凶弾に倒れる

いま世界中で「力による支配」が横行しようとしている。

ロシアのウクライナ侵攻しかり。
中国の香港支配・台湾侵攻計画しかり。

本来ならば、大国と呼ばれる国々には、ノブレスオブリージュの思想があるべきと考えるし、
また国連の安全保障理事会常任理事国には、そういった振る舞いが求められるし、
またそう振る舞うだろうと暗黙の了解があったのだと信じるが、
今の現状はそうではない。

安倍さんが本日午前、遊説先で何者かに撃たれた。
二発の散弾だったとの報道があるが、現時点では確認されていない。

さて、その安倍さん。
総理大臣在任中から、「力による政治」を信奉し、
議論を嫌い、そして問答無用の強引な我田引水の権力行使を行ってきた。

その安倍さんが、問答無用の凶弾に倒れたことは、
なんとも皮肉なことであり、また象徴的なことである。

力を信じるものは、より暴力的な力によって支配される。

生命が助かり、これまでの手法を改める機会が与えられることを祈る。

帝国主義が蔓延り、気に入らない政治家を暗殺する。
第二次世界大戦前夜に世相が似ていることを危惧する。

『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる』」
『新約聖書』「マタイによる福音書」26章47～52節