プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「電源開発促進税」という原発増設システム

2012-05-27 08:54:52 | 日記
 年間総額約3,500億円にも上る「電源開発促進税」という税金があるそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)実質的に原発という「電源」を「開発促進」し、さらに増やす為に課税されてきた税金です。この税金は、電気料金に上乗せされる形で徴税されています。「月間の電気使用量が300kWという一般的な家庭」で、電気料金約7,000円のうち約110円を税金として納めていることになるのです。

 東電の値上げ申請において、当税金は「電源開発促進税法」に規定されている為、電気料金の「原価に含める金額も少し減らしただけ」だそうです。原発を推進する税金を、今後も同様に取り続けると言うことは、やはり原発を今後も「開発促進」するという意思表示として受け取らざるを得ません。

 同税金は、「使い道が限られる『特定財源』」であり、(例えば道路を作り続ける為だけに使われる「道路財源」同様)原発を造り続ける為だけに使われるわけです。この3,500億円の内、1,000万円は、(中曽根さんが導入した)「電源立地地域対策交付金」として、(その8割が)原発の立地自治体に配られます。原発事故という意味では、50キロ、100キロが「被害自治体」であるにも拘わらず、立地自治体だけがこうした巨額の交付金で潤うわけです。

 しかし、原発立地自治体が受け取る、こうした交付金や原発の固定資産税は、年々減っていきます。原発を誘致した町や市は、交付金によって様々な公共施設を建設しており、その「建設費用の一部を出した際の借金返済や維持費」が嵩み、さらに新たな原発建設による交付金等の財源に頼らざるを得ない財政構造体質になっているのです。(原発交付金が、「麻薬」に喩えられる所以です)

しかし最も問題なのは、私たちが電気を使用することで、知らぬ間に税金が取られ、それが原発を促進し、どんどん増設するシステムができていたということであり、それに私たちは好むと好まざるとに拘わらず「組み込まれて」いることで、この国策に加担させられ、(今尚)利用されているという事実です。そして原発事故がなければ、(原発が停止することもなく)無限に原発が(原発輸出も含めて)増え続けていたという真実です。そして勿論、再稼動を目指す政府にとって、或いは同税金を「盗り」続ける政府にとって、この原発促進の方針は露変わってはいないということなのです・・・

P.S. (被害者でなく東電)「支援機構」は「数兆円規模の賠償資金を(東電に)貸し出し」ていますが、これは東電だけでなく、東電以外の電力会社にも「一般負担金」として負担(返済)するよう求められています。つまり、東電管内の利用者だけでなく、全国の電気利用者に、その返済の義務(負担)を負わせているということです。これまた知らないうちに、電気料金の中にそうしたコストが含まれているというわけです。勿論、賠償の為に使われるのなら構わないのですが、東電の「救済」の為に使われ、またこうした「国策」を(事実上)支援しているということにもなるわけで、何とも言い難い思いに駆られるのです・・・

P.S.2 原発の耐震指針改定を進めていた原子力安全委員会に対し、保安院が改定する必要はないとの圧力を掛けていましたが(2006年)、2004年には、同委員会に対して電気事業連合会が、「『指針改定は、安全確保上必須のものではなく、より良くするための高度化である』と原子力安全委員に述べていただく必要がある」との文書を送っていたそうです。改定しなくても「安全」だと述べるよう強制しているわけですが、それが誤りであったことが、奇しくも震災と事故が証明しているのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年5月27日)

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