プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

原子力委員会という「お釜」のヘソ

2012-05-25 11:42:30 | 日記
 原子力推進の拠点である内閣府の原子力委員会が、秘密会議を繰り返し、核燃料サイクルの報告書を書き換えていたそうです。(『朝日新聞』によると)同委員会の事務局は、「電力会社など原発推進側だけを集めた非公式な会合を20回以上も重ね、核燃料サイクル政策の見直しを議論する小委員会の審議前に(電力会社や原子炉メーカーへ)情報を流し」、「報告書案も事業者に有利なように書き換え」ていたとのことです。

 同秘密会合に出席していたのは、小委員会の座長だけ、後は電力会社や原子炉メーカーの社員となると、最早事業者の言うがまま、原子力委員会の事務局には、「以前から電力会社や原子炉メーカーの出向社員が複数、常駐している」というのですから、官も民もない、(学も含めて)完全に一体(コングロマロット)化し、原子力村の巨大な「お釜」を構成していることが分かります。みんな、「同じ釜の狢(むじな)」なのです。

 またこうした(あらゆる)委員会での審議は、「事務局に誘導されたり、実際の審議と事務局がまとめる内容に隔たりがあったり」と、まさに結論ありきの「ヤラセ」が横行しているわけです。1人、2人、政策に反対の委員も任命はしますが、言うだけ言わせて無視するというやり口です。審議の実態など露ありはしません。

 こうして、再処理よりまだ直接処分の方がまし、という方向に向き始めた流れを、強引に(無謀な夢の)「核燃サイクル」に引き戻そうとする試みですが、その「つけ」(コスト)は、結局我々のところに押し付けられることになりそうです・・・

P.S. 原子力を推進する原子力委員会、安全の規制当局である原子力安全・保安院、安全を担保する原子力安全委員会、福島の原発「人災事故」が起こっても、(栄転はしましたが)たった一人として責任を取ってお辞めにはなっていません。政府官邸では、A級戦犯の大臣が今尚、幅を利かせています。東電をはじめとする電力会社の「ぼったくり」も、「知らなかった」そうですが、どこまで国民を馬鹿にするのでしょうか?或いは、馬鹿にされる国民が何より「馬鹿」なのかも知れませんが・・・

P.S.2 「先月、核燃料処理会社である日本原燃の川井社長が『国内に存在する約1万7千トンの使用済燃料を再利用した場合、・・・約15兆円の資産価値がある』とする試算を発表」(投稿文から引用)したそうです。これまた、再処理どころか、核廃液のガラス固化すらできずに止まっている状態で、捕らぬ狸をよくまあここまで皮算用したものです。このような物、資産どころか、どこまでバックエンドに費用が掛かるか分からないですし(当然、電気料金として徴収されるわけです)、(技術的にも、処分地も)全く見通しが立っていない状況で、それでも冷却し続けないと、いつ放射性物質を放出するか分からない危険な代物でしかないのです・・・

P.S.3 「安全基準ができるまで、臨時運転」とのたまい、再稼動への「水先案内人」を買って出た橋下さん、それをあっさり(関電にも政府にも)拒否されて、さぞかしお怒りのことと思います。橋下さんの特徴は、矛盾したことを言っても気にしない、思い付きで言葉を発しても(泣いても)恥ずかしいとも思わないということでしょう。ただ、自らの権力基盤を作る構想は念入りに練っているはずで、その為に利用できるものは全て利用する、そこは徹底しているように感じます。「統治システム」を変えるどころか、既存の権益や統治システム(或いはマス・コミュニケーション)をうまく利用しながら、(税金も含めた)自分が自由にできる「利権」(構造)を、国からも、地域からも引っ張ってこようとしているだけのように思います。何かを変えて欲しいと、(民主党の次は)彼のような人間に期待し、(原発同様)コントロールできない権力を与えるのは、極めて危険なことだと感じるのです・・・(やはり政治にも、緊急時及び平常時の「冷却装置」が必要のようです・・・)

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年5月25日)

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