「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

平均寿命世界一 “寝たきり期間”も世界一 

2017-07-29 05:55:57 | 2012・1・1
日本人の最新(2016年)の平均寿命が厚労省から発表になった。男性が80.98歳、女性が87.14歳と最高齢で香港に次いで世界二だというが、香港は中国の特別行政区であり、事実上は世界一の長寿国である。同胞としてご同慶の至りである。しかし、手放しで喜んでよいのか。

平均寿命とは別に健康寿命という言葉を最近よく耳にする。WHO(世界保健機関)が2002年に提唱したもので”人間が自立して生活できる”年齢で、日本では、だいたい介護保険による要介護2以上をメドにしている。特別養護老人ホームの入居条件が要介護2以上であるから、誤解を呼ぶ言い方だが、”寝たきり老人”は健康寿命の範疇には入らない。少し古いデータだが、厚労省の2010年の資料によると、日本人男性の平均寿命は79.64歳だが健康寿命は70.43歳でその差(寝たきり期間)は9.23歳、女性はそれぞれ86.35歳、73.62歳で、その差はなんと12.65歳もある。

僕の周辺でも”寝たきり老人”が増えてきた。本人は老後健康に留意して生活していたのだが、加齢による誤嚥が原因だったり、転倒が引きがねになって他人のお世話になっている。超高齢化社会に入り、わが国が当面している課題は、いかにして”寝た切り期間”を短くすること。つまり、健康寿命を長くすることである。幸い、僕ら老夫婦は要介護1で、介護のお世話になっていないが”予備軍”であるのは間違いない。

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2 コメント

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延命治療より健康余命を伸ばす (lordyupa)
2017-07-29 15:51:39
ブロガーに大賛成です。医学の重点を延命本位から、高齢者健康の維持促進へと大転換すべきだと思います。高齢者が転倒しにくいように、バリア・フリーのような建築・土木技術による家屋や街つくりの強化に加えて、更に突っ込んだ対策・対応の工夫が望まれると思います。
例えば、
自動車の自動運転技術開発のように、
①高齢者のセンサー機能低下の補完・支援(眼、足の触覚、体の平衡感覚など)wearable電子機器
②高齢者の筋肉・反射神経機能低下の補完・支援
などについて、
ロボット産業界からも、
個人の家でも使えるように、高齢者の「転倒防止」に役立つ様々な新製品・新サービスを、どしどし開発してもらいたいと思います。

転ばぬ先の杖 (kakek)
2017-07-30 10:11:49
lordyupa さん
3年前、左膝の人口関節置換手術の後、子供の勧めで身障者手続を申請認可になり、現在4級です。身障者の特典の一つは住宅の改造が格安で出来ることです。トイレ,風呂場、階段など手すりを付けるなど転倒予防装置を設けて貰いました。同時に要介護1の認定(支払割合2割)をうけていますが、介護1では、サービスがほとんどありません。転ばぬ先の杖です。介護サービスの中にも住宅改造があったほうがよいです。
公共交通機関など、身障者サービスは改善されてきましたが、高齢者への配慮は不十分です。

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