「波間」
波と波との間が波間なのかい?
でも、波ってひっきりなしに来るものじゃないのかい?
そうしたら、波間なんて無いじゃないか。
存在しないものにも名前をつけるのか?
人間って生き物は理解不能だよ。
でも、波と波の間があるのなら、
見てみたいと思わないかい?
静止画なのか、
写真なのか、
絵画なのか、
なんでもいいさ、見てみたいんだ。
波と波の間が存在するのなら、
それはそれで、世界は明るくなるかもしれない。
波と波の間に入ってみたいだけなんだ。
波と波との間が波間なのかい?
でも、波ってひっきりなしに来るものじゃないのかい?
そうしたら、波間なんて無いじゃないか。
存在しないものにも名前をつけるのか?
人間って生き物は理解不能だよ。
でも、波と波の間があるのなら、
見てみたいと思わないかい?
静止画なのか、
写真なのか、
絵画なのか、
なんでもいいさ、見てみたいんだ。
波と波の間が存在するのなら、
それはそれで、世界は明るくなるかもしれない。
波と波の間に入ってみたいだけなんだ。
持ってきてあげようね
現実に諦めをつけてからの私は面白いように落ちてゆきました。
精神の堕落です。
堕落は一度その気持ちよさを知ると落ちていくばかりです。
あの、いつも細心の注意を払って自分の強すぎる美意識にしたがってあらゆるものをつくり、行動し、発言し、考えていたころとは違います。
もう、何かを一生懸命創り上げた後に、それを誰かに台無しにされるのはまっぴらなのです。そして台無しにする人というのはだいたいがそのつもりはなく、しかしそれが私をひどく傷つけるものであったのです。
それは私には愚鈍な者としか思えません。
あの傷は深く、さらに、どうせ誰かに台無しにされるよりは、自分自身で自分を台無しにしよう、という考えまで無意識になっていました。
もはや生きがいはなくなります。
本領を発揮すればすごいものができるのに、怖がって何も出来なくなりました。
世間でたいしたことない人が成功しているのをみても、もはや何も出来ません。
世間の人のある愚鈍さ、に傷つくばかりの私はやってられない、ということでぐれ、どうせ世界は…、と、全く希望もなにもなくし、世界の美しさなんて信じられないで、がんばること、をやめたのです。
影からもてはやされる人を見て、あれがどうして、と、ため息をつくばかりです。
私は周囲の人の目がそれほどものを見ていないこと知っています。
私は影からものを見抜きくらしています。
しかし、この世間には向かなくなった頭と心は、隠遁生活のようにそれを見送るだけです。
能ある鷹はつめを隠す、といいますが、いまや奥底にしまっている私は、隠しているとは誰も思わないでしょう。
現実に見切りをつけたのは、早すぎました。
私は若くして過度のストレスからこの世と精神的な断絶を余儀なくされたのです。
繊細すぎることは、芸術家の特徴ですが、まさにその繊細さはこの大都会では全く暮らしていくのによくはないものなのです。
人気のない田舎でなら、私のその感受性の豊かさをのびのびと発揮できたかもしれません。
私にはいつも暮らしずらい都会でした。
いたとしても、無駄な退屈をむさぼっていたようです。
私はまた沖縄に行きます。
そこで、海と自然に癒され、気ままに絵を描いたり、何かを作ったりすることに没頭する予定です。
また、シュノーケルをいっぱいして、この都会での四ヶ月で満たされなかった心を目いっぱいに満たすほど、海に洗われ、魚や珊瑚に喜ばしてもらおうと思います。
海の中は本当に美しい。
美術館の絵や人の作ったオブジェなんかよりも、自然のつくった色彩と形のすごさ、本物の美しさを存分に見てきたいと思います。
4月30日の上原ひろみの武道館コンサートを見て、そして東京に別れを告げます。
私にはもう一度、この世の美しさを目の当たりにしないとやる気が全く湧かないようです。
都会は美しくはありません。
美しい場所にいないと生きられないほどに心が弱ってしまっているのですね。
東京に見切りをつけ、私を追い出したところへはもう戻らずに、私の霊感のわく今なお天から祝福されているところへいきましょう。
私は動物に戻りました。
そしてそれからがやっと私の安息の人生の始まりだったのです。
もう私は思う存分に自分の才能を発揮でき、それがいかせられるのです。
多くをなくすと残るのは最後には、その自分自身だけなのです。
幸いその自分自身が良く分かり、照らされるので、喜びの大きい人生が待っているのです。
本当に欲しいものだけ手に入るのは幸せというものでしょう。
同時に、それ以外は何もいらないというきっぱりとした凛々しい生き方です。
しかし、都会にいては絶対に欲しいものは手に入らないからあきらめていたのが、いざこの手に入るところへ行くとこんなにもやる気が湧くのかという、
人間のしくみをこの間の滞在で知りました。
美意識による行動、発言、思考。
愚鈍な者。
無意識と生きがいと世間。
隠遁生活と鷹の爪。
現実と断絶。
繊細と芸術家と大都会。
無駄な退屈。
都会での四ヶ月と沖縄。
霊感と祝福。
動物と安息。
幸せと凛々しさ。
祈りとは、経験したすべてに意味を与えようとすることである。
(アラン・エクレストン)