庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

戦前に名前を間違えられて売り出された梅の木が今も残っている

2018年02月25日 | 水戸の梅

この梅の木は戦前に名前を間違えて売り出された「東錦」と思われる梅の木です。

名札は「塒出の鷹」ですがピンク色で八重咲き、枝は錦性です。

およそ12年ほど前に雑草が偕楽園の梅の木のうち、名札のある梅の木の花の写真を撮ったときに、名札の「塒出の鷹」は一重のはずなのに、八重咲きの花を咲かせていることに疑問を持ちました。

昨年偕楽園の梅の管理者根本氏より増井徳三郎氏の「梅花さまざま」という資料を見せていただきまして、この謎の「塒出の鷹」が増井氏のお話しになっている「東錦」ではないかと思えるようになりました。

記事の内容は概略以下のような内容です。
『平尾さんが作ったかなり太い木を、苔芳園さんが持っていたのですが、弱ったので前の家(御殿山華壇)で預かっていたのが恢復して元気になったので、接いで殖やしたのです。
ところが、苔芳園さんが預かった時に「塒出の鷹」の錦性だと聞いていたので、その名で売り出しちゃったのです。それが、後になって、実際は「東錦」だと分かったので、一応訂正はしましたけど、今だに「塒出の鷹」で通っている所があります。これは戦前の話しですが、恐らく平尾さんが間違えたのでしょう。あれだけの大家でさえ間違えるのですから・・・・。かなり注意していても、どうかすると混ざることがあります。・・・・』



この謎の「塒出の鷹」は田鶴鳴梅林にあります。
またちょっと若い木ですが同じく「塒出の鷹」の名札がついている木が南崖にもあります。これは恐らく謎の「塒出の鷹」から苗木を作ったのかもしれません。
偕楽園には名前が違っているのではと疑問に思う梅の木がいくつかあります。偕楽園が名札を間違えてしまう場合もあるかと思いますが、苗木を購入した時から、あるいは寄贈されたときから間違えられていることも多いようです。
 しかも戦前に名前を間違えられたものがそのまま残っている例もあるとはおどろきです。田鶴鳴梅林は寄贈された梅の木であるときいていますので、間違えた名前で購入された方が、そのままの名前で偕楽園に寄贈されたものと考えられます。
こうなると歴史的記念樹といえるのではないでしょうか。

なお正真正銘の「塒出の鷹」は東門から藤棚へゆく園路の途中に植えられています。花は来シーズにならないと見られないでしょう。
コメント (2)
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