プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

ALPS処理でも減らない汚染水

2014-06-05 12:36:09 | 日記
 (知って驚いたのですが)ALPSで処理し、(トリチウムを除く)62種類の放射性物質が検出できないレベルでも、(当然全てゼロになるわけではなく)それらの放射性物質の全体の値は1ℓ当たり数百ベクレルになってしまうとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 さらに(処理できない)トリチウムは1ℓ当たり数十万ベクレル程度もあり、当然、放流などできません。高濃度汚染水が低濃度汚染水になって、漏出したときのリスクは軽減されるのですが、汚染水問題の重大な課題の1つである、増え続ける汚染水とタンクの増設に、ALPSは寄与できないということになります。

 当のALPSも、先月末にB系統が再開したものの、(今月中に再開予定ではあるそうですが)A、Cの2系統は止まっています。今回のトラブルの原因は、3系統全て、カルシウムやマグネシウムを取り除く為のフィルターのパッキンが放射線によって脆(もろ)くなって、隙間ができ、汚染水が処理されないで流れたのが原因のようです。

 ALPSは他にも、コバルトやマンガンなど放射性物質を取り除くのに邪魔な物質を除去する「前処理」にも幾つか工程があり、その後放射性物質を吸着させるための工程を、(具体的には分かりませんが)7タイプ計15塔も通過させるそうです。どこか1つでもトラブルが起きれば、その系統は止めなければなりませんし、放射線が高いため、原因究明やその対処にも時間が掛かるとのことです。

 現在約36万トンある高濃度汚染水の内、アルプスで処理できたのは約8万5,000トンです。しかし、トラブル続きでなかなか「試運転」さえ終わらない状況で、処理できても再びタンクで保管しなければいけないというのでは、いずれにしても増え続ける汚染水のためには、タンクを造り続けるしかないというのが現状のようです・・・

P.S. (NHKによると)山側の(汚染された雨水を入れる)タンクにあるタンクの堰に約4トンの汚染水が漏出、1ℓ当たり9,800ベクレルのベータ線を出す放射性物質が検出されたトラブルで、東電は「漏れた汚染水は『堰』の内側に留まっている」と説明しましたが、(以前も同じミスで汚染水が漏れましたが)本来閉めておかなければならない排水弁が開いていたとのことです。また(同じミスなのですが)、この小型のタンクのエリアでは定期的なパトロールも行なわれていなかったそうで、この漏出は規制庁の職員が発見したとのことです。またこの小型タンクには、天井部分に幅3センチ、長さ30センチの開口部があり、そこから雨水が入って水位が上がり、溢れ出たようです。東電は、「(汚染した)雨水を移送したタンクでは、適切な管理が行なわれておらず、反省している。タンクに雨水が入らない対策やパトロールといった適切な管理を進める」と述べています・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月5日)