「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「北」の挑発 「北」への寛容

2017-07-30 06:00:57 | 2012・1・1
北朝鮮が28日深夜、またICBM(大陸間弾道弾)を発射した。ミサイルは1000キロ近く飛行し、日本のEEZ{排他的経済水域)内の日本海に着弾した。27日は1953年、朝鮮戦争が終結した日で、北朝鮮では「祖国解放戦争勝利の日}の祝日であり、これを記念して発射されたものだろう。”挑発を行えば滅亡の墓場につき落とす”と勇ましい言葉を吐いているが、危険で迷惑な話である。

このICBM発射を伝える同じ日の新聞に、在日朝鮮学校の授業料の無償化を認める大阪地裁の判決が載っていた。国が「朝鮮学園」に対して無償化の対象外にしたのは裁量権の逸脱、乱用であり、学園の民族教育も不当とはいえないというのである。拉致国家の指導者を賛美し、ICBMの発射を正当化している国に対して”助成金”を与えるようなものだ。これを寛容といえるだろうか。

朝鮮戦争が終わった64年前の記憶が僕にはない。すでに新聞社の地方記者をしていたのだが。改めて当時を振り返ってみると、わが国は朝鮮戦争の特需で、経済は復興に向かっていたが、日本人全体が”平和ボケ”していた気がする。朝鮮戦争を契機に連合軍からの要請で創設された警察予備軍は、戦争が終わり”厄介者”扱いされていたのではないか。「戦争」がタブー視され、「戦車」が「特車」とおかしな言葉で呼ばれていた。

1952年、警察予備隊は保安隊と名前を変更、54年に現在の自衛隊組織になったが、一部の国民の間に、自衛隊を”厄介者”視した当時の見方が定着し、さらには「爆発装置」視までしてきた。こういった見方が、現在に至るまで、残っているのではないか。「北」の授業料無償化判決の大阪地裁の判事の頭のどこかにもこの考え方があるようにみえてならない。

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