湯めぐり~ずブログ

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黄檗宗 萬福寺

2018-06-26 10:00:00 | 京都

大混雑の三室戸寺であじさいを見物した後は、黄檗宗萬福寺で普茶料理の昼食です。お食事の前にお寺のお坊さんから本堂で色々と説明をしていただきました。

黄檗山萬福寺は1661年に中国僧・隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開創されました。禅師は中国明朝時代の臨済宗を代表する僧で、中国福建省福州府福清県にある黄檗山萬福寺のご住職をされていました。その当時日本の仏教は低迷しており、日本の仏教を発展させたいと願う日本(天皇)からの度重なる招請に応じ、63歳の時に弟子20名を伴って1654年に来日されました。宇治の地でお寺を開くにあたり、隠元禅師は中国の自坊と全く同じ規模・様式にてお寺を建立することを希望し、大規模寺院を与えられ、寺院の名前も全く同じ「黄檗山萬福寺」と名付けました。日本でいう厳しい修行をつむ「禅宗」は、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の三宗に分類されています。

萬福寺の伽藍建築・文化などはすべて中国の明朝様式です。日本とは違い、すべてが左右対象(シンメトリー)で、今は国際条約で輸入が禁止されているチーク材を用いて建立されています。※日本の寺院仏閣は左右対称を嫌い、左右非対称(アシンメトリー)の建築様式が一般的です。また、法要や読経も中国様式で、立ったまま中国語の般若心経を唱えるのだそうです。また、美術・建築・印刷・煎茶・普茶料理、隠元豆・西瓜・蓮根・孟宗竹(タケノコ)・木魚なども隠元禅師が来られてから日本にもたらされたものであり、当時の日本の文化全般に影響を与えたといわれています

斎堂(僧侶が食事をするところ)の前には木製の魚が吊るされています。時を報せる法具で開パン(かいぱん)といいます。食事やお勤めの前に、開パンで時が告げられるのですが、その時にはお腹の部分を叩きます。そうすると、体内に抱えている煩悩を払うことができるのだそうです。口に咥えている丸い大きな玉は煩悩の塊で、体内から煩悩が飛び出してきた姿を表しているのだそうですよ。

今日の昼食である、中国風精進料理「普茶料理」は日本の精進料理(禅僧が日常食する質素な食事)とイメージがかなり違いました。見た目も美しく盛りつけられている料理の数々は、高タンパク・低カロリーで栄養面にも優れ、席を共にする人たちと楽しく感謝して料理を頂く事に普茶料理の意味が込められているのだそうです。暑い地域で生まれた料理なので、熱を加える際には油も使うし、メニューによっては鶏肉や豚肉も使用されるのだそうで、音も立てず静かに質素なお料理を頂く日本の精進料理とはかなり違いました。どれも素朴な味わいで美味しくいただきました。

ここは、穴場的場所でとても静かでゆっくり過ごすことができました。毎月1日と15日には法要が行われ、一般の参詣客も見学をすることができるそうなので、いつかはまた再訪してみたいと思います。(BLACK★1947-)