庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

古典的な梅黄金梅と酈懸梅 花弁のついている酈懸梅の花を探す

2019年03月03日 | 水戸の梅

黄金梅 水戸市植物公園
黄金梅は花弁が細く、雄しべの黄色が目立つ花です。酈懸梅に似ています。
 
 鎌倉の瑞泉寺に黄梅という鎌倉市特別天然記念物に指定された梅があります。
瑞泉寺の立て札には次のように説明されています。
    鎌倉市特別記念物 黄梅 オウバイ
  「 江戸時代から知られた梅の品種で花弁はやや退化して帯黄色 この木により牧野富太郎博士はオウバイの学名を付けられた。」
この黄梅は江戸時代の梅図鑑「韻勝園梅譜」の黄金梅と同じではないかと思います。

これは韻勝園梅譜の中の黄金梅です。
説明(現代訳)は次の通りです。
「一重の黄色で小輪である。花弁はもっとも細い。花は多くは付かない。枝を切ると大きく傷む。育て上げて古木になると花つきがよくなる。その姿を黄金揃えにたとえてこの名をつけた。また黄香梅ともいう。」
 園芸家はかつては一時期、鎌倉黄金としていたようです。というのは、現在のひたちなか市で作出された勝田黄金という梅があったそうです。この勝田黄金は今は見ることができませんので、鎌倉黄金を黄金梅と言っていると思います。
偕楽園では水戸市植物公園の黄金梅を接木したものが苗木畑にあると思います。数年後には見ることができると思います。


偕楽園の酈懸梅
 黄金梅によく似ている酈懸梅は偕楽園と弘道館に合計20本以上あります。この時期は満開の木や咲き始めた木がたくさんあります。
酈懸梅も江戸時代にはよく知られた梅で、韻勝園梅譜に記載があり、神代植物公園の梅林に説明板が設置されていました。

これはその説明板の写真です。韻勝園梅譜に描かれているのは右側で白い花弁がついています。左は現在の梅林の花で、花弁がついていません。
韻勝園梅譜の説明は下記のとおりです。(現代訳)
「酈懸梅は黄金梅に似て、はなびらは黄色で、いたって小さな白弁がすこし出る。これも奇品である。」
この韻勝園梅譜の説明通りに、小さな白弁が出た花を偕楽園で発見しました。

酈懸梅の花弁は咲く時期が遅いほど花弁は出やすいようです。花弁の出ている酈懸梅の花を探して回るのも探梅のひとつと言えそうですね。






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