金環日食のカウントダウンが始まった。5月21日(月)朝、九州から関東にかけての太平洋沿岸で金環日食が起きる。月と太陽が一直線上に並び、みかけで少し小さい月が太陽を隠す現象である。
先週、日本天文協議会による「天文講演会」があり、大西浩次教授(金環日食日本天文委員会副委員長、星景写真家)による貴重な話を聞くことができた。
・金環日食はなぜ起こる?
→日食は月が太陽を隠す現象だが、月・地球の軌道は楕円形をしているため、地球との距離が近くなったり、遠くなったりする。また公転軌道が5°傾いているため新月でも一直線にならない。<400倍の軌跡>で起きる現象だ。「太陽は月の約400倍も大きい。でも太陽は月の400倍も遠いところにある」という現象で全くの偶然だ という。
・見られる範囲、頻度は?
→5/21は、日本の65%の人が金環日食帯にあり、日本歴史上最大人数が見ることができる。
国内では1987年沖縄で見られて以来25年ぶり。岐阜では1080年12月以来、1032年ぶりに金環日食が起こる。(東京では170年ぶり) 次回は、300年後の2312年だ。
・日食の安全な見方、撮影方法は?
→直接見ないこと、日食観察クラスを使用すること。金環日食は、99.9%月によって隠されていても、満月の約400倍も明るい。太陽光を減光するNDフィルターがきわめて目に危険!紫外線は角膜を傷つけ白内障が、赤外線も網膜症など危険性が高いことが知られているが、最近の研究で、赤外線の熱よりも、青い光のブルーライトが危険であることが判り、数秒でも見ると危険。太陽を直接見ないで投影版を見る方法、壁に投影して観察方法などがある。
撮影については、どこでどんな構図を撮るか、カメラ・レンズの選定、NDフィルター(ND400x2枚)の使い方など撮影計画の準備が必要 など。。
地球に生を受け、長い地球の歴史で国内で観察できるという軌跡的な幸運といえます。是非挑戦したい。
2012金環日食日本委員会;http://www.solar2012.jp/