「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            日米「同盟深化」 野田総理の独り旅

2012-04-30 06:19:40 | Weblog
野田佳彦総理が連休中米国を訪問、オバマ大統領との首脳会談に臨む。総理は昨日政府専用機で羽田空港を出発したが、タラップで手を振る写真をみたら夫人の同伴もなく、関係閣僚の随伴もない独り旅である。昔、僕がまだ若く”現役”だった頃は、日米首脳会談といえば、ビッグニュースだったが、最近はあまりマスコミもそれほど騒がない。ニュースバリューも低下したのかもしれない。

驚いたことは、野田総理とオバマ大統領との今回の会談は、民主党政権になって2年半、初めての公式会談だとのことだ。でも考えれば、そうなのである。鳩山由紀夫元総理は就任早々、普天間問題で迷走し、東アジア共同体構想を打ち出して日米会談開催の雰囲気ではなかった。次いで菅直人元総理も外交オンチのまま大震災の処理で終わってしまった。新聞報道によれば、今回の首脳会談で期待される合意はGPS(全地球測位システム)の共同開発だという。太平洋地域の安全保障について重要な問題だが、一般国民はそんな技術分野よりはTPPがどうなるかに関心が集まっているのだがー。

恐らく発表される共同声明では、TPPなど交渉中の問題には触れないだろうが、せっかくの首脳会談である。民主党政権になって以来、とかく信頼が薄れてしまったと言われる両国関係の友好再築の空気を生み出して貰いたい。それには鳩山政権時代、一族郎党を引き連れて訪中した小沢一郎当時の幹事長まではゆかなくても、せめて外交関係のの閣僚は同行すべきであった。玄葉光一郎外相は連休中、さして急用とも思えぬ問題で中東を訪問中である。

オバマ大統領でのホワイトハウスでの野田総理に対する遇し方も注目されるが、ファーストレデイの同伴がないのでは、きわめて型にはまったものになると予測される。首脳会談とは個人的な友好と信頼を深める場でもある。話題造りも大切である。その点、夫人を同行されなかったのは残念である。

       ”ゴールデン.ウィーク”でなくなった大型連休

2012-04-29 06:12:34 | Weblog
大型連休が始まった。一昔前は”ゴールデン.ウイーク”という言葉をよく耳にしたが、最近はあまり聞かなくなってきた。昔のように連休が”ゴールデン”ではなくなってきたのだろうかー。特に高齢になった僕らには黄金のように光り輝く休日ではなくなってきた。首都圏は幸い天候に恵まれ行楽には最高の季節なのだが”野に山に”という元気がなくなってしまった。寂しい限りだ。

JTBの調査によると、4月25日から5月5日までの大型連休11日間に海外へ出かける旅行者は前年比4.2%増で、昭和44年調査を開始して以来、平成12年(2000年)に次いで多く、56万3千人だという。景気は悪い悪いと言っても、結構おカネのある人も多いのだ。平成10年という年は、あまり記憶にないのだが、大型連休の明けた5月12日に当時の堺屋太一経企庁長官は”景気は離陸したが、高度は低く安定飛行には至っていない”といっているが、僕の印象では今より世の中は明るかった。

”ゴールデン・ウイーク”という言葉は昭和27年(1952年)映画会社が客寄せのために使用した宣伝用の和製英語だそうだが、昭和30年代には一般的にも用いられるようになった。昭和27年といえば、皇居前の”血のメーデ-”のあった年だが、当時を振り返ると、とても連休を楽しむという空気ではなかった。僕の場合は仕事柄,連休はとれず家族で国内旅行をした想い出はない。いわんや海外旅行など夢の夢で考えられないことであった。

海外旅行へ出かける空港での家族連れの嬉々とした姿を見るのは良いものである。しかし、一方では公立小中校での学校給食の未払い総額が全国で26億円もあるという。それも未納者の53.2%は保護者としての責任感や規範意識の欠如によるものだという。家族連れの海外旅行も給食費の未納問題もも何か今の日本の社会の現実を象徴しているように見えてならない。


             外食店での米の産地情報

2012-04-28 07:09:55 | Weblog
昨日わが家では遅い初物のタケノコご飯を食べた。初物を食べると75日寿命が延びるという言い伝えがあるそうだが、やはりそれほどおいしかった。タケノコは老妻がスーパーで二本380円で買ってきたもので「福岡産」の表示があった。最近若い人の中には必要以上に産地に神経質になっている人がいるが、政府が安全だというならば、僕らは「福島産」でも構わない。

先日ある会合で「知っておきたい食品の表示」(消費者庁.農林水産省)というパンフレットを頂戴した。平成23年12月版の新しいものだが、これを読むと”一般消費者に販売されているすべての生鮮食品に名称と原産地が表示されている”とある。確かに最近はどこの小売店に行っても産地が明示されている。僕も先日スーパーでグレープフルーツを買ってきたところ、トルコ産とあって、産地にこだわる娘に叱られた。

ところがである。頂戴したパンフレットをみると”平成23年7月1日より小売店や外食店で、米.米加工品の産地情報が消費者の皆様に伝達されます!”とある。老人になると外食の機会はあまりないが、果たして牛丼店や回転寿司で、いちいちお米がどこの県のものなのか表示されているのであろうか。先日僕ら夫婦は一泊二日で福島県を旅行してきたが、旅館でもレストランでも産地表示はなかった。僕らも当然地元福島産の御飯だとして美味しく頂いた。食の安全は重要だが、あまりに神経質になるのはどんなものだろうか。回転寿司を食べながら、この鮭はどこで獲れたのか、シャリはカリフォルニア米か、とつまんでもあまり美味しくない。

            小沢一郎”疫病神”にお祓いを!

2012-04-27 06:57:04 | Weblog
新聞の雑誌広告の見出しに「小沢一郎は日本の疫病神だ」とあった。読んだわけではなく無責任だが、同じように小沢氏のことを思っている日本人が多いのではないかー。その”疫病神”小沢氏に対して東京地裁は昨日、小沢氏の政治団体の土地取引を巡る虚偽記入について、小沢氏に共同謀議はなかったと無罪を言い渡した。しかし、判決文は小沢氏の責任回避の供述を厳しく批判している。

鬼の首でも取ったかのように、民主党の輿石幹事長は早速、小沢氏の党員資格停止を撤回すると明言。鳩山由紀夫元総理は“混迷している政治情勢には不可欠な政治家だ”と無罪判決を歓迎している。そして消費税増税反対の旗印の小沢氏を支持する議員120名が集まって気勢を上げていた。一体、民主党という政党は一つなのだろうか。一方、自民党の石原幹事長は”無罪判決がでても小沢氏は道義的、政治的にも許されない”として、再び小沢氏を国会に喚問すべきだ”と主張している。

小沢一郎氏は1993年(平成5年)に宮沢内閣に対する不信任案に賛成票を投じて自民党を離党して以来、19年間、日本の政局にあってたえずトラブルメーカーであった。新進党、自由党と政党を造ったり壊したりして、最後に民主党と合併して収まったかのように見えたが、またまた党の分裂を仕掛けている。まさに”疫病神”である。今の日本にとって”疫病神”退治が必要である。すべて政治の混乱はマニフェスト破りの民主党の居座りからきているのだ。今こそ野田総理は”疫病神”退治をかねてお祓いのための解散総選挙をすべきである。

            効果があるのか老人への漢方薬

2012-04-26 06:51:19 | Weblog
先日、右耳がゴロゴロし難聴が気になったので近所の耳鼻咽喉科で診察して貰った。検査の結果は補聴器の必要はないが、確かに聴力は劣ってきていた。が、これは加齢によるものだそうだ。そのほか、多少蓄膿症気味との診断で、漢方薬2週間分の処方箋を渡された。今、これをせっせとのんでいるが、一向によくならない。

最近、医療機関で年寄りに漢方薬を処方するケースをよく耳にする。老妻も先日、便秘でかかりつけの胃腸科から、ごそっと漢方薬の袋を貰ってきた。後期高齢者のお仲間と話をすると、やはり漢方薬をのんでいるという話がでる。齢を重ねると、どうも人間は身体のあちこちが痛んできて、薬を多用するようになる。僕も数年前から降圧剤と糖尿の治療薬のお世話になっている。僕の場合は3種類だが、友人の中には4種類も5種類ものんでいて害はないのかと心配する。

専門家のお医者さんなら当然、薬の相互作用による薬害を御存知のはずだ。そこで老人には効果は薄くとも漢方薬を処方するように思えてなららない。患者側も何か薬を貰わないと安心しない心理がある。一種の気休めではないのだろうか。しかし、後期高齢者でも窓口負担が3割の患者にとっては、薬代と言っても馬鹿にならない。僕の場合、高血圧と糖尿の治療薬として4週間に一度調剤してもらっているが、1,770円もする。病院への支払いが1,300円だから合計3,070円にもなる。

ネットの情報によると、日本人平均一人あたり年間支払う薬代は、ざっと5万円だそうだ。老人への漢方薬は果たして効果があるのだろうか。単なる薬害防止の気休めなら、あまり意味がなく、薬局調剤費がかさむだけ無駄のような気がする。


           山高帽に雨傘 半世紀前のロンドン

2012-04-25 07:02:19 | Weblog
昨日、僕は「杖」についてブログを書いたが、その連想で50年前の1962年10月、初めてロンドンを訪れた時のことを想い起こした。、ビートルズが”I love me do"でレコード.デビューしたのも同じ10月だそうだが、もちろん僕は知らなかった。ロンドンで最も印象的だったのは、なぜか、どこへ行ってもお年寄りの姿が多かったことだ。

僕は市の中心部のケンジントンのビッカレージ.ゲートの安宿に1週間滞在したが、近くの公園のベンチはどこもお年寄りが占領していた。当時の日本は若者社会で子供が多かったので、何か僕の目には奇異に映った。でも今調べてみると、当時の英国の高齢化率は10%を少し越えた程度だった。それでも当時日本ではすでに英国は”老成化”しており、活力を失ってきたと、悪口がささやかれていた。公園に老人がたむろする姿をみて”なるほど”と僕も合点したものだ。

当時は固定相場制で1ポンド1008円であった。今は130円前後だからまさに隔世の感がある。ロンドンの街中にはまだ山高帽に細身の雨傘を杖代わりにした紳士の姿が目立った。僕が「杖」から半世紀前のロンドンを想起したのは、このためからかもしれない。当時のロンドンには超高層ビルはなく、山高帽に雨傘がよく似合った街であった。

日本は超高齢化時代である。半世紀前の英国の比ではない。総務省の統計では2010年の65歳以上の老人の総人口に占める高齢化率は23.1%である。数年先には日本人の4人に1人は年寄りという時代が到来する。少子高齢化は念仏ではなく、待ったなしの対策が迫られている。

           ”閉じこもり老人”からの脱出(5)杖のお世話

2012-04-24 06:53:51 | Weblog
昨年4回にわたって小ブログで”閉じこもり老人”脱出法について得々として書いたが、昨年暮から皮肉にも、その”閉じこもり老人”になりかけた生活に戻ってしまった。前回10月に書いたブログで、僕はスポーツクラブへ通い、水中歩行と水泳をした効果で体重が7キロもダウンし、クリニックでの血液検査の値もすべてOKだと書いた。

これですべてが、大バンザイだと思っていたところ、それがどっこいである。暮れになって思いもかけていなかった帯状疱疹にかかってしまった。医学書によると、帯状疱疹は過労やストレスから出るのだそうだ。そういえば僕にも思い当たるフシがあった。11月には一人で10日間も海外旅行に出かけ、12月には昔の会の世話役を二つも引き受けた。そしてその間を縫ってスポーツクラブへ通っていた。

齢も考えず動き過ぎたのである、幸い帯状疱疹は軽くて済んだが、その痕が背中に残りスポーツクラブへ行けない。そして今年は例年になく寒い日が続いた。そのため僕の外出の機会が減ってきた。それを心配した老妻がぼくに杖の使用を勧めた。しかし、僕は変な”自尊心”から杖を使うのを嫌っていた。しかし、先日の福島への旅行で初めて杖を持参した。広い会津城や御薬園の中を杖をついて歩いてみると思っていた以上に楽なのである。

杖をつくと自分もついに老人の仲間入りかと嫌になる。しかし、考えてみると、もう80歳を越えている。亡父も80歳の年には杖をついて近所を散歩をしていた。やはり齢相応に杖のお世話にならなければならないのだ。引きこもりにになるよりは良い。

      目黒区長(民主、公明、社民推薦)現職の勝利と自民党

2012-04-23 06:48:55 | Weblog
大阪や名古屋での地域政党の躍進で、地方政治への関心が高まってきた。その中で行われた東京の目黒区長選だったが、投票率は僅かに26.94%と低調で、前回の27.27%よりも低かった。旅行帰りで疲れていたが、僕ら老夫婦は投票に出かけた。しかし、わが投票場で見る限り若い人の姿はまばらで、投票呼び掛けのゴム風船だけが、いたずらに机の上に置かれてあった。投票率が低そうなので、組織票を持つ現職の青木英二氏(民主、公明、社民推薦)の勝利だと予測していたら、結果はその通りであった。

区長選には青木氏のほか共産党推薦無所属の松尾信彦氏、元自由党区議の無所属土屋克彦氏、もう一人無所属の後藤輝樹氏の四氏で争われたが、結果をみると青木氏の獲得票数は、三氏の合計獲得数よりも多い。区民は青木区長が進める福祉政策切り捨てまでして区内の高速道路ジャンクション屋上に13億円もかけて回遊式の”天空の庭”を建設する政策を支持した結果になってしまった。

今回の区長選でおかしいと思ったことがいくつかある。その一つは区議会で最大の会派である自民党が独自の候補を立てず、どの候補も推薦しなかったことだ。”レバタラ”かもしれないが、自民党が候補を立てれば、青木区長の再選は阻止できたに違いない。僕は民主党色が強く、”天空の庭”みたいな放漫政策を進めるアンチ青木のために心ならずも他の候補に一票を投じた。自民党はかっては地元との結びつきの強い政党であった。近い将来予定されている国会選挙で、地域政党の躍進が噂されている。区長選挙といえども自民党の名前を有権者に訴えるよいチャンスだったのに残念なことだ。

           「ハポン」さんは慶長使節の末裔か?

2012-04-22 06:47:29 | Weblog
昨日、スペイン協会の文化交流の集い「ドンキホーテ.クラブ」で慶長使節の末裔かといわれる「ハポン」さんについて雑談した。スペイン南部のセビリアに近いコリア,デル.リオの町周辺には「ハポン」(スペイン語で日本)性を持つ人が800人位いて、この人たちは17世紀初め伊達政宗が欧州に送った慶長使節団の末裔ではないかーという説がある。読売新聞(4月11日)によると、名古屋大学などの日本の研究チームが、近く現地の「ハポン」さんたちの協力を得てDNA調査をしてこの説の真否を探るとのことだ。

慶長使節は1614年10月メキシコ経由でスペインのサンルカールに上陸、グアダルギビル川を遡かのぼってコリア.デル.リオという小さな町に4日間滞在、その後マドリッドで国王に謁見、ローマで法王に会った後、再びスペインに戻り、コリア.デル.リオに今度は帰国の船待ちのため9か月滞在している。多分、慶長使節の正使、ルイス.ソテロ神父が、この町の貴族の出身だったからだろうといわれている。

読売新聞の記事によると「ハポン」さんの子供にはアジア人しか出ない蒙古斑を持つケースがあり、使節団の支倉常長の守備隊長といわれる滝野嘉兵衛の裁判記録も現地に残っているという。名古屋大学などの研究班は「ハポン」さんたちのゲノム(全遺伝情報)の解析を行い、慶長使節団のサムライたちの末裔であるかを調査する。

このニュースを知って、僕は幕末、ロシアのプーチャーチン使節団一行500人が安政大地震の津波とその後の暴雨風で乗船を失い、帰国の船建造のため静岡県の戸田(へた)港に6か月滞在した時のことを想起した。帰国後戸田の小さな町には何人かのロシア人と現地女性たちとの間の混血児が誕生したという。慶長使節団の宿舎はキリスト教会、ロシア人たちの宿舎は戸田の仏教のお寺だったそうだが、男と女の関係には宗教など関係はない。「ハポン」さんたちの話は「ドンキホーテ」の作者セルバンテスの時代のことだ。