庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

茶青について 本来の茶青とは

2019年03月06日 | 水戸の梅

偕楽園の茶青(A2-138と思われる)
茶青については不勉強でいまだにこれぞ茶青という花がどれなのか迷っています。
このたび羽根木公園の小嶋ボランテアさんと知り合いになったことが縁で、小嶋さんが撮影された茶青の花の写真からこれぞ茶青と思い管理事務所にお願いして枝をいただてきました。

羽根木公園の茶青:雑草撮影

羽根木公園の茶青の徒長枝:雑草撮影
え。っと思ったのは、萼が緑一色で枝も緑一色。まるで青軸でした。


先日、府中郷土の森の新茶青を見てきました。これも青軸のようでした。
詳細は見比べていませんが、ちょっと見たところ、羽根木公園の茶青と府中郷土の森の新茶青が似ているようです。


これは神代植物園の一重茶青です。萼は緑一色ですが、枝は青軸のようではなかったように思います。
いずれがまことの茶青なのかいまひとつ判然としません。


これは梅図鑑の茶青の画像です。
花の後ろの蕾の萼は茶色で、緑色の部分も見えます。
以下はこの図鑑の説明です。
  青白の極大輪。大抱え咲きで芳香が強い。花形は極めて端正であり品格が高い。茶青花は青軸性の青軸では なく野梅性に入っている。茶 の花に似ているところから名づけられたという仮説もあるが、東京の群芳園に は、愛好家の平尾彦太郎氏から受け継がれたという茶青花が ある。茶青花にはこの他八重咲もある。開花期 は2月下旬から3月中旬。
この説明で、茶青花は青軸性の青軸ではなく、野梅性に入っている。とわざわざ断っているのは、青軸性で茶青と名乗っているものが出回っていることへの言及とも思われます。
または、萼が緑一色なので、青軸と思いがちだが青軸ではない。と言っているのでしょうか。

次に江戸時代の梅図鑑 韻勝園梅譜です。

これは韻勝園梅譜の茶青梅のページです。右端の絵が茶青梅です。これは原本ではなく、書き写された複製で、神代植物園所蔵本が記念誌に載ったものを撮影したものです。
ということで、絵は必ずしも正確とは言えないかもしれません。説明は次のようです。(現代訳)
  茶青梅は一重の大輪で澄んだ白色である。へた(がく)は青色と茶色が混ざり、花ごとに下をむく。茶の花 によく似ている。花糸は他の花より短い。白梅の絶品といえる。香気もまた少なくない。桃の台木に接ぐと長 持ちしにくい。梅の台木に接げば大輪となり木もまた栄える。

韻勝園梅譜の説明文に照らして偕楽園の茶青を見てみると。

確かに萼は青色と茶色が混じっています。花も下向き傾向にあるようです。
花糸の長さは他の花と比べて短いとは言いにくいようですが、長いほうではなさそうです。
偕楽園と弘道館には何本かずつ茶青がありますので、以上のような観点から、これぞ茶青と思われる木を茶青の保存品種に撰んではいかがかと考えます。

最有力候補は偕楽園の東梅林の茶青花と思いますが、保存品種に決定するには詳細な比較が必要です。
コメント (2)
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