como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

天地人 第4話「年上の女」

2009-01-25 23:04:55 | 過去作倉庫07~10
 今週のお習字は「祈る・拝む」。8時ちょうどに唐突にお題が出てくるのにも慣れ、早くもマンネリに感じてしまう。視聴者は残酷ですね。しかもお題にちなんでOPのマクラは春日山城の案内で、ここがたいへんな難所なのは一昨年の過酷な遠足(こちら参照)で身にしみてますが、でもこんなの最後の「紀行」でやりゃあいいのに…と思わずにはいられませんでした。
 それにとお題もなんか苦しげ。いっそ「年上の女」そのまんまでいいのに。と・し・う・え・の・ひ・と・美しすぎるうーー♪(古っ!)。お題の台紙に添えた雪の結晶のアクセントも妙に乙女チックで鼻につきますしね。このお習字シリーズも、意地になってさいごまで続ける必要は全く無いと思いますが。どうなんでしょ。
…というわけで天地人・第4話でございます。去年の篤姫の時にも今くらいの時期におなじこと言ってた気がするけど、サブタイトルと内容が噛み合いませんね。年上の女がどうしたって内容でもなかった気もします。ではどういう内容なのかと言われても、とくにどうというもんでも無いような…。何か散漫な45分でした。
 微妙な脱力感に萎えそうになる自分を励ましつつ、今週もご一緒に見てまいりましょう。

 先週、戦に置いてけぼりをくって池のほとりで泣いていた兼続たん。今週は、景勝様とご家来衆の凱旋&祝勝会で、兼たんは幹事さんか男芸者のように、宴会場を走り回っています。差し入れのお酒をみんなに披露したり、大虎になった女性(お船さん)をフォローしたり、お酌をしてまわったりの姿に、なんとなくこの仲間内での兼たんの立ち位置が見えてきたような…。そう、いうなれば「パシリ」という…。
 パシリの兼たんは、豪気な戦の手柄話についていけず、微妙に傷ついて、こっそり泣いてしまったりするのですが、そんな兼たんを仲間が優しくフォローしてくれるわけです。「そなたあっての上田衆だ!」と、なぜなら与六ちゃんが5歳のときに寺を脱走して、喜平次様がひとりで迎えにいった事件のおかげで、みんな喜平次様の人柄を慕うようになって仲間がひとつになったのだ!…っていうんですが、そんな5歳のころの話が仲間内での唯一の手柄なんて情けなくないでしょうか。感激してクシャ顔で泣いてる場合かなあ。

 景勝さまの家来衆がそんなふうに盛り上がっている一方で、ケンシロウ様のもうひとりの養子・景虎王子さまのところには誰も来てません。差があからさまでかわいそうです。「どうせボクは北条からの貰いっこだから」と静かにいじける景虎王子を、やさしくフォローするのが、景勝さまの妹の華姫でした。
 そんな両人を、ケンシロウさまと仙桃院さまが、掛け合わせる相談をしています。なんかブリーダーみたい(笑)。景虎は愛を知らない不憫な子だから、華姫とめあわせて愛や笑いというものを味わわせてやりたいのです…と、戦国武将にそんな類のヒューマニズムがあったとは思えませんが。でもこの物語世界ではあり、どころか、ほかの全てに優先するみたいですね、愛が。景虎と華姫に子供が生まれたりしたら、上杉家の相続がこじれるのは解りきってるのに、そういうことは特に考えないんでしょうね。
 そんなところに、ケンシロウ様の侍女のお悠という娘がお酌をしに来ます。この人一昨年は浪って名前でした(笑)。今年のストーリーではまだ尼になってないんですね。ケンシロウさま一筋の浪、いやお悠の気持ちはわかっていますが、生涯不犯の誓いを立ててるので、どうにもならぬのでした。もしかして景勝にも自分とおなじ生涯不犯を期待しているのかなあ。「わしとともに毘沙門天の名に恥じぬ清い国を…」とか言ってましたし。

 景虎王子と華姫の結婚話はすぐに景勝さま家来衆にもつたわり、「いままで以上に景勝さまが比べられて見劣りするのでは」と動揺を呼びます。そこで、なにかパーッと結婚祝いのプレゼントを贈り、景勝さまの家中は太っ腹で、べつに比べられたってなんとも思わないよーん、という余裕のところをアピールしよう!と話がまとまり、パシリの兼たんがプレゼント調達係になりました。
 で、これも安直なんですけど、女性のよろこぶ祝いの品はなにがよいか、直江家のお船に相談しにいくわけです。お船は、「あんたに買いにいかせても見る目もないだろうし、懇意の商人いるから私が一緒にいきます」と、びっくりするほどフットワークが軽い。なにかその商人から斡旋リベートでも取ってんのかと疑うほどですが、純情な兼たんは、とうぜんそんな疑問は持ちません。買い物そのものにも興味ないようで、府内港の盛り場に来てもプレゼント選びはお船に丸投げし、そこらの店で櫛かなんかを見てたりします(戦国時代の越後の港町の商人は、今と変わらずに「らっしゃいませえー!」なんて言ってたのか)。
 んなわけで、お船がいくら遣って何を買ったのかも解らぬまま、ふたりは馬を並べて帰り道。急な雨になりました。あそこで雨を避けましょう、と指差す先には唐突なほど都合よく一軒の掘っ立て小屋、あわてて駆け込み、火をおこして、ホッと一息ついたら狭い小屋にふたりきりと気づき、ドッキュン!
…って、言いたかないけどありふれすぎてないか、このシチュエーション。散々あちこちで見た気がする。そう、あの「冬のソ○タ」にもあったんだから!…と、なんか見ているほうが恥ずかしくなるなか、お船の肢体に眼のやり場に困り、わかりやすく狼狽する兼たん。「そなたは私のことをどう思っておる」とか言ってわかりやすく誘惑におよぶお船ちゃん。…という展開になります。
「女はまだ早い」なんて言われたら、ふつう男の子ならムキになって男であることを証明すると思うのですが、純情兼たんは、ドキドキのあまり海の家の外に非難してしまいます。こうなると早い遅いの問題でもないような…。生涯不犯のケンシロウ様の薫陶に性教育は無かったのですね。というか、何を仕込まれてきたんだ…!?

 さて、春日山では華姫さまと景虎王子の結婚式が行われます。兼たんたちが送ったプレゼントを(結局なんだったの?)華姫様がお喜びだったとお船ちゃんが伝えに来ますが、兼たんはわかりやすくそっけない態度をとるのですね。
「あの態度はなによ!」と、家に帰ったお船ちゃんはお姉さんの浪…じゃないお悠にグチりますが、子供のころ木に登って大泣きしていたのを助けてやったのにとか、そのとき自分がおちて怪我をして、その傷跡がいまもあるとか、なんかあまりに少女漫画チックで、見てていたたまれない恥ずかしさでした。うー…。この大河ドラマのネックはここだな。ありふれたシチュエーションと、少女漫画チックなせりふ。なんとかしてほしい。

 なんとかならんかという恥ずかしいシーンは、さらに続きます。新婚の景虎王子と華姫さま。「こんなに安らかな気持ちになったのは初めてだ」と、眼にお星様キラキラさせて新妻をみつめる景虎王子、ボクは実のお父さんに愛されてなかった、親に甘えることもできなかった、人質としてあちこちたらい回しになって、人生こんなもんかと思って暗い日々だったんだ…とかなんとか。コテコテの不幸話で乙女のハートを掴むのですね。
 こういうのは「篤姫」にもありましたね…男の人の不幸バナに女の子は弱いんです。華姫は、それこそ篤姫みたいに、「わたくしがいつでも上様の…」じゃないや(笑)「景虎様のお側におります」とか言って、そっと新郎の背中にほほを寄せたりなんかします。
 ことしの王子様は素直なかたなので、去年の君のように「わしは誰も信じぬ」とか言って拒絶したりせず、可憐な新婦をやさしく抱きよせて「お屋形様のご恩に報いるために精一杯つとめるつもりじゃ」と、決意表明するのですね。うー…もう、たまらず赤面。こう、同じような場面でくらべると、あの「篤姫」がすごく複雑なドラマのような気がしてくるんだけど…そんなんでいいのかなあ。

 さて、こんなどーでもいいような少女漫画が展開している一方で、天下は動乱しているそうでして、あの信長が快進撃を続け、連戦連勝、ついに京都の足利将軍を追い出して天下に手てをかけた!ということです。
 京都いりした信長は、「洛中洛外図屏風」というキンキラキンの屏風越後の謙信にプレゼントし、出方をさぐろうというのですね。その講釈を要約すると、この屏風絵にナゾをかけて謙信に送ろうという俺ってスゲエ!…というようなことで、屏風絵は越後に送られてきました。送り先は関東管領の館・御館です。
 信長のプレゼントを一目見ようと、兼たんと泉沢君は御館にやってきますが、この人たちが家中でどういう立ち位置なのかわかんないけど、こんなにドタドタ遠慮なく、主君の館に上がりこんでいいもんなんですかね。どうも、ドラマ全体的に、一挙手一投足の重さが足りない気がするんですが…まあ、それはとりあえずいいや。
 この屏風を届けにきた信長の使者が、初音という正体不明の女で、長澤まさみです。なぜかポルトガルの貴族の服を着ており、しゃべり方とかも微妙で、えもいわれず変…。いや、ドラマ的にもこの女の存在感は「変」という以外ないのですが、なんというか素でヘンで、落ち着かない気分になってしまった…。この先この女を見慣れるかどうか、不安なところです。

 で、その初音って女が、この屏風にこめた信長様のメッセージを読み解いてみろと兼たんにナゾをかけるわけです。主人公のつねで(笑)、こういうところは超能力者なので、兼たんは、屏風にかかれた10円玉くらいの武将が、将軍の御所に入っていく絵の部分をみて、これが信長から謙信への挑戦状だ!とすぐわかるんですね。
 そして、これも主人公のつね、いっさいクッションなしでまっしぐらにお屋形様に注進に行きます。「お屋形様、これは信長からの挑戦でございます!」って。
 が、ケンシロウ様と景勝さま、景虎王子は、すでにそんなことわかってて、リアクションをどうするか話し合っている最中。「豪華に礼をして何食わぬ顔をしておれ」とマイペースなケンシロウ様に、兼たんは、「お礼参りの使者には是非わたくしを行かせてください! 信長という男をこの眼でみたいのです!!」と、去年の誰かを思いだすような(笑)、無礼なくらいの直球でお屋形さまに願い出ます。

…ということで、次週、兼たんが信長に面会するの巻とあいなりますが、あいかわらず予告篇では次週なにがおこるかわかんない…。ま、小栗旬が登場するのはわかりましたけど。まだ、とりあえずあのヘンな髪型ではないようです。
 また来週!


18 コメント

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こんばんはです (ikasama4)
2009-01-25 23:48:37
たしか、独眼龍政宗も
オープニングはこんな感じだった記憶があります。

そういうとこである種の原点回帰を狙ってるのかもしれません。

それに意外に伊達家と上杉家って因縁があるもんで。
それはこちらの今後のネタの種という事で(  ̄ノ∇ ̄)


全体的にまったりというかマンネリというか
兼続は完全に現代の子供と合わせたキャラで
しばらくは突き進むみたいですね。

景勝にとっては危なっかしい弟君ですね。

ただ、どうもあの兼続を見てると
とってもイジメたくなるんですけど(; ̄∀ ̄)ゞ


ちなみに自分は前回より登場した上田衆の面々
みんな、あれで十代って設定なんですよね(; ̄∀ ̄)ゞ

とりあえず、次回はどうしても
兼続を上洛させて三成との接点を作りたい
伏線イベントって感じでちょっと無理矢理感も感じてます(笑)
カステラ登場 (なおみ)
2009-01-26 08:33:14
庵主さん、こんにちは。
回を重ねるごとにドラマのクオリティーが
落ちてる気がするんですが・・・
気のせいでしょうか?(気のせいにしとこう)

>ほかの全てに優先するみたいですね、愛が。

どういう意味の「愛」なのかな?と
ちょっと穿った見方したくなりますよね?(苦笑)
ま、坊主なワケだしぃ?シスコンだしぃ?
お色気な美女を遠ざけるしぃ~の?

>なぜかポルトガルの貴族の服を着ており

あの服装で現れたなら、屏風じゃなく
カステラを持ってくるべきでしたね!
(ま、「カステリア」ってスペインなんだけどさ)
しかしあんなに太もも露にしていいんでしょうか?(あの時代に)
兼続ってば、お船のくるぶしにはドキドキだったのに
カステラの太ももには無反応でしたね・・・?
(踵フェチなのかな?)
結局お祝の品は (SFurrow)
2009-01-26 08:49:48
何だったのか? 私も非常に気になりました。
っていうか、「いっちょ皆でゴージャスなプレゼント贈っちゃえ~」なんてバブルのヤングサラリーマンみたいな盛り上がりがこの時代にあったのかという所からして疑問なんだけど。金は経費で落とすのか皆で割り勘なのか? お船の一存で直江家が持ったのか?
まぁ大河ドラマというより「アニメ日本史・上杉家武将たちの青春」みたいな感覚で見ればそれなりに面白いのでしょうね。

冒頭のお習字ですが、この書家、武田耕雲斎…じゃなかった誰だっけ、今はやっている人みたいですね。なんかあの「にんげんだもの」系のテイストを感じる(こういうのが人気呼ぶのね…)のですが、書道ぜんぜん詳しくないもんで、どなたか教えて下さい。
ブリーダー (くまま)
2009-01-26 10:49:53
遊人庵さんの「ブリーダー」発言には、爆笑でした。
今度の大河ドラマは、どうも、漫画チック路線でいくようですね(笑)。

海辺の小屋のシーンは、百恵ちゃんと友和の「潮騒」を思い出しました。
古いですねヾ(≧▽≦)ノ
ラブコメ大河 (りんりん)
2009-01-26 13:34:46
去年、スイーツ大河と揶揄されていた篤姫よりもさらにスイーツ(笑)な展開にびっくりです。
まさか、最終回までこの流れで進んだりしませんよね(・_・;)

猟師小屋のシーンでは、私もくまま様と同じく潮騒を思い出しました(堀ちえみ版ですが・・・)

20代の主役今昔 (庵主)
2009-01-27 22:17:32
ikasama4さん

>そういうとこである種の原点回帰を

政宗のOP…どんなだっただろう(遠い目)。
あのころはまだ、OP前のマクラって無かった気がします。予告編も無かったですね。

なんか今、すごく「政宗」を見たいんですよ。時代設定もかぶるので、近くのツタヤにDVDがあったら借りて、見直してみようかなあとおもってます。
そういえば、子役の感じとかあの梵天丸と似てるかも。

今昔の感があるのが主役の貫禄で、あの「政宗」のとき渡辺謙さんは27,8歳だったですよね。いまの妻夫木君とおなじくらい…。
ま、脚本の狙いも違うんでしょうけど、20代の主役でも20年前とはずいぶんちがうなあと思っちゃいます。

>みんな、あれで十代って設定

いやあ…年齢詐称するならせめてハダカ踊りは止めておくべきでしたね(笑)。

>三成との接点を作りたい伏線イベントって感じでちょっと無理矢理感も

かなり無理でしょう。
秀吉との接点もできるのかもしれないですが、いまの秀吉がますます不自然にみえそうで心配。
チラリズム (庵主)
2009-01-27 22:24:53
なおみさん

>どういう意味の「愛」なのかな?とちょっと穿った見方したくなりますよね?

いやあ~(笑)
景虎への思いをあんなにあからさまに表現するとは思わなかったですね。かなり驚きました(笑)。
でもあんなに堂々と公言しては興ざめ。じんわり、ネットリと小出しにしなきゃあ。去年のフグのように…(えっ?)

>兼続ってば、お船のくるぶしにはドキドキだったのにカステラの太ももには無反応

やっぱり、あんなコスプレをしてこられたら太ももどころでは無いんじゃないでしょうか…?
あのオレンジのタイツはいったいなんだろう…と、別のいみで目が離せなかったですけど(笑)。
やはり色気はチラリと見せるところに宿るのかも…。
お船も、先週の兼たんの裸踊りに無反応だったし~(笑)。
オッサン青春群像劇 (庵主)
2009-01-27 22:32:37
SFurrowさん

>金は経費で落とすのか皆で割り勘なのか?

「金は無い」って言い切ってましたから、どうなんでしょうね? 刀でも売ったのかなあ(そこまでしないか 笑)

>アニメ日本史・上杉家武将たちの青春

青春っていうか…若武者たちの若作りが辛すぎます(笑)。明らかにオッサンが、学生服を着て青春ドラマをやっているような…。一昨年のオッサン群像劇のほうがはるかに清清しかったですよ。でもそれじゃあ「篤姫」で甘やかされた視聴者はダメなんだろうな~。

>武田耕雲斎

(笑)。

いえ、べつに過激な尊皇攘夷思想はお持ちじゃないと思いますが(笑)。この方が「尊攘」とか書いてくださったら小ネタ的に盛り上がるかもしれないですね。
わたしもお習字のことはなにも解らないですが、世の中ではイケメン書家と言われてる…んですよね?
潮騒といえば (庵主)
2009-01-27 22:35:57
くままさん

>今度の大河ドラマは、どうも、漫画チック路線でいくようですね

そうなのかなあ…。あんまりウケを狙いすぎると、突っ込むほうも萎えるので、カッコだけでも重厚を目指してほしいんですけどねえ。

>海辺の小屋のシーンは、百恵ちゃんと友和の「潮騒」

そう、潮騒。百恵友和のむかしからの古典的ラブシーンにぐったり萎えました(笑)。
やはり「冬ソ○」も潮騒をパクッていたのかなあ。
スイーツ・韓ドラ (庵主)
2009-01-27 22:41:43
りんりんさん

>去年、スイーツ大河と揶揄されていた篤姫よりもさらにスイーツ(笑)な展開

ええ(笑)。去年の篤姫はそれでも、有名パティシエの店の高いケーキのようでしたけど、なんか今年のは、同じスイーツでもスーパーで4個1パック298円程で売っているかのような。

篤姫は朝ドラ大河とも揶揄されましたけど、先週あたり、わたしはひそかに「今年は韓ドラ大河では…」と不吉な予感を覚えてました。
いや、せめて朝ドラていどの水準は維持して欲しいし、スイーツにしてもそこそこの高級品をめざして欲しいです。
…って、やはり大河としては望み低すぎ??

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