医者になろう。

 自分のように喘息に苦しむ人を救いたい。

 

 けれど……フナの解剖実験が本郷少年を挫折させます。

 メスを握って解剖なんて、とても出来ない。

 医者になったら、人体を解剖?

 絶対に無理だ……!

 

「うんうんッ!」

「ぐるるるがるぐるぅ!」(←訳:ボクらも無理だよぅ!)

 

 医者への道を諦めた本郷さんを支えたのは、

 読書で知った歴史の魅力でした。

 が、受験勉強を戦い抜き、

 ついに合格した東京大学で

 本郷さんを待っていたのは

 新たな衝撃……!

 

 “物語としての歴史”と

 “学問としての歴史”、

 このふたつは、まったく別のもの……??

 

 歴史読本や歴史小説が大好きな本郷さんを

 打ちのめす現実です。

 

「はわわァ~…」

「がるるぐる~…」(←訳:つらいよう~…)

 

 高名な教授さんたちの授業に出席しても、

 なんだかしっくりしない……のめり込めない……

 

 いや待て。

 物語としての歴史に拘泥することはしまい。

 前を向こう。

 学問をやろう。

 講義をたくさん受けてみよう。

 見えない世界を見に行こう。

 

「そしたらァ、ようやくゥ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:巡りあえた~!)

 

 心から尊敬できる先生に巡り会えて、

 本郷さんの学究生活は安心安泰……とは成りません。

 

 歴史学の世界に幅を利かせる

 いくつもの権威、史観。

 “歴史で食ってゆく“ことの葛藤と決意。

 

「そうぞういじょうにィ、たいへんッ!」

「がるるぐるるる~!」(←訳:迷子になりそう~!)

 

 ヒトと、

 ヒトが積み上げてゆく歴史というもの。

 

 本郷さんの『半生記(反省記)』は

 歴史学好きな御方に、

 物語としての歴史も愛する活字マニアさんにも

 おすすめのノンフィクション作品です。

 歴史学の未来を知るためにも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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