プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

放射能汚染水「海洋放出」計画

2014-08-08 10:45:34 | 日記
 東電及び政府は、事故以前に建屋周辺の地下水を汲み上げ海へ放流していた42本の「サブドレイン」と、港湾沿いに新設する井戸(本数分からず)から、放射能汚染された地下水を汲み上げ、処理した後に(タンクには保管せず)そのまま海へ放出する計画を、昨日地元の相馬双葉漁港に対して説明会を開きました。

 説明を受けた同漁協からは、地下水バイパスでの選択を迫られた後だけに、(地下スバイパスの)効果や(悪)影響もわからない状況の中、「新たな(放出)計画の必要性と安全性について、説明不足」、「新たな風評(実害だと思いますが)被害を生む」、「我々漁師は何度、『苦渋の決断』をすればいいのか」と言った声が挙がっています。

 一方、放出する汚染水について東電は、「建屋内の汚染水とは濃度が格段に違う。「汚染水ではなく、放射性物質を含む地下水」だと説明しています。(私の中の常識では)放射性物質を含む水を放射能汚染水と言うものとばかり思っていました。「地下水バイパス」の場合は、(一応は)汚染される前の地下水を汲み上げて放流するものですが、今回の場合は、建屋の直ぐ周辺のサブドレインから汚染された地下水を汲み上げ、処理した後に放出します。

東電の実験では1ℓ当たり1,000ベクレルのセシウム、200ベクレル程度のストロンチウムを含む地下水が、処理後検出できないレベルになったとのことですが、処理施設が(書かれていないので、はっきり言えませんが)どうもALPSではなく、他の処理施設で処理することになっているようです。つまり、除去するのはセシウムとストロンチウムだけで、他の60種類以上の放射性物質は取り除かないまま放出するということです。

多分、トラブル続きのALPSでは、これ以上(東電のご認識では「汚染水」でもないものを)処理する余力はない、逆にALPSなんか通せば、もっと汚染されて出てくるということなのかもしれません。高濃度汚染水が現在タンクに36万5,000トン、「地下水バイパス」も日量20~100トン程度で、ALPSで処理した汚染水もタンクに保管しなければいけない東電にとって、建屋に流入する地下水を減らしたいという思いは分かるのですが、今回の汚染水は、(現在のではなく)新たなALPSかそれ以上の能力を持った新たな処理施設を通した後に、放出すべきものだと思うのです・・・


P.S. 閉会中の国会審議で、共産党の笹井議員が「欧州基準では格納容器の二重構造が求められており、日本ではそれすらない」、これで「世界最高水準といえるのか」と田中原子力規制委員長に質問、それに対し同委員長は、「世界最高とは言っていません。世界最高レベルにあるということ」だと応答しました。(揚げ足取りをさせて戴きますが)「世界最高水準」と「世界最高レベル」とは全く同じ意味です。腹が立って方言してしまったのでしょうが、(今度こそ本当の揚げ足取りをさせて戴きますが)日本の原発の現状は、(今までに書いてきたので具体例は割愛しますが)全く古ぼけたままの、欠陥だらけ、問題だらけの原発ばかり、地震も津波も火山もテロも、何に対してもまともな対処ができない状況の中にあると思います。「世界最高レベル」からは程遠いと思うのです・・・

P.S.2 ガレキ撤去による放射性物質の拡散問題で、JA福島の代表者は、ガレキ撤去で放射性物質が拡散し、南相馬市の水田(もっと広い範囲で汚染されていますが)を汚染し、しかそその説明を怠ったとして、農林水産省に対して、「今回の対応は、県との信頼関係を損ねるもの」だとし、今後の「情報公開の徹底」と「放射性物質の拡散防止」を強く要請しています。今回の問題に対して規制委員会は、規制当局として一体何をしていたのでしょうか?「世界最高レベル」どころか、今尚海へ空へ、放射性物質が放出され続けているのです。その情報すらまともに国民に知らされることがありません。今回のような新たな事故が起き、新たな国民の被曝が生じても、誰も事故の説明もせず、謝罪もなく、責任も取りません。「最高レベル」というのならば、現在、放射性物質を世界一放出している「世界最悪レベル」の国と言うべきではないかと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月8日)

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