武蔵國日記(むさしのくににっき)

土佐日記にあやかって、「女もすなる日記といふものを、中年男もしてみむとてするなり」

日本は豊かになった その1

2018-10-30 07:41:46 | 随筆
カレーショップ 「ボルツ」
40代以上の方ならこの名に聞き覚えがあるだろう。
その昔、一世を風靡したカレーチェーンの名前である。

本格派のインドカレーと辛さが選べる販売スタイルが昭和の時代には極めて斬新だった。

当時、カレーといえば欧風スタイル。
カレー粉から作った甘めで粘度の高いものとされていたが、
本格インドスタイルとされるほとんど具の形を残さず、水分の多いボルツのスパイシーなカレーは、田舎者の私には衝撃だった。
また注文者の好みに応じて辛さを変えてくれるというのも、
当時としては革命的だった。

さて、何故に本稿を起こしているかと言えば、、、。
昨夜、そのボルツの味を残すとされる数少ない生き残りのカレー屋さんに足を運んでみた。
場所は、千葉県の某所。
昭和の時代の名残を残す本当に凝ったしつらえの店の中に入って、
40年振りにそのカレーと対面した。

昔ながらの銀盤に盛られた硬めに炊かれた白いご飯とサラサラのインドカレー。
まさにボルツのカレーだった。
真っ赤な福神漬けとらっきょうがお約束の時代に、自家製のピクルスが付いてくるのもその当時と同じ。
一口食べて、その当時の記憶が蘇ってきたのは言うまでもない。
そして相変わらず美味しい。

しかし、何か違和感を感じた。
味ではない。美味しいのだから。

心の奥底の声に耳を傾けながら完食した。

(文字数が多くなったので、違和感の内容は明日へ)


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