「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

見苦しい横浜市教委の団体謝罪

2018-09-30 05:57:03 | 2012・1・1
いつ頃から始まったのであろうか。テレビの画面で男たち(なぜか女性はすくない)が、深々と頭を下げ謝罪する姿だ。テレビ局からの申し出によるものか、自発的なものか知らないが、禿げた男たちの後頭部を長々と見せられるのは見苦しい。先日、NHKの首都圏ローカルニュースのWEBを見たら、横浜市教委の”おえら方”が30人近く、首からIDカードを下げて、一斉にこの集団謝罪だ。僕には”みんなで謝れば悪くない”とでも思っているかのように映った。

NHKのWEBによると、横浜市教委の集団謝罪の理由は、高校の教員が生徒から預っていた現金1万2千円をネコババした件、用務員が学校の備品の発電機をネット販売した件、それに教員の生徒へのセクハラである。市教委の”おえら方”が30人もそろって、テレビの前で頭をさげる事件であろうか。

横浜市教委といえば、先年福島の原発事故から横浜に自主避難していた生徒が、学校でいじめにあった事件の対応が悪く、批判され謝罪したことがあった。以来、すこし”謝罪”に対して神経質になりすぎているのではないか。誤解を呼ぶかもしれないが、教員のネコババ程度のことで、30人もの”おえらがた”ががん首そろえてテレビカメラの前で頭を下げる必要はあるのであろうか。教育委員会の先生方である。テレビを見た子供たちは、先生方が、どんな重犯罪を起こしたのかと誤解するかもしれない。

スラウェシ島からの二つニュース 遠隔地の報道

2018-09-29 06:51:38 | 2012・1・1
領土の広がりだけでいうと、ヨーロッパより大きなインドネシアである、ここに有人島だけで1万余りの島がある。戦争中小国民だった僕ら世代は大本営の戦果発表があるごとに、当時蘭印といわれたた太平洋の島々の地図を赤く塗りつぶしていった。その中の一つ、二つのアルファベットKの大きなほうがセレベス島(現スラウェシ島)である。僕らは日本海軍の落下傘部隊が初めて島の北端、メナド(現マナド)に降下したこともあって、格別、スラウェシの地名には記憶がある。

そのスラウェシ島の中部スラウェシ州都、パルを震源地に28日午後、震度7.5の地震があり、3mの津波も発生した模様である。現地はスラウェシ一の大都会、マカッサルやマナドからも遠く、農漁村地帯で、日本からはマリン.スポーツや巨石遺跡を見に僅かな観光客が訪れる程度だ。交通通信手段が悪く被害の実態が伝わってこないが、津波の写真から見て大きな被害があったのではないかと心配だ。

実は、この地震ではなくて、今日、別なスラウェシのニュースを紹介するつもりだった。それはNHKのWEB(9月27日)で見つけた”インドネシア少年(18)49日,洋上を漂流発見”という記事だ。少年はスラウェシの地マナド沖で、漁獲用イカダで照明管理中,イカダが流され、2000キロ離れたグアム島海域で大型船にで救助され、大型船の寄港地、山口県徳山でインドネシア領事館に引き渡され帰国した。少年が49日間の漂流中、魚を釣り、海水を飲んでいたそうだが、できれば少年から、もっと詳しい話が聞きたかった。

今回の地震についても、多分、遠隔の地であり日本のマスコミは現地取材はしないかもしれないが、地震国日本である。今後のわが国の地震災害の参考のためにも現地へ行くべきだ。先日のロンボク島地震でも500人もの犠牲者がでながら、日本のマスコミの扱いは小さかった。せめてNHKは取材クルーを現地へ派遣すべきだ。

気になる捕まらぬ手配犯

2018-09-28 05:26:37 | 2012・1・1
茨城県筑西署管内で警察官が20歳の男を自宅で逮捕しようとしたところ、逃げられえ行方不明らしい。男はカラオケ店で仲間とケンカした”微罪”のようだが、僕はとっさに8月12日、大阪府富田林警察の謁見室のアクリル板を破り強盗容疑者(30)が逃走、いまだに捕まっていないのを想い出した。”人の噂も75日”というが、まだ事件が起きてから50日とたっていないのにマスコミからは忘れかけている。事件発生時、警察は3千人体制で捜査に当たっていたが、今はどうなのだろか。

気になるといえば、小ブログ(5月19日)に書いた”まだ捕まらぬ群馬県警の警部補”も逮捕されたという話をきかない、この警部補は県警本部勤務のエリートなのに、同じ県内の嬬恋村で起きた強盗事件に関与し、車で逃走したままだ。松山刑務所の受刑者が仕事場から逃走したときは1万人を動員して、23日かかったが逮捕した。

富田林警察からの脱走犯は、その後の調べで計画的な犯行のようである。新聞の指名手配の写真を見る限り、かなり特徴がある。素人の僕がみても、すぐ逮捕できそうに思えるのだが。どこか油断があるに違いない。群馬県警の場合は、言っていれば”身内”の犯罪である。まさか、捜査に手抜きがあるとは思えないが、誤解を呼ばないよう即時の解決を望む。このさい警察庁長官が組織の弛みについて一言、訓示があってしかるべきだ。ケンカの”微罪”だからと放置してはならない。

安倍総理の国連外交 対米通商交渉再開

2018-09-27 05:35:54 | 2012・1・1
国連総会を機会にニューヨークで行われた安倍晋三総理とトランプ米大統領との首脳会談はとにもかくにも、懸念された経済破局を招く、正面からの対決だけは避けられた。会談後の発表によると、両首脳は新しい日米間の貿易協定調印を目指して交渉にはいるとのことだ。問題解決の先延ばしといえば、それまでだが、国内の中間選挙を控えて頭がいっぱいのトランプ大統領にとって、これしかない妥協かもしれない。同じことは、問題山積の安倍総理にも言えるかも知れない。

今回、安倍総理の国連舞台の外交で評価したいのは国連総会での一般演説だ。歴代の日本の総理は演説下手なのか注目を集めず、10年前の麻生総理は、就任早々、国会での所信演説より前に、冒頭得意の英語で行ったが、知名度もなく、会議場は閑古鳥が鳴くほど閑散としていた。その点、安倍総理は連続6年目の演説である。とくに今年の演説では、拉致問題に触れ、金正恩北朝鮮委員長と問題解決のため直接向かい合いたいと呼びかけた。安倍総理は、これに先立ち、文在寅韓国大統領とも会い、文大統領から先の南北首脳会談で、金委員長が安倍総理と話し合いあいたいという言質を得ている。

6年前の民主党政権時、野田佳彦総理も国連で一般演説したが、麻生総理よりも人気がなく、国連の建物前では、野田政権のとった尖閣国有化宣言に反対するデモ隊が集結していた。野田総理が当時の大統領とゴルフした話も聞かない。外交とは難しいものである。通商会議交渉中は、トランプも関税を引き上げると脅してこない。時をまつのも外交なのあろう。

お騒がせです 貴乃花親方 相撲は土俵の上で

2018-09-26 05:33:06 | 2012・1・1
相撲は土俵の上だけでして貰いたいものだ。貴乃花親方が、またぞろ、九月場所が終わったとたん、年寄りを引退したいと、記者会見まで開いて申し出た。幕内優勝22回、兄弟による“貴若横綱”時代を築いた平成の大横綱だが、今は検査役だが、平年寄りにすぎない。NHKまで含めたテレビ各局が生中継するほどニュース価値があるのだろうか。お騒がせ男の芝居はもう結構である。

記者会見での話を聞くと、辞任の理由を色々述べていたが、つまるところは昨年来の弟子暴行事件に端を発した相撲協会との抗争である。なかでも協会が下した措置が直接の原因である。大横綱と自負し、引退後も協会の理事にまで登りつめた男が四階級降格さっれては許せない。そして、ここへきて協会がとった年寄りすべて一門所属制度は、貴乃花にとって引退を決定づけるものだ。

相撲協会のHPによると、協会には43部屋あり、この部屋が過去の歴史的系譜や勢力関係から一門制度に分かれており、現在はニ所の関、出羽海、時津風、伊勢ケ浜、高砂の五つである。(今度の一連の事件までは、貴乃花グループが一門の一つであった)歴史的といっても、時津風は1945年、双葉山が双葉山道場を経て時津風部屋の親方になってからで、そう古い歴史ではない。69連勝中は、双葉山が続する立浪が一門の大部屋であった。

相撲協会は貴乃花親方の辞任を受理したわけではなく27日、理事会を開き、検討するとのこと。テレビの情報番組には格好の材料かも知れないが、土俵の上の相撲と違って、あまり見る気にはならない。

東京 庭木の喪失

2018-09-25 05:17:35 | 2012・1・1
いつも常套句として使わせてもらっているが、昨日、”猫の額”のようなわが家の庭に、区のシルバー.センターから派遣されてきた職人さんが二人きて手際よくこの夏の猛暑でのびのびになっていた庭木を剪定してくれた。僕は生まれつき不器用で、花鳥水月にも、あまり関心がないほうだ。老妻の説明をきいて、わが家の生き垣がハマサカキ、べにカナメであるのを知った。庭木にも椿、モクレン、モクレン、柿、びわ、梅などなど植えられていた。

僕が今住む町は、昭和の初めに郊外の高級住宅街として開発されたため、敷地が広く、当初は200㎡ほどあり、立派な庭木に囲まれていたが、半世紀以上の歳月を経て、敷地は二分、三分されて、生き垣もブロック塀に変ってしまった。駅前に広い植木だまりまで持っていた植木屋さんもいつか廃業してしまった。

戦前昭和の時代、僕が住んでいた目黒川沿いの町は、まだ藁葺き農家も残っており、台地の大名の下屋敷跡には自然木が群生していた。皇后陛下の生家跡、池田山の「ねむの木公園」もその一つであった。ご生家は財産税の贈与の際、区に土地を寄贈された。そのお陰で、今でも緑が市民を楽しませてくれている。しかし、周囲は高層マンション街に変容してしまった。

僅かでも緑があるので、わが家の二階ベランダにも、野鳥が羽を休めにやってきてくれる。季節には梅の実がなり、自家製の梅干しも楽しめる。やはり、人間にとって緑はなくてはならない存在なのだ。

朝鮮半島の「秋思」の祝日と拉致問題の解決

2018-09-24 05:15:44 | 2012・1・1
昨日23日は秋の「彼岸の中日」で、今日はその振り替え休日、中秋の名月でもある。昔からお彼岸には先祖の霊にに思いをはせ、菩提寺にに参詣、お墓参りをしたものだが、最近、”血縁の希薄化””経費の軽減”などの理由から、この習慣が薄れつつあるそうだ。産経新聞の23日付首都圏社会面トップ記事は”広がる墓じまい、新たな弔い”という見出しで特集をしている。

お彼岸について、朝鮮半島では秋思といい国家の休日、北朝鮮は十五夜(旧暦8月15日)まで休みである。日本では忘れかけてきた昔の行事が残っている。その秋思の祝日に当たって,ポンぺオ国務長官が”韓国民が秋思の祝日を幸せに送れるようメッセージを送っている。長官が同じような祝電を北へも送ったったかどうかは知らない。

日本では、安倍総理の国連総会出席、トランプ大統領との会談を前に東京で拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会が開かれた。拉致問題の解決はどうなっているのか。朝鮮半島の非核化をめぐる米韓北の動きだけで、一向に通たわってこない。安倍総理は、最後には金正恩委員長と話し合わなければならないと言っているが、当然なことだ。総理の言動からは、”トランプ頼み”が大きすぎるみたいに見える。

国民大集会の模様をテレビ画面で見て、関係者の胸のブルーの造花が目立って見えた。国民の拉致への関心、理解は十分深かまっている。問題は政府が何をすべきかだ。パーフォーマンスではない。“ムチ”に問題があるのではないだろうか。

塞翁が馬の安倍総理の政治家人生

2018-09-23 05:54:03 | 2012・1・1
自民党総裁選は安倍総理の圧勝だったかどうか、読売と朝日との間で見解が違うのだそうだ。読売は”圧勝だ”とし、朝日は”圧勝できず政権運営に影”(産経抄コラム)。政治には素人だが。国会議員だけの投票数を見る限りでは、安倍総理の圧勝にもみえりし、地方票405のうち224(53%)しか獲得できなかったのは圧勝とは思えない。

十年一昔というが11年前の小ブログ(2007年9月13日)を読み返してみたが、とうてい安倍総理が3期連続総裁に選ばれるなんて想像もつかない。”きれたガキっ子総理”という表題で、前日の議会で突然、辞意を表明した安倍総理をケチョンケチョンに批判している。数日前の所信表明で”職責を果たし、全力をつく”と誓ったばかりなのに、意味の分からない”局面打開”という言葉で辞任し入院してしまった。

"塞翁が馬“という譬え(准南子.人間訓)がある。”人生の禍福.幸不幸は変転して定まりない”(三省堂.慣用句辞典)という意味だが、まさに安倍総理の政治人生である。連続三選を果たし、安倍総理は憲政史上、名を残すことになろう。11年前病室で辞任の記者会見をした時の安倍総理からは、連続三選をを果たし、意気軒高と訪米し、トランプ大統領と渡り合う姿は予想もつかなかった。

一方、政治は一寸先はヤミと言われる。1年前の今頃は北朝鮮からロケットが飛来し、トランプが金正恩を”ロケットマン"と誹謗し、金正恩は”とランプを”おいぼれ野郎とお互いになジリあっていた。”塞翁が馬”には,測り知れない、なにものがあるように見える。

122年前、日本で発行された露和辞典

2018-09-22 05:35:39 | 2012・1・1
退院して半月、やっと何かやる気が出てきた。中断していた屋根裏の書庫の整理を始めたら、戦前の雑誌に混じって明治36年8月発行(3版)の露和辞典が出てきた。東京の丸善発行で渡邉至君序,高須治輔著とある。ポケット大サイズだが、堅紙の表紙で、いかにも明治を思わせる立派な装丁である。亡父は明治17年生まれであるから、20歳前後、日露戦争(明治37年ー38年)の時代に購入している。父は生前、酔っぱらうと、”オーチン.ハラショウ”(有難う)と片言のロシア語を言ったりしていたが、正式に学んだことはない。

この辞書を見て興味深く感じたのは、初版が日清戦争(明治27年ー28年)直後の明治29年8月であること。そして、なぜか渡邉至輔氏が序文を日本語ではなく中国語(漢文)で記していることだ。日露戦争はロシアの朝鮮半島への領土的野望を阻止する狙いがあった。すでに、政府はロシアの南下を予期してこういった辞書の序文にも中国語を使用したのであろうか。この年、ロシアは清国との間に秘密防衛協定を調印している。

ロシアのプーチン大統領が年内に日本との間で無条件で平和条約を調印したいと公言している。領土問題を含めてなら大歓迎だがロシアには過去がある。先の大戦時の一方的な不可侵条約破棄をはじめ、この清露秘密条約もそうである。朝鮮半島をめぐる一連の動きの中で、プーチンの平和条約発言に騙されないよう注意しよう。古い辞書から推理した教訓である。

「白頭山節」歴史認識

2018-09-21 05:23:34 | 2012・1・1
北朝鮮を訪問した韓国の文在寅大統領は、金正恩委員長との間に平壌宣言に調印、親善の最後の締めくくりとして、金委員長の勧めで、民族の聖地、白頭山に登った。白頭山は中国との国境近くの北朝鮮最高の山(2744m)で、北朝鮮初代委員長、金日成が抗日パルチサン活動の根拠地とした地だ。

白頭山の名前を聞いて、僕は瞬間的に「白頭山節」を想い出した。抗日運動の聖地より、僕は「アリラン」「トラジ」と共に「白頭山節」が朝鮮人の民謡であるのを知っていた。僕は特に朝鮮とは関係ないのだが、子供の時、よく耳にし、まだメロディは覚えている。歌詞は忘れていたが、調べてみると、「白頭山地に積りし雪は溶けて流れて鴨緑江へ 可愛い乙女の化粧水}(1番)で、作詞作曲者は不明。白頭山の民謡らしい。

さらに調べてみると白頭山節は戦争末期、特攻隊のこんな替え歌になっていた。「燃料片道テンツルシャン涙で積んで征くは沖縄死出の旅」九州の知覧から沖縄戦線へ飛びたつ特攻隊員の間で歌われたという。

戦後生まれの南北の二人の指導者はおそらくこんなことは知るまい。白頭山の近くには、日本統治時代、日本が建設した当時世界最大級の水豊ダムがある。今でもこのダムから生まれる電力は北朝鮮で役立っている。二人の指導者は、過去の歴史をどこまで知っているのだろうか。北の非核化が完全に終わったあと、南北ががどうなるだろうか。我が国との”正常化”はそのあとだろうが、歴史認識をめぐって解決の道は遠い。