「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              自民党の人気と紋付袴姿

2012-01-31 07:32:47 | Weblog
昨日の参院本会議で自民党の中村博彦議員が紋付袴姿で野田総理の施政演説に対し質問した。ネットには早速”浪曲調”との批判が出ていた。僕のような老人がみても、なにか大時代がかった話ぶりだ。申し訳ないが、あまり聞いたことがないお名前なので調べてみたら四国比例区選出の徳島では有名な先生のようだ。一緒にテレビで演説を拝聴していた老妻はコクリコクリし始めた。

自民党の人気が低迷続けている。鳩山、菅と二代にわたる失政で、今こそ民主党政権追い落としのチャンスだと思うが、一向に人気がわかない。共同通信の今年に入ってからでの世論調査でも民主党支持19・3%に対し自民党は19・6%と同じような支持率である。理由は何なのだろうか。政権交代前の古いイメージ調査だが、自民党のイメージで最も多かったのは”傲慢”で”ボスの集団”というのもあった。小泉進次郎自民党青年局長は”イメージを変えなくてはならない”といっているが、変わっただろうか。

紋付袴姿が悪いというのではない。進次郎氏の父上は紋付袴で公約通り靖国神社に参拝した。紋付袴は昔から公式行事のさいの礼服である。中村議員の意図は知らないが、新年の通常国会だからといだけなら、今年はあまり時を考えないのではないのだろうか。大震災後の現況を考えれば、むしろ防災服で登院し、政権の復興の遅れを追及されたほうが、大向こう受けしたのではないだろうか。中村議員の紋付袴から自民党の人気の低迷がわかるような気がした。

                 春を告げる梅一輪

2012-01-31 07:09:19 | Weblog
日本海沿いに今年は稀にみる豪雪である。心からお見舞い申し上げます。でも季節は確実に移っている。東京も毎日寒い日が続き老いの身には一入こたえているが、わが家の”猫の額”ほどのベランダの寒白梅が一輪、二輪ほころび始めてきた。1月も今日で終わり。明日からは2月である。春よ早く来いの心境である。(赤い花はアロエです)

           老人性難聴にはIT機器を!

2012-01-30 07:07:38 | Weblog
昔から”耳の遠い人は長生きする”という。医学的根拠があるのかどうかは知らないが、僕の周囲の90歳以上の先輩には確かに多い。一番困るのはお互いのコミュニケーションだ。電話では応対できないし、FAXもない人が多い。だから急用な場合でもない限りも連絡をとらなくなる。

今のところ僕は耳が遠くて日常的に困ることはないが、暮れから新年にかけて帯状疱疹にかかったためか、最近右耳が”耳鳴り”し始めてきた。”耳鳴り”は老人性難聴の前兆と聞いていたので先週、近くの耳鼻咽喉医院で検査してもらった。結果はよく判らないが、医師は薬局で点鼻液を買うよう処方箋をくれた。帰宅して多少医学知識のある娘に、この話をしたら”あまり心配することはない”とのことだが。

老人性難聴には個人差があるようだ。97歳の先輩はまったく耳は遠くなく、自由に電話で会話ができる。しかし、僕と同じ世代でも補聴器の世話になっている者もいる。メールでやり取りしている仲なら、くだらないことでもやり取りできるが、FAXだと大事だし、僕らの世代でもFAXをもっていない者が多い。結果とし昔親しかった友人関係はどうしても疎遠になってくる。もし高齢者と同居している家庭があるならば、親孝行と思い、パソコンを買い求め求めて使用法を伝授、あるいはケータイがあるならば、電話機能だけでなく難視聴の老人でも使用できるように教えて欲しい。

              石原さんシャッフルしないで!

2012-01-29 07:05:48 | Weblog
石原慎太郎・東京都知事が国民新党の亀井代表、たちあがれ日本の平沼代表との新党結成について協力の意向を示した。「今の国会の政治構造をシャッフルする必要がある」というのが協力の理由だという。石原知事は今年9月の誕生日をむかえると、80歳。お元気で何よりだが、今さら国会構造をシャッフルしても始まらない。政界が混乱するばかりである。お年を考えてあまりハッスルされないで!

シャッフル(Shuffle)とはトランプを混ぜてきるという意味もあるが、足を引きずって歩くという意味もある。むろん石原さんは前者の意味で使ったと思う。しかし、今の国会の実態を見ると、ただ、かき回して、きるだけでことが済むのであろうか。先日国会中継をテレビで見たら、足を引きずるどころか衛視に抱えられてやっと登院する元総理の痛ましい姿もあった

シャッフルの震源地は、また亀井、平沼両氏である。亀井氏も今年76歳の後期高齢者、平沼氏とて73歳。一般社会ではお年寄りの仲間である。失礼だが、僕らがみても過去の政治家にうつる。さらに失礼な表現でいえば、石原さんがいうところの”不満分子”ともみえる。

昨日の土曜日、首都圏では富士五湖付近で震度5の地震を記録した。東北関東沿岸を震源とする余震もまだ収まっていない。僕を含めて国民は何か心理的に不安を感じているのではなかろうか。とくに末期高齢者の僕は心の中で平穏無事を願っている。そこへきてこのシャッフル騒ぎである。はっきりいって国民の大半は政治の安定を一番期待している。確かに国会は機能していない。しかし、その国会をシャッフルしても始まらない。石原さんは幸い立派な息子さんに恵まれている。もう息子さんに譲られては如何がー。

           ジャカルタ工業団地ブカシのデモ

2012-01-28 07:37:48 | Weblog
ジャカルタ(インドネシア)のベッドタウンの工業団地ブカシで1万人の労働者がデモが続いている。労働者の要求は経営者協会が最低賃金が高すぎると引き下げたことによるものらしい。この工業団地には日系企業が多く、示威行動で生産活動にも影響が出たところもあり、高速道路が封鎖されたため流通にも影響が出始めているようだ。

インドネシアはここ数年6%台の経済成長率に支えられ国民の生活は豊かになっている。楽観的な予測によれば、その経済規模は2016年には韓国を2024年には日本を追い抜くとのこと。昨年11月、僕はインドネシアを駆け足旅行したが、たしかに旅行者の目から見てもインドネシアの成長ぶりがうかがわれた。

つい20年前ほど前までは、何か事があるとインドネシアでは住民が騒ぎだし暴動が起きた。そしてその犠牲者は華僑で、華僑街が焼き討ちされた。最近は住民が豊かになったこともあり、こういった騒ぎは収まってきた。今、ちょうど中国の旧正月、昔だったら、金持ちの華僑に対する妬みから暴動がよく起きたものだった。

敗戦の年、10月19日、今回デモがあったブカシでジャカルタから列車で移動中の海軍第五警備隊の竹下大佐一行86名が、住民に襲われ近くの河原で全員惨殺されている。理由はバンドンの日本軍が住民の武器引き渡し要求に応じなかったからであった。一行はインドネシア側の正式な移動承諾書を持ちバンドンの集結地に向かう途中の出来事であった。

インドネシア人は普段はおとなしいが,興奮してアモック状態になると、法もあったものではなく怖いと、物の本に書いてあった。ブカシのデモが大事にならず終息することを願っている。

        後期高齢者医療制度の廃止はいつになるの?

2012-01-27 07:53:03 | Weblog
昨日の国会の野田総理の施政演説に対する質問に立った自民党の細田博之議員が民主党のマニフェスト破りの一つ、後期高齢者医療制度の廃止問題がどうなっているのか珍しく取り上げてくれた。何度も同じことを書いて恐縮だが、2009年の総選挙の前、当時の鳩山由紀夫・民主党幹事長や幹部のお歴々が東京の”おばあちゃんの原宿”に乗り出して「後期高齢者医療制度は”現代版おばすて山”だ。政権をとったらすぐ廃止する」と大声を上げていた。

答弁に立った野田総理は、形通り後期高齢者医療制度に代わる代案が厚生労働省の何とか委員会でまとまり今期通常国会に提出されると答弁した。僕も後期高齢者の一人として多少この問題に関心を持っているが、たしかこの代案は、国と地方自治体の間の資金の配分をめぐって依然解決されていないと聞いている。時間的にみて今通常国会で成立をみなければ、2013年からの実施は出来ない。

昨日の夕方40年来の友人から電話があり2月5日、久しぶりに飲まないかと誘いがあった。僕はまだ寒いしもう少し温かくなってからにしようと断ろうとしたら、それを見据えたかのように”春になってからではダメだ”と元ラガー氏は強引だ。暮れから新年にかけて旧友の訃報があいついでいる。そんな気持ちもあって元ラガー氏と飲むことにした。

後期高齢者の廃止を民主党が言い出してからすでに3年になる。かりにこれに代わる代案が今国会で通過してもまだ2年先である。80歳だった老人は85歳になる。しかも僕が理解している限り、鳩山元幹事長が獅子吼したような老人にとってバラ色のものではない。野田総理の国会答弁を聞いて僕は同情した。過去二人の総理の失政の”尻拭い”と”開きなおり”にすぎない。総理の気持ちは解るが、ここは政局より大局、解散総選挙よりない。


               着物姿の議員に違和感

2012-01-26 07:13:10 | Weblog
先日通常国会の開会式の模様をテレビで見ていたら所どころの議員席に華やいだ和服姿の女性議員と紋付袴の男性議員が見られた。率直な第一印象は、この国難(野田総理の言葉)の非常時ともいえるときに、この議員たちは何を思っているのか、と違和感を感じた。しかし、これは僕の不勉強であって、和服姿の議員たちは「和装振興議員連盟」所属の先生方で、毎年新年の通常国会には和服姿で登院する慣わしなのだそうだ。

新聞に”呉越同舟”という見出しで、民主党の前原政調会長と自民党の谷垣総裁が池坊保子公明党議員を中に挟んでニコニコ顔で記念写真に収まっていた。”何のことはない。和装振興が目的だといっても三人とも京都が選挙地盤の先生方だ。和服振興に名前を借りた選挙運動といわれても仕方がない。

女性の着物姿は華やいだ新年にはふさわしい。国会のご婦人方とて同じだが、時と場合があるのでは!。僕が末期高齢者になったのかもしれないが、今年の国会はおやめになったほうがよかったのではないかと思う。大震災から10か月経過したのに、まだ数万人の方々が仮設住宅暮らしだし、東電福島第一原発事故で故郷に戻れず避難している方々も沢山いる。

残念ながら日本伝統の着物は年々衰退し今では成人式とか卒業式だけぐらいしか見られなくなった。男性の紋付袴姿に至っては大相撲とか歌舞伎の世界にしかみられない。僕も昭和45年、札幌に転勤するまでは東京の自宅では着物を着ていた。この伝統ある和服を後世に伝え振興させたい気持ちはじゅうぶん理解できるが、政府は3月11日には国を挙げて大震災犠牲者追悼式を行うといっている。やはり、僕は着物姿の議員姿に国民との違和感を感じる。その姿ではなくその気持ちにである

          野田総理の“隗より始めよ”施政演説

2012-01-25 07:26:58 | Weblog
昨日テレビで野田佳彦総理の通常国会開始にあたっての施政演説を聞いた。1時間近くに及ぶ堂々としたもので感心した。ご本人が書いたものかどうか知らないが、とにかく美辞麗句を駆使し、外国語を多用した演説で”学のない”者にとっては、ただ驚きの一字であった。その一例。”隗より始めよ”という中国の故事からの引用。野田総理は”(これは)政治と行政を担う者が国民の皆様に示さなければならない矜持です”といった。が、僕を含めて果たして国民の何人がこの故事の意味が理解できただろうか。

まず”隗より始めよ”(漢時代の書 戦国策の燕策)の意味。三省堂編「慣用句ことわざ辞典」は”人にこのようにしろというよりも、言い出した自分がまず始めなさい”という意味だと説明している。おそらく野田総理は消費税増税を国民に強いる前に、政府や国会議員が議員手数を削減したり、公務員の給料を下げるべきだ、という意味で引用したのであろう。しかし、本来の意味は、この「慣用句ことわざ」辞典によれば
”戦国時代に燕の国王が、賢者を国に招こうとした時、その臣の郭隗が”王がまことに賢者を招こうとするなら、まずこの隗(自分)を優遇してごらんなさい”ということだそうだ。なにか自信満々の総理を示唆するようにも取れる。

昨日の総理の施政演説をはじめ玄葉外相の外交演説、安住財政相の財政演説、古川経済相の経済演説どれをとっても立派なものだ。野田総理は1957年生まれだが、あとの三人は1960年代の生まれで若さに満ち清新な印象を受けた。しかし、俗っぽい言葉で恐縮だが、若さがゆえにすこし肩に力が入りすぎていたのでは。美辞麗句の優等生演説よりは、いま国民が期待しているのは、まさに政局より大局である。党内に政局好きの御大がいては大局といっても野党はうかうか話にはのれないのでは。

        首都直下型地震の確率と防災対策のスピード化

2012-01-24 08:01:56 | Weblog
首都直下型M7級の大地震が4年内に70%の確率で起きるという試算が東大地震研究所の研究チームか出た。従来言われていた政府の地震調査研究推進本部の推算評価は”30年以内に70%”だから、かなり高い確率となった。末期高齢者の僕でも”4年以内”といえば、生きていて大地震に遭遇する確率は大きい。もう少し地震対策を真剣に考えなければならない。

いたずらに地震を恐れる必要はないが、政府はきちんとした防災対策をしているのであろうか。大地震に備えて文部科学省が緊急地震速報システムを利用して防災訓練モデルと教師向け指導カリキュラムを4月以降に作成するという。東日本大震災の際の大川小学校の悲劇を繰り返さないようにしようというのだろう。当然なことでだ。もっと早く実施してもらいたいものだ。

大地震に備えて文科省は2015年に向けて”できるだけ早い時期”に全国の公立学校校舎の耐震化を進めるというHPを見た。古いHPのデータかもしれないが、今すぐに首都圏に直下地震が起きたならば、1万1千人が死亡し、被災額は国家予算にも匹敵するという推算もある。にもかかわらず東京都内の公立学校の耐震構造化率は73・3%にすぎないという。しかも、その非耐震校舎は、都の都市整備局が総合危険度上位にランクしている下町に集中している。

僕のような素人がみても、たまに関東大震災で大被害が出た東京の下町に行くと耐震化されていない古い木造住宅が多いのに驚く。大地震が起きれば倒壊は間違いない。”できるだけ早い時期”だといわず、危険度の高い学校の校舎の耐震化ぐらいはすぐにも実施すべきである。でも、肝心のわが家は大丈夫なのだろうか。耐震チェックは、どこに頼めばやってもらえるのだろうか。基本的なことさえわかっていない。