大切にしていること

自分のことばかり話す人だった。
今もそうかも。
こんなことやった、こんな人と知り合いなんだよ。
終わったことだし、すごい人は私が何かできるということとは全然関係ない。
自分に何もないし、自信がないから誰かに縋っていたんだろう。
それが悪いこととは思わない。
だけど美しい所作ではない。

自分は他人が決める。
今はそう思っている。
だけどそれは他人の目を意識して生きるっていうのとは違う。
他人が決めた私を素直に受け入れることができるかどうかが重要だと思うんだ。
その評価が違うと思うんだったら我を貫けばいいし、
そうそうそんなとこあるよなあって思えば修正すればいい。
大切なのは一度でも耳を傾けることが出来るかどうかだ。

人は自分を甘く見積もる。
褒めてくれる人とつるむようになる。
そこで怠惰な波に飲み込まれない大きな才能があるのならそれでいい。
だけど普通の人は常に厳しく自分を見積もるべきだ。
古今亭志ん生の言葉をいつも胸に抱いている。

他人の芸を見て、 あいつは下手だなと思ったら、 そいつは自分と同じくらい。
同じくらいだなと思ったら、 かなり上。
うまいなあと感じたら、 とてつもなく先へ行っている。

その通りだと思う。

どちらも必要。

近所の魚屋が10月末で閉店した。
鮭の切り身と蜆が好きで、あとアジフライやホウレン草のおひたしなどの
惣菜もおいしく、何より具の少ない小ぶりの巻きずしが好物だった。
先月には高校生のときからたまに行ってたオムライスのおいしい洋食屋が、
先々月には中学生のときから行っていたチキンカツ定食のおいしい定食屋が閉店した。
店が閉店するのにはいろんな要因があるだろう。
だけど利益が上がっていれば続いていく可能性は高いと思うんだけれど、
そんな簡単なことではないのかしら。

大型店があちこちに出来、全国チェーンの店が席巻する。
かたや、○まるマルシェや○○市などのように、そこで販売したものの売り上げを
きちんと税務署に申告しているのだろうかと思うイベントもあちこちに溢れている。
店舗を持つ個人店は四面楚歌だなあと思うときがある。

だけど、がんばっている店もたくさんある。
こんな時代でも、新しく始める店もある。
いい悪いじゃなく、私はそういう店に出来るだけ行きたいと思っている。
そう重要なのは出来るだけってところ。
全部っていうのはちょっと違うんだ。
大型店にだってチェーン店にだって行く、だけど、できるだけ個人店に行くようにする。
っていう感じ。
このバランスが逆転した世界になったとしたら、私は大型店とチェーン店にできるだけ
行こうと思うだろう。

どちらも現在あるんだから共存する道を考えられるといいな。
私にはどちらも必要なんだ。