円が120円直前まで下落、円安(株高)を誘導する「アベノミクス」は成功しているかのように見えます。しかしその陰で、「円安(アベノミクス)倒産」が増加している実態があります。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)
円安の影響による倒産が、11月は42件、3ヶ月連続で過去最多を更新、今年に入っての1~11月の倒産合計件数は301件で前年同期の2,7倍に達するとのことです。やはり、「アベノミクス円安」で原材料や輸入製品の価格が上昇し、中小企業の収益は著しく圧迫され、倒産に追い込まれているのです。ちなみに業種別では、運輸業や繊維業、食料品などで倒産が増えているそうです。
一方、EUでも1人勝ちのドイツでは、中小企業が経済成長を牽引しているそうですが、日本は2000年代に入ってから、一部の大企業、輸出企業は堅調なものの、中小企業や地方、国民生活は逼迫した状況が続いています。(円安でも工場を国内に戻すどころか、逆に海外に工場を進出させて)雇用を生み出さない(自動車などの)輸出大企業、(儲けは税金の殆ど掛からないタックスヘブンへ移して)税金すら払おうとしない多国籍企業、そんな大企業のために税金で道路や橋、港湾などのインフラを整備する、そして法人税減税。
法人税減税に関しては(過日もその財源を中小への増税で賄おうとの政府の思惑について書きましたが)、現在の日本では、法人税減税をしても国内の投資が増えたり、海外からの投資や企業進出が増える効果は殆ど見込めないそうです。(構造的にそうなのです)確かに、その減税分が(大企業の社員の)給与の引き上げとして回れば、(来ないでしょうが)いつかは「トリクル」(お零れが)落ちてくるかも知れませんが、結局は、大企業の「懐(ふところ)の財布」(内部留保)に入るだけのように思います。(ちなみに、9月末時点での内部留保を示す利益余剰金は過去最高の323兆円だそうです)
(昨夜のニュースでは)原油価格がこの4ヶ月で(107ドルから66ドルへ)40ドル余り(4割)も下がったということでした。(シェール革命などの影響が大きいようです)しかし、円安でその殆どの恩恵は相殺されてしまっています。「アベノミクス円安」が、一部の大企業(多国籍という名の「無国籍企業」)を除く、(99%に及ぶ)日本企業を、そして日本経済そのものを破壊しようとしています。底値から約2倍に上昇した株価も、(円ドルレートで見れば)2割ほどしか上がっていません。日本の株が外国の資本に買われる、引いては企業が、日本が買われる状況を(輸出すら増えないのに)自ら演出(誘導)するとは、正に日本を「売って」いる行為としか思えません・・・
P.S. ムディーズ・インベストメント・サーブスは、日本の国債の格付けをAa3(上位3番目)からA1(上位4番目)へとランクを引き下げました。イスラエルやチェコ、オマーンなどと同じ水準です。消費税税率の延期などで財政赤字の削減目標が達成できるかどうか「不確実性が高まった」との理由からだそうです。財政再建は必要だと思います。しかし、それを増税だけで行なうのはどうかと思います。財政カットと増税は「一体的」なものでないと意味がありません。橋下さんの言われるように、議員と公務員の給与カットで年間5兆円の財政支出を減らし、一方で増税(最早、消費税しかないのかもしれません)で増収を目指して、プライマリーバランスの正常化を行なう。しかしながら、消費税増税で、税収が「増える」とは限りません。(まだ1年も経っていないので分かりませんが)消費税をアップしたのに、消費税による税収が上がっているかは分からないのです。(私自身は、別の形で税金を取るべきだと思っていますが)消費税増税は仕方ないと思っています。しかしそれは、消費税による税収が上がるとのかなりの見込みがあれば、という前提でです。その増収を大赤字の社会保障費に当てて、(消費税を当てても下がるでしょうが)少しでも、下がる社会保障サービスを低下させないようにしなければいけないと思うからです・・・
P.S.2 この失われた20年、(GDPの約6割を占める)個人消費は増えていません。多くの人は、今ある収入で倹(つま)しく暮らすことを選んだからです。(円高が、その状況を後押ししました)一方米国では、借金(ローン)で消費活動をしたり生活することに余り抵抗がないようです。政府がどれだけ財政赤字を抱えていようが、自らが借金漬けで暮らしていようが、余り気にならないのでしょう。日本人なら、国の借金は(政府が洗脳しているのもありますが)赤ちゃんも含め1人800万円とか、まるで自分の借金であるかのように思って心配し(しないといけませんが)、真面目に実直に暮らしている国民が多いと思うのです。その倹しい消費行動、生活を、借金してでも消費をさせようとしているのが「アベノミクス」の「目論見」のように思えて仕方がありません。唯一私たちにできる抵抗は、やはり「倹しく」生きる、生活する、それだけのように思います・・・
P.S.3 日本では株価上昇という「バブル」が進行中ですが、イギリス、ロンドンでは、住宅価格は年間2割も上がったそうです。イギリス中央銀行の金融緩和政策によって住宅ローンの金利が低く抑えられているために、(プチ)バブルが起こっています。米国では、あの「悪夢」のサブプライムローンが復活してしまっています。リーマンショック以降11億ドル(約1,310億円)に落ち込んだ「資産担保証券」(ABS)(信用力の低いサブプライムローンの債権を証券化したもの、様々なジャンクボンドをさらに一緒くたにした「悪魔」の証券)の発行額が、2013年には176億ドル(約1,2兆円)、今年の発行額は200億ドルに上ると予想されており、ピークだった2006年の216億ドルに迫っています。(リーマンショックはピークの2年後に起きています)これを当て嵌めると、2016年以降に、またぞろバブルが崩壊、大きな「ショック」に見舞われるかもしれません。バブルとその崩壊は繰り返されます。日本でもそれは例外ではないと思います・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月5日)
円安の影響による倒産が、11月は42件、3ヶ月連続で過去最多を更新、今年に入っての1~11月の倒産合計件数は301件で前年同期の2,7倍に達するとのことです。やはり、「アベノミクス円安」で原材料や輸入製品の価格が上昇し、中小企業の収益は著しく圧迫され、倒産に追い込まれているのです。ちなみに業種別では、運輸業や繊維業、食料品などで倒産が増えているそうです。
一方、EUでも1人勝ちのドイツでは、中小企業が経済成長を牽引しているそうですが、日本は2000年代に入ってから、一部の大企業、輸出企業は堅調なものの、中小企業や地方、国民生活は逼迫した状況が続いています。(円安でも工場を国内に戻すどころか、逆に海外に工場を進出させて)雇用を生み出さない(自動車などの)輸出大企業、(儲けは税金の殆ど掛からないタックスヘブンへ移して)税金すら払おうとしない多国籍企業、そんな大企業のために税金で道路や橋、港湾などのインフラを整備する、そして法人税減税。
法人税減税に関しては(過日もその財源を中小への増税で賄おうとの政府の思惑について書きましたが)、現在の日本では、法人税減税をしても国内の投資が増えたり、海外からの投資や企業進出が増える効果は殆ど見込めないそうです。(構造的にそうなのです)確かに、その減税分が(大企業の社員の)給与の引き上げとして回れば、(来ないでしょうが)いつかは「トリクル」(お零れが)落ちてくるかも知れませんが、結局は、大企業の「懐(ふところ)の財布」(内部留保)に入るだけのように思います。(ちなみに、9月末時点での内部留保を示す利益余剰金は過去最高の323兆円だそうです)
(昨夜のニュースでは)原油価格がこの4ヶ月で(107ドルから66ドルへ)40ドル余り(4割)も下がったということでした。(シェール革命などの影響が大きいようです)しかし、円安でその殆どの恩恵は相殺されてしまっています。「アベノミクス円安」が、一部の大企業(多国籍という名の「無国籍企業」)を除く、(99%に及ぶ)日本企業を、そして日本経済そのものを破壊しようとしています。底値から約2倍に上昇した株価も、(円ドルレートで見れば)2割ほどしか上がっていません。日本の株が外国の資本に買われる、引いては企業が、日本が買われる状況を(輸出すら増えないのに)自ら演出(誘導)するとは、正に日本を「売って」いる行為としか思えません・・・
P.S. ムディーズ・インベストメント・サーブスは、日本の国債の格付けをAa3(上位3番目)からA1(上位4番目)へとランクを引き下げました。イスラエルやチェコ、オマーンなどと同じ水準です。消費税税率の延期などで財政赤字の削減目標が達成できるかどうか「不確実性が高まった」との理由からだそうです。財政再建は必要だと思います。しかし、それを増税だけで行なうのはどうかと思います。財政カットと増税は「一体的」なものでないと意味がありません。橋下さんの言われるように、議員と公務員の給与カットで年間5兆円の財政支出を減らし、一方で増税(最早、消費税しかないのかもしれません)で増収を目指して、プライマリーバランスの正常化を行なう。しかしながら、消費税増税で、税収が「増える」とは限りません。(まだ1年も経っていないので分かりませんが)消費税をアップしたのに、消費税による税収が上がっているかは分からないのです。(私自身は、別の形で税金を取るべきだと思っていますが)消費税増税は仕方ないと思っています。しかしそれは、消費税による税収が上がるとのかなりの見込みがあれば、という前提でです。その増収を大赤字の社会保障費に当てて、(消費税を当てても下がるでしょうが)少しでも、下がる社会保障サービスを低下させないようにしなければいけないと思うからです・・・
P.S.2 この失われた20年、(GDPの約6割を占める)個人消費は増えていません。多くの人は、今ある収入で倹(つま)しく暮らすことを選んだからです。(円高が、その状況を後押ししました)一方米国では、借金(ローン)で消費活動をしたり生活することに余り抵抗がないようです。政府がどれだけ財政赤字を抱えていようが、自らが借金漬けで暮らしていようが、余り気にならないのでしょう。日本人なら、国の借金は(政府が洗脳しているのもありますが)赤ちゃんも含め1人800万円とか、まるで自分の借金であるかのように思って心配し(しないといけませんが)、真面目に実直に暮らしている国民が多いと思うのです。その倹しい消費行動、生活を、借金してでも消費をさせようとしているのが「アベノミクス」の「目論見」のように思えて仕方がありません。唯一私たちにできる抵抗は、やはり「倹しく」生きる、生活する、それだけのように思います・・・
P.S.3 日本では株価上昇という「バブル」が進行中ですが、イギリス、ロンドンでは、住宅価格は年間2割も上がったそうです。イギリス中央銀行の金融緩和政策によって住宅ローンの金利が低く抑えられているために、(プチ)バブルが起こっています。米国では、あの「悪夢」のサブプライムローンが復活してしまっています。リーマンショック以降11億ドル(約1,310億円)に落ち込んだ「資産担保証券」(ABS)(信用力の低いサブプライムローンの債権を証券化したもの、様々なジャンクボンドをさらに一緒くたにした「悪魔」の証券)の発行額が、2013年には176億ドル(約1,2兆円)、今年の発行額は200億ドルに上ると予想されており、ピークだった2006年の216億ドルに迫っています。(リーマンショックはピークの2年後に起きています)これを当て嵌めると、2016年以降に、またぞろバブルが崩壊、大きな「ショック」に見舞われるかもしれません。バブルとその崩壊は繰り返されます。日本でもそれは例外ではないと思います・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月5日)