「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

新聞休刊日が年2日しかなかった「全舷」の想い出

2022-06-13 09:44:16 | 2012・1・1
6月13日は全国の新聞が一斉に休刊する「新聞休刊日」である.。1991年からは月に1回、特別な日が設定されているが、老生が入社した53年頃までは年に新年と確か秋のお彼岸と2回しかなかった。新聞は1年365日のうち364日休まず家庭に配られた。

休刊日のことを当時、業界言葉で”全舷”と呼んでいた。”全舷”とは昔の海軍の俗語で水兵さんたちが航海を休み全員、休みを取る日のことを言ったのだが、新聞社でも記事を書く第一線の記者から、茶の間にこれを配達する販売員に至るまで全員仕事を休んだ。

全員そろって顔を合わせる機会はめったにないので、”全舷”には1泊旅行で温泉地に呑み旅行に行くのが常であった。戦後10年近く立っていたのだが、まだ酒の調達が難しい時代で、宴会の幹事役は闇の安酒をさがすのに飛び回った。日ごろの仕事のうっ憤もあって酒の上のもめごとも多かった/。

往時のツワモノも半世紀を経た今、既にこの世を別にしている。ニュースの量も酒もすてるほどあるが老生にはついていけない。

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