プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

あり得ない集団的自衛権行使の事例

2014-06-16 10:13:05 | 日記
 公明党が「限定容認」に傾いている集団的自衛権行使の事例が、「あり得ない」想定だということのようです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 「避難する日本人を乗せた米艦を自衛隊が守る」、朝鮮半島有事で想定される事例だとして安倍総理が挙げたものです。連立与党を組む公明党も、「この例に絞るなら集団的自衛権を認められる」として調整に入っているとのことですが、この韓国にいる日本人の救出の計画を、米国は断っている経緯があるとのことです。

 日米両国は1997年、78年と「日米防衛協力のための指針」(所謂ガイドライン)を改定する際に、韓国に住む(約3万人の)民間人の「非戦闘員救出作戦」(NEO)で一旦は合意しましたが、98年にガイドラインに基づく「周辺事態法」を作る時に、米国側からの強い意向で、このNEOはメニューから外されたそうです。つまり、米艦船に日本人が救出されるという想定は、まずないということです。

 韓国には約20万人の米国人がおり、その「救出」だけでも容易なことではないと思います。また、98年までの日米交渉において米国は、「米軍による救出・保護作戦での国籍による優先順位」を日本に伝えていますが、当然ながら米国籍を持つ者が最優先で、次いで米国の永住許可証の所有者、そして英国やカナダの国民となっており、日本人は「その他の外国人」で最低ラインの扱いに過ぎません。

 元自衛隊の幹部は、「自国民を避難させるのは、自国の責任でするのが大原則。日本人を乗せた米艦を自衛隊が守るとの想定に説得力は殆どない」と指摘しています。現在の自衛隊法では、派遣先での安全が確認されていないと自衛隊を派遣できませんし、相手国(朝鮮半島有事なら韓国の)同意がなければそもそも自衛隊を派遣することができません。自国民を守る為に自衛隊を派遣すると言うのならば、「自衛隊法」の改正をまず議論すべきです。

 しかしいくら自衛隊法を改正しても、(誠実のセオル号での救助支援すら断られたように)悪化した日韓関係では、韓国側が日本の軍隊を受け入れる「同意」を与えるとは思えません。両国間の関係を冷え切ったものとした安倍総理の外交政策こそ、日本人「救出」を困難なものにしている「元凶」ではないかと思うのです・・・

P.S. この安倍政権の出した想定で、北朝鮮が韓国や米国を攻撃し、日本には攻撃をしない状況を「想定」していますが、北朝鮮にとって、米軍基地を世界一置いている日本は、米国と一体のものであって、軍事的に不可分のものではあり得ません。日本も同時に攻撃対象となり、原発などが狙われるのは火を見るより明らかです。米軍の支援どころか、日本を守ることで手一杯ではないかと思うのです・・・

P.S.2 しかも、自衛隊の支援行動を(韓国領海での活動は韓国の了承が必要)公海上に限っていますが、そこまで(米国は断っていますから)誰が日本人を救出して連れて来てくれるというのでしょうか?限定容認を引き出す為だけの、姑息な「あり得ない」想定だと思います・・・

P.S.3 政策研究大学院の道下教授によると、朝鮮半島で戦争が起きれば、日本は周辺事態法などに基づいて米国を支援することになっており、韓国防衛への協力も「事実上」約束してしまっているのだそうです。ですから、今、集団的自衛権の行使云々の問題ではないわけです。日本全域を射程に入れているノドンを配備し、小型化された核爆弾すら打ち込む可能性すらあるのです。同教授は、「日本の安全保障を考えるには、平時やグレーゾーン事態(準有事)が有事に進展しないよう、リスクを管理し、抑え込んでいくことが重要だ」と指摘されています。北朝鮮、そして韓国、当然ながら米国や中国との良好な関係を構築していく外交努力が今一番求められているのであって、集団的自衛権の行使容認によって日本が得られる「安全保障」など何一つない(米国は大歓迎でしょうが、逆に韓国、中国、北朝鮮との関係悪化をもたらすだけ)だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月16日)

「草むしり」除染

2014-06-13 10:34:45 | 日記
 (先日もお伝えしましたが)宮城県丸森町において町が負担した除染費用を、総務省の震災復興特別交付税で支援するという件ですが、その町が行なった除染というのが「除染」の名前に値しないものであり、国の支援というのも「支援」に値しないものでした。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 同町筆甫(ひつぽ)の佐藤さん(70歳)は、100メートルも離れていない隣家(福島県相馬市玉野)を含む玉野地区での除染作業では、重機を使って表土を剥ぎ、(良し悪しは置いておいて)屋根を高圧洗浄する様子を日々見ておられたそうです。そして除染に関する町の説明会が開かれたのが2013年2月、「除草はします。土は取りません」と言われ、「そんな内容ならやってもらわなくていい」と発言、町の職員は「国から予算が出ず、これ以上はできません」と答えています。土を取らなければ、放射性物質は取り除けません。予算の少ない総務省の「震災復興特別交付税」では、草引きしかできないということのようです。

それでも2013年6月下旬、佐藤さんが田んぼで雑草を引いていると、除染の現場監督らしい男性1人と他に男性2人、女性4人、近所の顔見知りが来て、マスクもつけないまま作業が始まったそうです。(田んぼから自宅に帰ると)正味2時間余りの作業が終わっており、黒い袋に半分ほど、むしった草が入っていたとのこと。雨樋の下など、放射性物質が集まっている場所が除染された形跡はなかったそうです。佐藤さんは自宅の草むしりをされているそうですが、これは除染ではなく単なる「草むしり」です。

 「草むしり」の予算は、環境省では付けられないから、(とても)枠の小さい総務省の「震災復興特別交付税」で、形だけ予算を取ったというわけです。復興に全く寄与しない「草むしり」で、除染をやったなどとは、福島県内と同じかそれ以上に放射能汚染されている地域の住民の方々に対して、余りにも馬鹿にした、冷淡な対応ではないかと思います。明らかな「除染差別」です。住民説明会では、「(方便でしょうが、お金を貰って)自分で草刈したほうがまし」との声が上がったそうですが、全くその通りだと思います・・・

P.S. 宮城県丸森町では、全町民が対象で東電から一度だけ賠償金が出たそうです。4万円。(スズメならぬ)「スズメバチ」の涙です。隣接する福島県相馬市も同様に東電から賠償金が全市民に出ています。12万円。スズメバチ3匹分の涙です。「賠償差別」だと思います。佐藤さんは、「お金が欲しいわけではない。同じように放射能を浴びているのに、待遇に差があることにびっくりしました」と話されています・・・

P.S.2 佐藤さんの住む丸森町は、畑や牧草地が広がり、農作業に携る人が多いそうです。原発事故前は、隣接する(福島県相馬市の)玉野地区の住民の方々とも親しく付き合い、キノコやタケノコを一緒に採りに行ったり、イノシシの肉を分けてもらっていたとのことです。自然に恵まれ、助け合いながら生活されてきたのだと思います。(それができなくなった今)さぞ、無念なことだと思います。しかも、仲良くしてきた隣人とは、原発事故による賠償や除染に「差別」が付けられ、どれほど悔しく辛いことかとお察しします。(私には何もできませんが)こうした「現実」があるということを(また他の地域にもあると思いますが)胸に刻み込みたいと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月13日)

「下村ノート」

2014-06-12 10:17:00 | 日記
 元TBSアナウンサーで、2010年から内閣官房審議官(広報担当)として原発事故に直面した下村氏が、2011年3月15日の首相官邸と東電首脳のやりとりを克明に記録したノート(と経緯)を開示されました。ご紹介します。(引用は『朝日新聞』)

・3月15日未明
 「東電が撤退すると言っている。総理が東電本社に行きます」という電話で起こされる。
・午前6時7分
 東電到着、総理が東電幹部に語った内容
 「現場撤退は絶対ない。日本の東半分を核廃棄物にするわけにいかない!」
 「社長以下責任負う。60歳以上ここで死ぬ覚悟」
・テレビ会議室へ移動
 (インタビューに)「情報は届いていたんじゃないか、なんで本店からこんなに近い官邸まで情報が届かないんだというのが衝撃でした」
 「(2号機)圧力容器 底抜けて下に落ちた?」
 「すごく重大な状況起きた」
・6時14分
 「(2号機)かなり大きな音して急に(圧力抑制室の圧力が)ゼロになった」
・6時18分
 「2号機退避へ」
・6時34分
 「(4号機の燃料)プール唯一異変、炉(側)は異変ない 最低限の要員で1・2・3(号機)とも注水続ける」
・6時42分
 「正門131、5μSv/h 大変化なし」 
・6時45分
 菅総理が東電幹部に「正しい情報を伝えるというのが私たちの基本方針ですから」
・6時50分
 「正門583、7μSv/h これまで1・3(号機)でもあった範囲」
 「建屋周りのデータで1時間後ぐらいに判断し業務戻す」
 *これは、構内の放射線量が上昇していないか見極めた上で、1時間後に所員を作業に戻すと、東電が官邸に伝えたもの。吉田元所長の「一時退避」命令の時の回答と思われますが、この時所員の9割が命令を無視しF2へ撤退、東電本店の(上記の)報告とは全く食い違っています。
 *また、当時の道路状況は震災で痛んでおり、F2への出入り時には防護服や、マスクを着脱しなければならず、1時間では到底戻れません。
・6時53分
 「(正門)369,8μSv/h 有意な上昇確認できず」
 「本部機能移転について(東電側の紙)」
*事実上、東電のF1からの撤退を意味するもの
 「作業にあたる最低限の要員残して(撤退?)・・・」(*カッコ内は私の追記です)
*この時下村氏は、注水作業が止まってしまうことを懸念し
 「注水作業と書いて!」と発言、ノートに自分の発言を記録しています。
 西川官房副長官補が勝俣会長へ(声を張り上げて)「自分たちはここ(本店)にいるから大丈夫なんて、絶対考えないで下さいよ!」
 *下村氏は、現場から遠く離れた東電本店にいる勝俣会長ら幹部について、「どこか他人事ぽかった」とインタビューに答えており、西川官房副長官補も同様の雰囲気を感じていたと見ていました。
 「1号機(水素爆発で)上部開放状態ゆえ、正門は100~300は変動範囲内」
・7時6分
 「4号機プール 燃料溶けたのか被覆菅溶けたのか判からん」*実際は溶けておらず
・7時8分
 「東電 かなりマズイので退避させたい」
 「菅総理 注水は絶対続けて」
 「免震棟南5mSv/h 『それは前回と比べてどう?』 『前回より低(い)』
 「4号機気になるのは、(プールの燃料)破けてるデータ 周辺の空間線量率」
・7時44分
 「写真届く 4号(機) (3号機から逆流した水素が爆発)天井飛び横壁の下のほうも飛んでいる」
・8時前後 菅総理と勝俣会長の遣り取り
菅総理「1つのことばかりやっていないで、最低2系列作って並行作業して」
 勝俣会長「はい、ありがとうございます」
 菅総理「ありがとうじゃなくて、できないの?」
 *これが緊急時の遣り取りとは・・
・9時38分に確認された4号機の火災について、東電は9時45分に「火災は手に負えない状況」と報告、下村氏は(火災について)
 「書いていて怖かった」と。
火災は午前11時ごろ、自然に鎮火していることが確認されます。*幸運でした・・・

P.S. 東電は9割の所員がF2に撤退していたことに関して、「吉田所長の指示は第2原発も視野に入れて退避せよというものだった」として命令違反ではないと主張していますが、「下村ノート」の15日午前の記録には、東電がF2への撤退に言及した記述はないとのことです。当日東電本店では、「退避」という言葉が飛び交っていたそうですが、9割もの所員が一斉に撤退したのは、やはり「本店」の「意思」であり「命令」だったのでしょう。現場の指揮官吉田所長の命令どころか、一国の総理の撤退は絶対ないとの「命令」にも「違反」していたということのようです・・・

P.S.2 下村氏は「吉田調書」について、「自分の肌感覚と一致する」と語り、ノートを開示した理由については、「政府にいた人が何を言っても聞いてもらえないと思って黙っていた。吉田調書が出たこの時を待っていた」と述べています。同氏は政府事故調からの聴取も受けておらず、ノートの提出も要請されていないとのことです。開示され、事故当時の状況が解明されればと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月12日)

福島米の作付け解除

2014-06-11 11:18:49 | 日記
 (NHKニュースによると)政府は今年になって、これまで福島県内の12市町村で米の作付けを制限してきましたが、6つの市町村で水田の一部約5,200ヘクタールの作付け制限や自粛措置を解除しました。しかし、実際に田植えをしたのは約2%だったとのことです。

・作付けを再開しなかった理由としては、水田や水路の除染が進んでいないこと
・風評被害への懸念
・長期間農作業ができず、農家の生産意欲が低下していること
 などがあるとのことです。

 また、昨年試験栽培を実施した南相馬市では、収穫後の米から国の基準を上回る放射性物質が検出されています。これもまた、風評などではなく「実害」で、汚染した土壌、そして汚染した排水路、水で、お米を育てようという農家は、そうそういないのではないかと思います。

米農家でもある私自身も、(同じ立場に立たされれば)最早米を作ろうとの意欲は湧かないと思いますし、自分も汚染された米を食べたいとは思いません。まして、家族や私の米を買って下さっている友人・知人に、そのような物を提供することなどできません。米を作ることを(苦渋の思いで)諦めるしかないと思うのです・・・

P.S. 私の田んぼは、13年間、蓮華を栽培し鋤き込んできました。(他の田んぼを灰色とすると)私の田んぼの色は茶色です。有機物が沢山含まれているからです。水を入れて「代掻き」(しろがき)をすると、トロトロになります。表面に水がなくても、多くの水分を含んでいます。こうした土を作るには、10年20年の歳月を要します。福島やその周辺の農家の方たちも、そうして何十年も掛けて土作りをしてこられたのだと思います。近隣の山系からのミネラル豊富な水の恵みを受けて、美味しいお米を作ってこられたのだと思います。それが、その努力が、一瞬にして泡となってしまった。それが原発事故の結果です。自分の田畑が、そして家が、地域が、人の繋がりが、一瞬で消えてしまうということは、耐え難いものだと思います。福島やその他の汚染された地域の方々の苦しみは、察するに余りあるものがあります。それだけに、もう、原発は要らない。再稼動を止めて戴きたい、そう心から思うのです・・・

P.S.2 環境省が昨年10月から今年1月に掛けて、双葉町と浪江町の「帰還困難地区」6地区の宅地や農地、道路や公園などで、表土の剥ぎ取りや高圧洗浄などにより実施した除染のモデル事業の結果、宅地のなどの空間線量は50~80%程度低下、平均で毎時2,5μSv(年間約12mSv)~8.8μSv(年間約42mSv)だったそうです。森林に関しては端のみの除染で、低減率は14~39%だったとのことです。当然ながら、いくら除染しても生活のできる線量ではなく、「除染」そのものを止めて、本当の生活再建への支援に当てるべきだと思うのです・・・

P.S.3 京都精華大学の卒業生等が、京都府南丹市の古民家で、東日本大震災の被災地の子どもたちを招いて夏休みなどを過ごす「ゴー!ゴー!ワクワクキャンプ」を続けているそうです。これまで5回、延べ100人以上の子どもたちが参加しています。古民家はNGO法人「使い捨て時代を考える会」が提供、地元の小学校が校庭を貸してくれたり、住民からは夏祭りの招待などもあるそうです。1日500円の食費と、けがなどに備えた保険料のみで参加でき、期間中はいつ来てもいつ帰ってもよいそうです。同キャンプに参加した女子高生は、「息も思い切り吸える。これが本来の生活と思った」と感想を述べています。今夏は7月24日から8月末まで開く予定とのことです。ちなみに、ボランティアを募集されています。メールアドレスは、5wakumembers@gmail.comです。こうした活動が続いて、さらに広がっていけばと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月11日)

「ダチョウ」と放射能汚染地域

2014-06-10 09:54:37 | 日記
 原発の南50kmにある宮城県の丸森町、事故から1ヶ月地角が経った4月上旬、東電から委託されたTEPCOの職員が放射線量を測定、同町筆甫(ひつぎ)の川平地区に住む(70歳)女性の玄関先では毎時1,7μSv、年間被曝線量にすると約7mSvにもなります。同女性は、「自分は年だから、放射能のことを気にしても仕方がない」と話されていますが、こうした放射能汚染地域が放置されているのは非常に問題だと思います。

 今朝の朝刊(『朝日新聞』)を読むと、福島県に隣接する宮城県の(上記)丸森町と白石市、栃木県の那須塩原市と那須町に対して、同地区の住宅の敷地の汚染された表土の剥ぎ取り(除染)の費用として市町が負担した分を、総務省の震災復興特別交付税で支援する、既に行われた分も遡って交付するとのことでした。(何故、環境省の枠で、住民が住む汚染地域のもっと広範囲の除染をしないのでしょうか?)

 この地区からは、費用を国が全額負担する国の除染に対して、「放射線がさほど変わらないのに、県境をまたぐだけで支援が違うのは不公平」との声が上がっていたそうです。これらの地区は余りにも線量が高い、高過ぎるというのが正直な感想です。本来なら避難すべき線量だと思います。こうした地区に今後も国は、住民を住ませ続けるのでしょうか?他にも、避難指示が解除された都路地区よりも線量の高い場所は複数あると思いますが、国の今の危機感のなさ、或いは非情さは、恐ろしいばかりです・・・

P.S. 昨日の参議院決算委員会で安倍首相は、憲法解釈だけで集団的自衛権を行使することを今国会中(延期もせず)に閣議決定することへの批判に対して、「(有事は)起こらないというのは、いわば危機が迫っても、砂の中に頭を突っ込むダチョウと同じだ。見ないようにすれば、事態は起こらないと思ってしまう考え方」だとご答弁されました。正しく原発「有事」が起こることを懸念し、適切な対策をとるように多くの国民が指摘し続けてきた「核」利用発電所に関して、「安全神話」という砂の中に頭を突っ込んだダチョウであり続けたのは、一体誰だったのでしょうか?現在も尚、汚染水が駄々漏れ状態で、溶融デブリの状況すら掴めない状況で、今も尚危機的な「有事」が続いているにも拘らず、「見ないように」しているのはどなたなのでしょうか? 今なお多くの国民が、放射能汚染された地域で被曝し続けているにも拘らず、見て見ぬ振りをしているのは、どちら様なのでしょか?憲法解釈だけで集団的自衛権を行使を容認することに反対する多くの国民を「ダチョウ」と呼び、漏れ続ける汚染水を「コントロ-ル」されていると世界に向って豪語される安倍首相こそ、その「ダチョウ」なのではないでしょうか?・・・


P.S. (報道によると)F1の2号機の格納容器内の水位が、一昨年内視鏡で調べた時に約60センチと推定していましたが、その半分の約30センチほどしかないということが分かりました。現在内部の温度は35℃程度で安定しているとのことですが、溶融デブリが全て水に浸かっているかは不明です。(注水量から考えても)60センチでもそうですが、30センチというのは如何にも水位が低いとしか思えません。デブリが露出している部分も当然あるかと思います。(注水され)汚染された冷却水は、ベント菅からサプレッションルーム(圧力抑制室)の方へ流れ、損傷部分から地下へ流出しているとのことですが、その損傷箇所は(複数箇所あるのかなど)未だ分かってはおりません・・・

P.S.2 (報道によると)先日、汚染雨水を保管している小型タンクの天井開口部からの汚染水漏れ事故がありましたが、約3,4トンの放射能汚染雨水が約3ヶ月に渡って漏れ続けていたとのことです。ストロンチウムなどの放射線は(1ℓ当たり)約1万ベクレルありましたが、東電はこの汚染雨水の濃度は低いものと思い込んでおり、その為、堰の排出弁も開けており、パトロールもしていなかったとのことです。濃度が低くても、排出弁は閉めておくことになっているはずです。そもそも、低いと思い込んでいたということはどういうことなのでしょうか?調べることもせずに、そう思っていたのでしょうか?よく分かりません・・・

P.S.3 田村市都路地区の住民と国・市との意見交換会の場で、幼い子どもを持つ父親が、「子どもが土遊びをできる環境に戻して欲しい」、「それなしに避難指示の解除はありえない」と訴えています。「このまま帰還したとして、もし健康被害が起きたらどうなるんですか。水俣病みたいに何十年も争うことになるんですか」と。それに対して国の職員は、「賠償の仕組みはある。ただし、原発事故との因果関係が認められればの話」と答えたそうです。「ふざけるのもいい加減にしろい!」美輪明宏さんなら(勝手に妄想して申し訳ありません)、このように言われるかも知れません。「ごきげんよう、さようなら」・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月10日)

日本丸の沈没と「吉田調書」

2014-06-09 09:23:20 | 日記
 韓国の大型フェリー船の沈没事故、読者の皆様も原発事故と重ねながら(慙愧に耐えない思い出)見られていた方も多かったのではないでしょうか?日本全体を超大型の「日本丸」とすると、福島第1原発は座礁した客船の腹部と言えるかと思います。そして福島及び周辺の住民は、「日本丸」の乗客です。セオル号の乗客同様、保安院の検査官、同原発の殆どの所員が逃げる中、住民は一切の情報を与えられず被曝を強いられました。

 韓国同様、原発を運営する電力会社の杜撰な安全管理と利益優先の体質、管理する原子力安全・保安院をはじめとする政府と電力会社との癒着、そして何より国民には何も知らせないという「隠蔽体質」は、問題の本質を隠し、事故の原因を有耶無耶にし、自らの責任を逃れようとの意図を感じます。実際、(何人かの「天上がり」こそありましたが)自己の責任をとって只の1人も辞めることはありませんでした。

 (繰り返しになりますが)「吉田調書」をはじめとする(772人の)「聴取書」及びテレビ会議の録画記録は、事故時におけるボイスレコーダー同様、事故原因を解明するための貴重な「資料」になります。また、刑事責任を追求するためは極めて重要な「証拠」となります。奇しくも先日、東電株主代表訴訟の原告の方々が、調書を保管している内閣官房に対して、それら「調書」の開示請求を行ないました。同原告にとってそれらの「調書」は正しく裁判になくてならなない「証拠」ですから、その開示を求めるのは当然のことだと思います。開示されない場合は、さらに訴訟を提起する方針だということです。(参照・引用は『朝日新聞』)

 吉田元所長は、聴取に当たって、「ほぼそのままの形で公にされる可能性がある」との説明に、「結構でございます」と答えられています。「上申書」を理由に政府は公開を拒否していますが、むしり「上申書」は情報を隠蔽しようとの東電や政府の意を酌んで(或いは圧力を受けて)提出した(させられた)ものではないかと思います。事実を明らかにしたい、それが現場の責任者として(命懸けでF1を守った)故吉田元所長の本当の「願い」ではないかと(私は)感じます。

 また、当時聴取を受けた民主党菅内閣の主要閣僚らで、聴取を受けたことを明らかにした11人の内、高木元文科大臣や細野元首相補佐官ら(条件付の方を含め)10人は、調書の公開を容認しています。聴取(ヒアリング)自体は原則として非公開かつ少人数だったとのことで、聴取内容は「相手方が公開を了承している場合は、適宜の方法で行なう」とのことでした。当然、吉田元所長も「了承」していた訳ですし、他の方も(そうでない方は別ですが)同様の説明に「了承」していたと思われます。必然的に「開示」するべきものと思います・・・

P.S. 条件付で公開を容認した菅元首相は、「今の(安倍)政権が恣意的なやり方をしないなら、できる限り公開するべきだ」と述べています。枝野元官房長官も、「政治の介入などによって、公開対象や公開部分になどについて恣意的で変更したものとならなければ、公開しても構わない」としています。また、寺田元首相補佐官は、「公開して欲しいと強く望む。私の記憶は公共財だと考えている」と発言しておられます。公共財は「公け」でなければいけないと思います・・・

P.S.2 田植えが無事に終わり、ほっとしています。後は水の管理と水草対策です。只、作物の生育は天候次第ですから、私のできることは殆どありません。猛暑が予想される西日本です。天気を気に掛けながら、今年も収穫できるように祈るばかりです・・・

P.S.3 「花子とアン」、この1ヶ月「こぴっと」の大盤振る舞いでした。「じぇじぇじぇ」に次いで、流行語大賞を狙っているようです。でも「アナ雪」旋風には適わないかもしれません。W受賞に持ち込みたいのかもしれませんが。いずれにしても、(甲状腺異常の)バセドー病で活動休止をされていた絢香さんの歌声(主題歌)が聴けたのは嬉しかったです。(体調さえ回復していれば)紅白に出てもらいたいと思うのですが。「アナ雪」の「ありのままで」も、松さんはじめお三人が、「紅白」で熱唱して戴けると嬉しいと思います。(済みません、欲深で)あと美輪さんも「愛の賛歌」をお願いできればと思うのですが。もう擦る胡麻はありません。こぴっとごきげんよう、さようなら・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月9日)

ALPS処理でも減らない汚染水

2014-06-05 12:36:09 | 日記
 (知って驚いたのですが)ALPSで処理し、(トリチウムを除く)62種類の放射性物質が検出できないレベルでも、(当然全てゼロになるわけではなく)それらの放射性物質の全体の値は1ℓ当たり数百ベクレルになってしまうとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 さらに(処理できない)トリチウムは1ℓ当たり数十万ベクレル程度もあり、当然、放流などできません。高濃度汚染水が低濃度汚染水になって、漏出したときのリスクは軽減されるのですが、汚染水問題の重大な課題の1つである、増え続ける汚染水とタンクの増設に、ALPSは寄与できないということになります。

 当のALPSも、先月末にB系統が再開したものの、(今月中に再開予定ではあるそうですが)A、Cの2系統は止まっています。今回のトラブルの原因は、3系統全て、カルシウムやマグネシウムを取り除く為のフィルターのパッキンが放射線によって脆(もろ)くなって、隙間ができ、汚染水が処理されないで流れたのが原因のようです。

 ALPSは他にも、コバルトやマンガンなど放射性物質を取り除くのに邪魔な物質を除去する「前処理」にも幾つか工程があり、その後放射性物質を吸着させるための工程を、(具体的には分かりませんが)7タイプ計15塔も通過させるそうです。どこか1つでもトラブルが起きれば、その系統は止めなければなりませんし、放射線が高いため、原因究明やその対処にも時間が掛かるとのことです。

 現在約36万トンある高濃度汚染水の内、アルプスで処理できたのは約8万5,000トンです。しかし、トラブル続きでなかなか「試運転」さえ終わらない状況で、処理できても再びタンクで保管しなければいけないというのでは、いずれにしても増え続ける汚染水のためには、タンクを造り続けるしかないというのが現状のようです・・・

P.S. (NHKによると)山側の(汚染された雨水を入れる)タンクにあるタンクの堰に約4トンの汚染水が漏出、1ℓ当たり9,800ベクレルのベータ線を出す放射性物質が検出されたトラブルで、東電は「漏れた汚染水は『堰』の内側に留まっている」と説明しましたが、(以前も同じミスで汚染水が漏れましたが)本来閉めておかなければならない排水弁が開いていたとのことです。また(同じミスなのですが)、この小型のタンクのエリアでは定期的なパトロールも行なわれていなかったそうで、この漏出は規制庁の職員が発見したとのことです。またこの小型タンクには、天井部分に幅3センチ、長さ30センチの開口部があり、そこから雨水が入って水位が上がり、溢れ出たようです。東電は、「(汚染した)雨水を移送したタンクでは、適切な管理が行なわれておらず、反省している。タンクに雨水が入らない対策やパトロールといった適切な管理を進める」と述べています・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月5日)

東電賠償ルール

2014-06-04 10:51:42 | 日記
 原子力損害賠償法によると、原子力災害による損害内容や被害の期間、損害額といった「大枠」の賠償指針を決めるのは「原子力損害賠償紛争審査会」(原賠審)で、民放学者や放射線の専門家ら約10人の委員が指針を決めているそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 一方、家族の分断や長期失業といった、被災者ごとの「個々の」異なる損害について、被災者に不服がある場合、「原子力損害賠償紛争解決センター」(原発ADR)に申し立てることができます。そして仲介役である委員(弁護士)が、申立人と東電の双方に和解案を示す仕組みになっています。

 しかしながら、「原賠審」も「原発ADR」も東電に対する「強制権」はなく、そうした指針に従うか否か、或いは仲裁案を受け入れるかどうかは、全く東電の「意思」に掛かっているわけです。実際東電は、「原賠審」が昨年12月に、仕事を失った避難者の所得の賠償について「当面続ける」と確認したものを、今年の2月に来年2月で打ち切ると発表しています。「賠償ルール」は東電が決める、それが本当の仕組みのようです。

こうした東電の示す額が受け入れられない場合は、裁判をするしかありません。実際、東電と国を相手取って慰謝料などを求める裁判が各地で提起されています。(全国での原告の総数は7,000人弱だそうです)しかし、避難生活を続けながら、経済的にも苦しい中で、時間の掛かる裁判に訴えなければならない、その経済的、精神的、肉体的負担は如何ばかりかと思います。まだしも、その負担に見合った結果が得られれば良いですが、なかなかそうした「勝訴」は今までにはありませんでした。実際、約3,000人の原告がいる福島地裁では6回の口頭弁論が開かれ、本格審理に入っているそうですが、東電や国は、原告の「訴えは不適法」で国や東電には「過失はない」と主張しているそうです。言葉がありません・・・

P.S. 広島郊外で「黒い雨」を浴びた人や、長崎周辺で国の指定地域外にいた「被爆体験者」の方々は、被爆者援護法に基づく「被爆者健康手帳」を持つ人と同等の援護を求めて裁判を提起し、原爆症認定に関するこれらの裁判では、国は殆ど負け続けています。しかし国は、行政訴訟では異例ともいえる(まともな)司法の判断を無視し、認定基準を「まともな」ものに変えずにいます。低線量被爆した被害者が病気になっても、「原爆症」とは認めないという一貫した姿勢です。やはり「低線量被曝」した放射能汚染地域の人々が今後様々な疾病を発症しても、同様の「認定基準」を押し付けてくるのでしょう・・・
 
P.S.2 避難指示解除となった田村市都路地区の20キロ圏では、ほぼ全域で上水道が整備されておらず、殆どの住民が井戸水や沢水で生活してきたそうです。「阿武隈山系の地下水は軟水で美味しい」とのことで、それだけ自然に恵まれた地域だったのだと思います。当然、汚染の心配を持つ(63歳)男性の住民の方が、国と市との意見交換会でその「安全性」を問いましたが、(飲料水の規制基準10ベクレル/㎏)に対して、「不検出」か1ベクレルよりも低いと回答しています。しかしこの測定値は、男性の暮らす集落外のものだったそうです。同男性は、「おらんちのデータを示してくれねと安心できねえよ。だって、水は毎日飲むもんだよ。怖いよ。末恐ろしくって、おら帰れねえよ」と述べておられます。その後、飲料水に関する国の最終回答は、「仮に、基準値を超える放射性物質が検出された場合、東京電力による賠償を受けることが可能です」とのことだったそうです。どう男性は、「カネの問題じゃない。いのちの問題なんだ」と訴えられたとのことです。国の「姿勢」がはっきり分かる対応だと思います・・・

P.S.3 政府は、自民党の「原子力規制に関するプロジェクトチーム(PT)」の要求する、「吉田調書」の閲覧について、内閣官房が同PTに回答した文書には、「吉田元所長からのヒアリング記録を含め、記録は非公開」として、閲覧を拒否する意向を伝えました。これに対し同PTの事務局長である吉野議員は、「吉田調書は人類共通の財産。二度とあのような事故を起こさないよう、教訓として活かしていくべき」だと述べています。(私もやはり)全ての調書を全面開示して、事故の経緯やその対応を検証し、今後の教訓とすべきだと思います。閲覧拒否は、政府が事実を「隠蔽」しようとしていると思われても仕方がないように思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月4日)

過酷事故からの「撤退」などあり得ない

2014-06-03 11:18:09 | 日記
 朝刊(『朝日新聞』)の記事(タイトル)に、「政府の役割定まらない」「原発事故時 撤退基準なし」とありました。内容をまとめると、事故直後(日付は分かりません)、原発事故の対応に当たるはずの(旧)原子力安全・保安院の保安検査院がF1から5キロ離れたオフサイトセンターの現地対策本部(大熊町)に「撤退」、(2011年)3月15日には現地対策本部ごと福島市に「退却」、同日F1の所員の9割がF2(福島第2原発)に「撤退」。

 「原子力災害対策マニュアル」では、過酷事故が起きた場合、国の職員がどの時点まで現場にとどまるのか(「撤退するのか」)の基準がなく、どのような役割を果たすのか、どのような情報を収集するのかも明確ではない、と。過酷事故を経ても尚、あくまで事故は事業者が対応し、政府はそのサポートしか行なわず、政府の役割そのものが「明確」になっていない、と。原子力規制委員会の田中委員長も、「事業者が手に負えないことは想定していない」と。

 (暴力的な私としては)事業者であろうが、政府の役人であろうが、過酷事故からの「撤退」などあり得ないと思います。それが、原発を動かす事業者と国の最低限の「責務」だと思っています。当然、原発を動かすと言うのならば、過酷事故が起きた場合、事業者も国も命を懸けて事故対応を行なうべきです。それが国を守り、国民の生命と財産を守ることになると思います。その「覚悟」もなく、対応もできないというのなら、原発(核)を利用する資格はないのです。

 (これまでにも書いてきましたが)過酷事故が起きた(或いは、想定される)場合、国家の存亡にさえ発展する事態ですから、(検査官が逃げている場合ではありません)国が全ての情報を蒐集し、事業者を含めた一元的な指揮系統の下で、自衛隊をはじめとする全ての人員と手段をもって対処に当たるべきだと思います。国権そのものを発動し、(勿論最小限にしなければいけませんが)どのような犠牲を払ってでも、超法規的な対応を行なってでも、事故を収束させなければいけないと思います。「撤退」などあり得ない、そう思うのです・・・

P.S. 昨日3回目の地下水バイパスが実施され、約330トンの処理水が放流されました。東電によると、当初の半分程度、1日50トンほど汚染水を減らせるとのことです。凍土壁の工事も始まりました。効果は、(来年3月開始のあくまで「予定」だそうですが)1日280トンほど地下水の流入を減らせると。(まあ、そんなに上手くは行かないでしょうから)半分としても1日150トン、バイパスと合わせて(正直私はまだまだ悲観的ですが、楽観的にみれば)1日200トンは減らせるかもしれません。すると(客観的にみれば)来年の3月までは1日400トンずつ汚染水は増え、3月以降は200トンずつ増えるということです。現在タンク900基余りに汚染水が約48万トン(3年前の4倍です)その内、高濃度汚染水が36万トンだそうです。(来年の3月まででいくらになるか計算する気力もありません)やはり、悲観的にならざるを得ない状況です・・・

P.S.2  地盤工学の専門家で、規制委員会の検討会に参加した京大の嘉門教授は、「他の方法で確実に30~50年使える遮水壁を造ることができる」と「凍土壁」反対しています。効果のほどが分かっておらず、大規模に行なうのも初の試みです。危険性も指摘されています。実績があって、確実で、安全な方法を選ぶべきです。さらに事故が生ずるような可能性があるのなら、止めるべきだと思います。費用負担の名目が立たないから「凍土壁」を選んだとの経緯もあります。東電を生かすためには何兆円も使っていながら、事故収束のための対策にその「名目」を気にするとは・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月3日)

F1「制御不能」発言

2014-06-02 09:28:21 | 日記
 「吉田調書」によると、2号機が危機的状態だった14日から15日の状況を、吉田元所長は、「水、入らないということは、ただ溶けていくだけですから、燃料が。・・・燃料分が全部外へ出てしまう。尾プルトニウムであれ、何であれ、今のセシウムどころの話ではないわけですよ。放射性物質が全部出て、撒き散らしてしまうわけですから。我々のイメージは東日本壊滅です」、「チェルノブイリ級ではなくて、チャイナシンドロームではないですけれども、ああいう状況になってしまう。そうすると、1号(機)、3号(機)の注水も停止しないといけない」と語っています。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 その15日の午前2~3時ごろ、政府官邸に詰めていた東電の武黒フェローらの口から、当時首相補佐官で原発事故の対応に当たっていた細野氏に対して圧力容器の圧力が急上昇して「制御不能」だとの発言があったとのことです。そしてこの「制御不能」発言後、東電にも官邸にもF1からの「撤退」の雰囲気が広がったとのことです。この時の状況を細野氏は、「東電から制御不能という言葉があったのは衝撃的だった。専門家が制御不能と言っているものを『制御』しろとは言えない」と(インタビューで)語っています。

 東電が「撤退」を望んでいる中、細野氏は「意気消沈している場合ではない」、「何とかしなきゃならないんで、とにかく手をかんがえてくれ」と、東電や当時原子力安全委員長の斑目氏ら専門家に求めましたが、「打つ手なし」の状況だったとのことです。そうした中で細野(元)首相補佐官は、「撤退」を望む東電本店よりも、現場に留まっている吉田元所長の判断を尊重するよう菅元首相に進言しています。そして、(当時の)菅首相は、F1からの撤退を認めない決断をしています。「撤退」は日本の破滅を意味していたと、そう思います・・・

P.S. (当時の)菅首相が「撤退」を却下した15日の6時42分、(船で言うと船長に当たる)吉田元所長が「待機」命令を出したにも拘らず、F1の所員の9割が「撤退」をしています。メルトダウンが進行する3基の原子炉と4つの使用済プールを放置したまま、所長の命令も無視し、国家の最高責任者の「命」にも反したわけです。一番緊急な時にF1に自ら乗り込んだ菅首相を私は批判しましたが(今でも間違いだったと思っていますが)、こうした流れを見ると、(最高指揮官が乗り込むのではなく、事故収束の為に特殊部隊を送るべきだったと思っていますが)乗り込まざるを得ない危機的な「制御不能」の状況で、撤退したがっている(実際に逃げている)東電の首根っこを押さえる必要があったのかもしれません・・・

P.S.2 広島大学の鎌田教授らの研究によると、広島に投下された原爆で被爆した親から生まれた「被爆2世」の白血病の発症リスクは、父親が爆心地から2キロ以内で被爆し、その父親の被爆後に早く生まれた2世ほど白血病の発症リスクが高いとのことです。この発症リスクは、1年ごとに38%ずつ減少し、10年後にはリスクは(他の人と変わらない)一定となったとのことです。ちなみに、母親が被爆した2世にはこの傾向は見られないそうです。同教授は、リスクの減少について「放射線で傷ついた生殖細胞が、時間が経つにつれて排除されていった可能性がある」、「遺伝的影響の可能性を示す」ものであるとし、「我々の50年の調査結果から、(遺伝的影響が)ないとは言えないのではないか」と話しています。今後も研究が必要とのことですが、放射線が生殖細胞を傷つけ、遺伝的な影響を及ぼすという可能性を示した画期的な研究だと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月2日)