沖縄、南西諸島、そして関東でも横浜港に米軍の新部隊が常駐!? イージスアショアの不備が露呈して、いい加減な米国のいいなりに軍備を強化しながら、その実、精査もせずにいる政府の姿勢が露呈したと思いきや、それを逆手にとって、あろうことか「敵基地攻撃能力」と言い始めた政府。「敵基地攻撃とは先制攻撃か」と追求されると、それを「反撃能力」とか言い換えたものの、本質はなんら変わらない危険な先制攻撃そのものの考え方。「抑止力」を口実に、防衛の強化というが、相手を刺激して、敵が反撃能力を高めたら、イタチごっこの軍拡競争を招き、戦争への危険を増すだけだろう。
そんな根本的な日本の防衛政策の「専守防衛」から「先制攻撃」への大転換を、「丁寧な国民への説明」どころか。国会を延長することもなく閉会すると、外遊へと旅だった首相。米国ではバイデンとの会談で、日本の反撃能力(敵基地攻撃能力)の開発と運用に向けた協力の強化で一致した言って、どんどん既成事実が進んでいる。しかも、事態はどんどん国民の予想をはるかに超えたスピードで先へ進んでいる。
私はこの政府のやり方に納得いかない! 国民がそれを本当に熟考して是認していると思わない。それなのに、報道ではテレビでも新聞でも十分にはこの大転換が招く危険な未来に対する危機感が伝えられていない。本気で伝えているのが、「東京新聞」のように感じている。
ちょっと遅れたが、昨日(1月18日)の東京新聞の朝刊を見てみよう。
防衛政策が十分国会で審議されていないのに、2プラス2(日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会)で、海兵沿岸連隊(MLR)が創設が掲げられ、沖縄県に駐留する米海兵隊の改編、有事の際の空港や港湾が柔軟に使えるようにするなどの動きがでていること。宮古島にはミサイル部隊の配備が進められ、敵基地攻撃能力として、米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入、2026年度中の配備計画がされるなど、配備が進めば、「敵から標的にされるもの」が、次々に進められていこうとしていること。それを、東京新聞は批判的にとらえる人々の言葉を多数掲載して伝え続けている。
しかも、それが、沖縄だけでなく、首都圏でも横浜に米軍の輸送拠点「ノースドック」に米軍部隊が配備され、特にここに近い市街地は攻撃されれば市民に甚大な被害が及ぶことなどを大きな紙面を使って伝えている。「敵を攻撃できる」日本は、逆に相手の「攻撃の標的」になることを忘れてはならない。「抑止力」という言葉であたかも、使わない戦力のようないい方をしているが、北朝鮮も、ロシアも、仮想敵国にされている全ての国も同じに「抑止力」と考えている。同じ土俵の中に入って「抑止力」と言っている矛盾に、どうして日本政府やそれを支持している人はオカシサを認められないのか。武器を並べ立てることが平和への道になる訳がない。
どうして世論調査で国民が日本の防衛強化に6割も賛成と言ったのか、私には理解できないが、「住民投票」ならまだしも、どうにでも操作できる世論調査の結果を使って、国会審議も十分せずにこんなことを進めていく日本政府を信じることはできない。
沖縄県民の多くは、危機感をもって、今の米軍や日本政府の動きを注視していると思えるけれど、横浜市民はどうなのだろう?
このことを十分に知っているのか。知らされているのかこそ知りたい。東京新聞のように、必死にそれを読者に知らせる新聞を大切にして、情報を国民にあまねく知るところとしていかないでいると、日本は過去の過ちをもう一度繰り返すことになる。
県民投票で反対された辺野古基地建設も民主主義ルールにお構いなく無視して進めている日本政府のやり方を、しっかり国民全体でオカシイと糾弾できないでいると、もはや、国民の小さい声をどんどん押しつぶしていくミャンマーや、香港や、中国、ロシアのようになっていくだろう。
横浜の米軍部隊常駐の話はここから、沖縄のMLR創設については、ここからしっかり読んでみよう。
ウクライナ侵攻を毎日見てきたなら、誰にでもわかるはずだ。今の戦争は、昔の軍人だけが闘うのではもう済まされない。戦争になれば、犠牲になるのは軍人だけでない民間人、子ども、赤ん坊に至る。 標的になり、自分の愛する者の命が奪われる戦争の怖さこそ、ウクライナ侵攻をみて学ぶべきだろう。
<本気で核を使う国はないから「抑止力」になる>とも言われているが、だれが、そんな核武器を地球を破壊できるほどに抱え込んだ愚かな人間の理性に頼れるというのだろう。兵士が傷つかずに操作可能なドローンでの攻撃も実戦で使われ、兵士の痛み、命の危険のない戦争には歯止めがなくなる。
戦いの先には、悲しみと憎しみと、次の戦争の種が生まれるだけだ。
兵器に使うお金を、誰も取り残さず豊かになれるように使えば、それこそSDGs、人間の歩むべき平和の選択だろう。
あなたの読んでいる新聞では、この沖縄や横浜での軍事強化へのコメントはどうだったでしょうか?
まずは、あなたの読んでいる新聞で、沖縄や横浜で進んでいる軍事化の事実が伝えられているか。伝えていなければ、知ってみることから始めましょう。