「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

朝日は誤報を訂正せよ 東京高裁判決

2007-01-31 06:49:07 | Weblog
朝日新聞の1月30日朝刊(東京発行)は一面トップ、大きな見出しで
『番組改変訴訟 NHKに賠償命令 東京高裁 「議員の意図忖度」』
と報道していた。これを見た僕は”柳沢厚労相”式に解りやすい例えで
いえば、これは”盗人猛々しい””盗人にも三分の理”だと思った。東京
高裁判決は、平成17年1月12日の朝日新聞の誤報を間接的に否定
しているのだが、これにはまったく触れていない。

朝日新聞は平成17年1月12日のこれも一面紙面で「女性国際戦犯法
廷」番組(3年1月30日NHK教育テレビ)の改変問題について安倍晋三
官房副長官、中川昭一通商相(いずれも当時)ら政治家がNHK幹部を番
組放送前に呼びつけ、圧力をかけたからだと、書いている。これは安倍、
中川両氏とも否定しており、今回の判決でもこれを間接的に否定し”政治
家の言葉を推察した”結果としている。つまり誤報なのである。

僕はこの問題について「女性国際戦犯」模擬法廷が2年12月、九段会館
で開かれた時から翌3年1月の放送まで朝日新聞のいう”右翼”の一員と
して抗議運動に参加、当時のNHK幹部のこの番組への認識程度、僕ら市
民運動動への対応などよく知っている。NHKと政治家との関係は東京高
裁の判決どおりだと思う。

自民党の中川昭一政調会長は、この高裁判決について「私は事実無根の報
道で大変迷惑している」と、述べている。朝日新聞は高裁判決を受けてはっき
りと誤報を認め、中川氏ら関係者に謝罪すべきである。

貧富の格差 給食のなかった時代

2007-01-30 06:54:12 | Weblog
文科省の給食費未払い調査によると、滞納総額は22億円に上り
100人に一人の家庭は支払っていなかった。ゆゆしきしき問題だ
が、滞納者の4割が経済的に支払い困難な家庭だったことは注目
されていない。高知県教委の調査では同県の滞納家庭のうち小学
校39・5%、中学校48%の保護者は経済的理由によるものだった。 

貧富の格差はいつの時代でもある。問題はその救済策だ。戦前学
校給食のなかった頃、僕らは家で作ってもらった弁当を持って登校
した。僕の通ってい東京の小学校は”芸者町”(三業地)、町工場、
商店が混在する学区だったが、毎日5、6人は弁当を持参できず、昼
休み家へ食べに帰っていた。

戦前も義務教育は無料であったが、教科書は有料、遠足、修学旅行
費などは各家庭の負担であった。昭和17年秋、僕らは伊勢、奈良、
京都へ修学旅行へ行ったが、クラス62人のうち18人が参加してい
ない。参加費が払えなかったのだ。

戦前はPTAではなく保護者会であった。保護者会費は一口20銭で、
家庭によって口数は違うが学校から渡された袋に入れて学校へ持参
した。子供の記憶なので不確かだが、貧困家庭があっても保護者会
費を支払わない家庭はなかった。あるいは先生が子供たちに判らない
よう配慮していたのかもしれないがー。

滞納家庭に督促訪問したり、裁判所を通じて法的措置をとっている教
委員会もあるそうだが、本当に支払えないのかどうか、くれぐれも精査
していただきたい。子供のためにである。

安倍内閣は”再生”を! ご隠居の提言

2007-01-29 07:43:15 | Weblog
ご隠居からの提言です。安倍総理、早々に内閣大改造をすべきです。
支持率が下がったからウンヌンではなく、総理が任命した閣僚の不用
意な発言や下品な発言がめだちすぎます。それに”政治とカネ”をめぐ
る二閣僚の問題も不透明なままです。

久間章生・防衛大臣は長官から大臣になったら急におかしくなったよ
うにみえます。大臣のたび重なる対米批判は、防衛大臣としてはおか
しいです。ブッシュのイラク政策については僕も大臣と同じ考えです。
多分、世界中ほとんがそう思っています。普天間基地の移動をめぐる
米国の態度も観方によっては大臣のいう通りです。しかし、この問題
はすでに日米両国政府間で取り決めができています。防衛大臣の発
言としては、どんなものですか?

柳沢伯夫・厚労相の女性に対する侮辱発言は、かりに断りがあったに
しても許せません。大臣の発言としては下品極まりなく最低です。女性
が”産む機械、装置”なら男性は”ディープ・インパクト”ですか。

佐田玄一郎・元行政改革担当相の事務所費つけかえに続く伊吹文明・文
科相、松岡利勝・農相の事務所費処理も僕ら永田町外の人間にとっては
まったく不透明です。

これだけ自分が任命した閣僚に問題が多発すれば、安倍総理は内閣改
造を考えたほうがよいです。いくら”美しい国””教育再生”などと頑張っても
ダメです。このままでは選挙で負けるのは目にみえています。今、総理に
必要なのは、思い切った”内閣再生”です。

地球温暖化と62年前の冬

2007-01-28 07:56:18 | Weblog
きのう東京の最高気温は15℃を記録した。3月下旬の暖かさだ
そうだ。まだ1月だというのに自転車で買物に出かけたところ、う
っすらと汗をかいた。確実に地球の温暖化が進んでいるのを実感
した。

戦争に負けた62年前の冬は異常に寒かった。亡父の2月1日の日
記には”元旦以来未曾有の寒威(ママ)”と書いてある。僕は1月初
めから蒲田の工場に勤労動員されていたが、何度か大雪を経験して
いる。とくに2月25日は50cm以上積もり、ゲートルまでびっしょりに
なったのを記憶している。

地球の温暖化はオゾン層の破壊や人類が排出した”温室効果ガス”
によるものだ、という説がもっぱらだ。昨年12月のヨーロッパの気温は
史上最高で、平年差+0.41℃を記録した。わが国でも各地で暖冬に
よる異常現象が続出している。

先ごろ公表された国連の”気温変動に関する政府間パネル(IPCC)”
によると、この世紀末には冬の平均気温は最大で6℃上昇する。日本
では北海道以外のスキー場では雪不足、本州の多くの県では米の収
穫高が最大40%減少する、という。

暖冬は日常生活にとって楽でよいが、将来人類の破滅を招くかもしれな
い大問題である。しかし大国のエゴでいまだに米国は京都議定書で合
意をみている”温室ガス”最低限7%削減を国として批准していない。核
保有の問題と同様、人類の存在にかかわる問題なのにである。

節分、初午、バレンタイン

2007-01-27 07:14:49 | Weblog
今年の暦は2月3日が節分、4日が立春そして5日が初午と続く。
厳冬のこの時期の伝統行事として、昔は初午が節分と同じように
東京でも催され、子供たちが楽しみにしていた。初午にはお稲荷
さんで甘酒やお菓子が振舞われた。

戦前の東京には”池波正太郎”の世界が残っていた。”火事と喧
嘩、稲荷と犬の糞”といわれたほど、稲荷神社が町のあちこちに
あった。僕の住んでいた町にも二つあり、子供は初午の”はしご”
をしたものだった。

今、初午の行事は僕の住んでいる界隈ではない。なぜなくなったの
であろうかー。第一に稲荷の祠が町の開発で壊されたり、ビルの屋
上に移転してしまったのだ。それに子供の数が減って、おまけにそ
の子供たちは外で遊ばなくなってしまった。

節分の行事は残っているが”鬼は外、福は内”-昔は夕方になると各
家庭から聞こえたものだったが、あの元気な声は聞けなくなった。都
会の集合住宅では近所への配慮もあり、豆を思い切って撒けない。そ
のせいかスーパーでも鬼のお面や豆の袋は店の片隅に追いやられて
しまった。

伝統の行事を通りこして、まだ半月先なのにバレンタイン・デーのチ
ョコレートが、ペコちゃん印を除き早くも店頭に並び始めた。バレンタイ
ン煎餅も出てきた。ハート形をしていて店によってはメッセージまで書
き込み焼いてくれるのだそうだ。

世界は変わり日本も変わり、伝統行事も変わってゆく。

八百長相撲と”敢闘精神”

2007-01-26 07:31:24 | Weblog
またぞろ週刊誌が大相撲の八百長を問題にしていた。今度は昨年11月
の九州場所で横綱朝青龍が全勝優勝したが、ガチンコ(真剣)相撲は4番
だけ、あとは八百長だったというもの。大相撲の八百長については数年前
元小結板井が外国人特派員協会で”暴露”し、問題になったが、相撲協会
は告訴など法的措置を取らず、社会的にはウヤムヤのままだ。

土俵上の相撲については取っている力士以外”真相”はわからない。古い
記録で恐縮だが、昭和18年5月場所の10日目、竜王山と青葉山が水入り
引分けの大相撲をとったが、相撲協会は”敢闘精神に欠ける”として二人を
出場停止とした。戦争中である。二人は一生懸命とっていたのであろうが協
会は国民の戦意昂上に反していると判断したのであろう。

今回の八百長問題について現在、協会側は関係者を呼んで徹底究明し、八
百長がないとわかれば、週刊誌側を告訴する、といっている。ファンのために
も是非そうしてもらいたい。

たしかに最近の相撲を見ていると、勝負にこだわるあまり、立会いから逃げ
たり、叩いたりの相撲が多い。それも大関が場所の前半からそれをする。跳ん
だり、はねたりするする相撲もめだつ。ファンは大相撲の持つ”敢闘精神”を
期待しているのだ。こういった相撲は八百長相撲と誤解されることもある。そ
れと、もう一つ仮面をつけた”解説者”もやめさせるべきだ。これもイメージ的
に誤解を招く要因だ。NHKの問題だが。


日南海岸と高千穂です。 東国原知事

2007-01-25 07:02:46 | Weblog
「そのまんま東」の知事当選の原動力は彼の持つ”郷土愛”だ。
選挙マニフェストには、彼の掲げた政策が多々書いてあるが、その
中で僕が一番期待し最も実現性があると思うのは”宮崎もてなし日
本一ー事業”だ。具体的には県外からの観光客数を前年度より5%
アップさせようというものだ。

そんなに難しいものではない。東国原知事が誕生した昭和37年、
宮崎は新婚客を中心に観光ブームに沸いていた。昭和35年昭和
天皇の第5皇女(当時)貴子さんがお相手の島津久永氏と新婚旅
行で宮崎にみえた。日向は島津家のご先祖の地でもある。翌々37
年、つまり知事の生まれた年には現在の天皇皇后両陛下も宮崎に
こられている。これらのご旅行をきっかけに宮崎は空前の観光ブーム
となり、日南海岸、青島は新婚旅行のメッカとなった。

残念ながらこのブームは昭和38年、海外の渡航が自由になった頃
から、新婚旅行先がハワイなどに取られ陰りが出て現在に至ってしま
つた。そして、観光衰退に拍車をかけたのは一昨年の台風で高千穂
鉄道が大打撃を受け、今なおストップしたままになっていることだ。

高千穂は神話のふるさと、戦前生れの僕らは紀元節(建国記念日)に
”雲にそびゆる高千穂の”と歌ったものだ。坂本竜馬も新婚旅行で出か
いる。宮崎は観光資源には恵まれている。知事さん公約どおり頑張って
下さい。もてなし日本一を期待しています。

マグロ資源と江戸前寿司

2007-01-24 10:26:46 | Weblog
マグロ資源の保護を目的とした世界初の会議が神戸で開かれている。
乱獲により資源がやがて枯渇してしまうかもしれない。だからこれを
事前に調査し、規制しようというのが会議の趣旨のようだ。古い資料
(1995年)だが、世界のマグロ全捕獲量の70%は日本であった。ところ
が、ここ10年来の日本食ブームで、マグロの需要はさらに増え、このま
まではマグロが将来壊滅してしまうという声さえ出てきた。

わが国のマグロ・ブームは1960年代に、冷凍技術が長足に進歩したころ
からだと思う。僕ら東京の都会育ちでも昔は今のようにマグロは食べな
かった気がする。酒好きだった亡父は毎日晩酌に刺身を食べていたが、マ
グロの日は少なかった。

戦前は子供だったので、マグロを食べるのはせいぜい慶弔時、出前でとる
寿司ネタだけだった。昔は寿司全体今よりワサビが濃かったのか、大人が
箸でワサビを前もって取ってくれた。赤いマグロが多かったが、そう格別
美味しいとは思わなかった。むしろ江戸前の穴子、シャコやかんぴょう巻
のほうが美味だった。

冷凍技術の進歩で東京で食べる「江戸前寿司」のネタも昔と様変わりした。
今は定番になった甘エビ,いくら、ウニなどは戦前はなかった。勤務で札幌
に10年いて、初めてホッキ、ホタテ,ガサエビなどのネタを食べた。やはり
寿司ネタは産地でとれたもののほうがよい。いくら味がよくても遠くの海で
獲れたトロはいただけない。

温家宝訪日の”露払い” 日本人政治家

2007-01-23 07:10:45 | Weblog
中国の温家宝総理が4月に訪日する予定だという。昨年10月就任
早々の安倍首相の訪中に対する答礼であるが、ここに来て日本の政
治家の”北京詣で”が頻繁だ。自民党の二階俊博、公明党の漆原良
夫両国対委員長が,国会開始ぎりぎりまで北京に滞在した。国会の
議事予定をみると中国問題がそう差し迫った問題とは思えないがー。

二人の訪中の目的は、日中国交正常化35周年の記念交流事業につ
いて中国側要人との意見交換だという。二人には日本から観光関係
者が多数同行しており、確かにその通りだと思う。だが、それなら二階
氏は”安倍総理は靖国神社へ行くべきではない”など観光に直接無関
係なことを言うべきではない。

”露払い”とは「広辞苑}によると”相撲の土俵入りの時、先導して土俵
にあがる力士”という意味もある。普通この力士は同部屋か同系統の
力士が勤める。相手方がこれを勤めたというのは、聞いたことがない。
二階氏は中国人か中国系の人物なのかー。

安倍氏は一国の宰相である。靖国問題についても総理自身の考えを
持ち、高所から判断されると信じている。周囲がとかく言うべき問題で
はない。温家宝訪日にからんで、さらに安倍総理のこの秋の訪中まで
取り沙汰されている。それもすべて総理の靖国参拝がからんでいる。

新聞やテレビ局の世論調査によると、安倍内閣不支持が支持を上回っ
てきた。安倍総理にとっては正念場である。総理としての指導力を改
めて期待したい。

”あるある”民放の無責任番組

2007-01-22 08:08:28 | Weblog
関西テレビの番組「発掘ーあるある大事典」で実験データを捏造し事
実と異なる放送をした。納豆を朝晩2パック食べるとダイエット効果が
この通りあるーとありもしないデータを流したのだそうだ。その結果、
視聴者がスーパーの売場に押し寄せて納豆が売り切れとなり、業者
の団体が”お詫び広告"まで出す騒ぎを引き起こした。まさに上方お
笑いを地でゆく、無責任極まるものだ。

若い時僕は地方の民放に勤務したことがある。その時東京のキー局
(製作局)から来たおエライ方がいつも言っていた。「君たちの視点で
番組を作ってはダメだ。ミーハーの視点だ」つまり視聴率をとるには良
心的な番組より大衆受けする番組を制作すべきだというのだ。

今回の関西テレビの番組は下請けのプロダクションに作らせていたとい
う。しかもこの会社は過去にも東京の局で同じような捏造データーでトラ
ブルを起こしている。視聴率万能、制作費削減が体質の民放から生まれ
たアダ花である。この体質が続く限り、これからもこのような無責任番組
は出てくる。放送は政府の認可事業である。監督官庁はもっと厳しく悪質
番組に目を光らせるべきだ。

民間放送連盟も局同士の”仲良しクラブ”ではなくて、会員の製作番組に
対して責任を持つべきである。自浄能力がなくなれば大衆からも見離され
るのは必至だ。猛省を望みたい。