「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

稀勢の里の負傷とワイルドになった最近の大相撲

2017-03-25 06:48:31 | 2012・1・1
大相撲3月場所の13日目の昨日、全勝の稀勢の里が、同じ横綱の日馬富士の速攻相撲に寄り倒されて左肩を強打した。苦痛の表情を浮かべて救急車で運ばれる姿から多分、今日14日目の出場は無理だろうと思っていたが、本人の意思で強行出場するようだ。先場所初優勝して横綱に昇格、今場所も初日から勝星を重ねてきただけに本人の土俵への思いは強いのだろう。

稀勢の里の負傷について、モンゴル人の元横綱、朝青龍が”稀勢の里が負けた瞬間、力を抜いたのが原因だ”と言っているのをネットで読んだ。日下(ひのもと)開山を極めた横綱の言だから、その通りなのかもしれないが、双葉山時代から大相撲を見てきている僕に言わせれば、最近の相撲にケガが多いのは、ワイルドな張り手をまじえた”ケンカ角力”が多くなってきたからだと思う。この先鞭をつけたのは朝清龍で、大横綱といわれる白鵬にも受け継がれている。

双葉山時代から戦後すぐの時代にかけての第39代横綱、前田山は横綱在位6場所、勝率史上最低という不名誉な記録を持つ力士だが、一方では双葉山打倒を目指して、当時としては禁手に近い張り手相撲で旧両国国技館の鉄傘の土俵を沸かせたものだ。敢闘精神がもてはやされた戦時下であったが、何故か前田山の張り手は評判が悪かった。

今場所の番付を見ると、モンゴル出身力士が横綱二人、大関一人を含め幕内力士が十人もいる。そのうち二人がケガで欠場している。やはり、モンゴル相撲特有のワイルドな粗暴な取り口が原因しているのではないのだろうか。相撲は日本の国技である。”ケンカ角力”は見ていてもあまり良いものではない。国技であり、力士のケガをなくすためにも、一定のルールを設けたほうがよい。