プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

北朝鮮、核の脅威

2013-02-13 10:26:30 | 日記
 (国連の決議に反して)北朝鮮が3度目の核実験を行ないました。韓国や、かつて植民地政策を行い、侵略・支配した日本にとっては、大きな脅威であることは間違いありません。ただ、今回の核実験や弾道ミサイル開発の最大の目的は、現体制の維持だと思います。依然大量の餓死者が続発し、国内的な不安定要因を抱える同国が、「悪の枢軸」と名指しした米国に、(米国は無視し続けていますが)体制の補償を求めているわけです。(かつては「狂犬」でありながら)米国の「飼犬」となり、核開発を放棄したリビアのカダフィ大佐の最後(リンチ死)を見れば、パキスタンのように核を開発し、やがては米国に核保有国として承認されることを待ち望んでいるのでしょう。

 中国やロシアは、表向きは非難の声明を出していますが、それ程深刻に捉えているようには思えません。特に中国は、北朝鮮との貿易を拡大し、同国の資源や軍港を欲しがっています。(コントロ-ルできない状態とはいえ)子飼いの北朝鮮を手放す気はないと思われます。同国が「無法者」であり続ける限り、中国のプレゼンスも増すというところでしょうか。いくら経済制裁を強化しても、増大し続ける中国との交易で、(人民は餓死し続けるでしょうが)金一族とその側近、軍部が干されることはないのです。

 日本としては、核と言うよりも、ノドンだけでも十分な脅威です。(もんじゅも含めて)55基も大量の核燃料及び核廃棄物を抱える日本の原発に、ノドンを(何百発も)打ち込めば、(パトリオットでは全て落とせませんから)日本は壊滅的な情況になります。(韓国も同様でしょう)また、ミサイルなど発射しなくても、稼働していない原発の外部電源を止めれば、危機的な情況なることは誰でも知っています。鉄塔を倒すまでもなく、送電ケーブルが切断されれば、冷却できなくなるのです。取水口が破壊されれば、冷却水が取り入れられません。セキュリティーの甘い日本の原発が、テロを防ぎ切れるとは到底思えません。

米国が懸念する最大の問題は、(かつてパキスタンへ売却したものがリビアに流れた)北朝鮮で大量に埋蔵されている良質のウランや、遠心分離機等の核技術のイランやシリアへの流出でしょう。軍事的な脅威の拡大と共に、NPT体制で独占している(原発を含めた)核ビジネスの「利」が脅かされることだと思います。そういう点では、中国やロシアは、こうした国々に好意的であることが、(長期化するシリアの内戦でも分かるように)問題を複雑にしているように思います。上記のように、北朝鮮が体制の保身を最大課題としている以上、(メリットがありませんから)日本が直接狙われる可能性は極めて低いと思われます。それよりも、たった60キロ先にある「核」(伊方原発)の方が、よっぽど危険だし、脅威だと思うのです・・・

P.S. 予算委員会に参考人招致された東電の広瀬社長は、「国会事故調への説明は、『当然(当時の)社長が関与すべきだった』」としながら、玉井企画部長が「上司には全く相談せず、説明に向かった」と答弁しました。(引用は『朝日新聞』)勿論、そんなことを信じる国民は1人もいないと思います。この問題を質疑したのは民主党議員1人だったそでう、政府与党である自民党も、公明党も全く関心がないようです。また、国会自体が現地調査には「積極的な動きは見えない」とのとで、国会の権威が地に落ちても意に介さない、元から落ちていたということなのかもしれません。ただ、田中原子力規制委員長は、(現地調査を)「できるだけ速やかに調査に取り組みたい」と答えています。政府官邸は(多分)、そんな調査は良いから、早く再稼動のお墨付きを出して欲しいのでしょうが・・・

P.S.2 日本産業・医療ガス協会は、「値上げの幅が半分にできる」として、「原価から再稼動の予定がない原発の維持費や、発電しない日本原子力発電に払う維持費を外す」よう要望しました。ま同時に業界は、財政支援と原発の早期再稼動を要望しています。いくら経済的な事情があるとはいえ、核は核、脅威であることになんら変わりはないのです。そろばん勘定はできても、危険性(脅威)は測ることができないのでしょうか?私には、北朝鮮の核も、日本の核も同じく危険であるし脅威なのです。それが近ければ近いほど、さらにその脅威は大きく感じられるのです・・・


by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年2月13日)

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